【世界へ】リブランディング!静岡茶の新ロゴマーク発表…一番茶生産量2位転落など直面の一方で茶価高騰の新事態に現場は
(総合プロデューサー 佐藤 可士和さん)
「JAPAN TEA SHIZUOKA。世界に売っていこうと思っています」
14日午後4時頃に発表された、静岡茶の新しいブランドネームとロゴマーク。これを考案したのは、ユニクロや今治タオルのロゴなど、世界的に有名なデザインを数多く手がけてきた佐藤可士和さん。これをきっかけに、静岡茶を世界に通用するブランドとして売り出していこうというのです。
(総合プロデューサー 佐藤 可士和さん)
「静岡茶自体はすごく魅力があり商品力があるが、世界に対してどうコミュニケーションをしていくかが重要。やれるだけのことを全部やりたい」
その背景には、静岡茶を取り巻く厳しい現実があります。大規模な機械化が進む鹿児島に2024年、荒茶の“生産量日本一”の座を明け渡し、2025年は一番茶の生産量でも抜かれ全国2位に転落してしまいました。しかし、その一方で、衝撃の事態が発生していました。茶の価格が異常とも言える歴史的な高騰を記録したのです。静岡市内のスーパーを訪れると…この日、85円~130円ほどで販売されていたのがペットボトルのお茶。
(田子重西中原店 井上 敬也 店長代行)
「3月から10円から20円ほど値上がりしている形」
それでも販売価格は低く抑えられているそうで、この日85円で売られていた大谷翔平選手がグローバルアンバサダーを務める伊藤園の「お~いお茶」は、3月から希望小売価格が21円値上がりし237円に。それをスーパー側が値引きして販売しているのです。
(田子重西中原店 井上 敬也 店長代行)
「もう本当にギリギリのところ対応させていただいてる」
そこには簡単に価格を上げられない理由が…。
(田子重西中原店 井上 敬也 店長代行)
「主力品ですね。お弁当に合わせて飲む飲み物はお茶を買っていく方が多い。(値上げは)できる限りは避けたい」
茶の価格の異常とも言える高騰…その影響は茶問屋にも。
(和田長治商店 和田 夏樹 社長)
「私が15年経験した中では経験しなかったような相場 値段の上がりがあったと感じた」
静岡での一番茶の荒茶が、前年のキロ1763円から2025年は2218円に上昇。さらに、本来は“安いお茶”の秋冬番茶が、前年355円から1760円と約5倍に急騰し、一番茶とほとんど変わらない価格に。
(和田長治商店 和田 夏樹 社長)
「仕入れ値が上がることによって、値上げであったり、『このお茶はありません』とお答えすることが2025年あった。お手頃な価格でお使いいただくものがほとんどなくなってしまった」
なぜ、これほどまで価格が跳ね上がっているのでしょうか。その一つの要因が世界的な抹茶ブームです。
日本茶の輸出量は、2025年、1万2612トンと前年より3800トン以上増え、輸出額は721億円と過去最高に。抹茶の原料となる「てん茶」の需要が急増したことで、「煎茶」よりもうかる「てん茶」の生産に切り替える茶農家が増加。そこに、肥料や燃料の高騰、離農の増加も重なり、煎茶用茶葉の生産量は減少。供給が減る一方で、ペットボトルの茶の需要は衰えていないため、限られた茶葉をめぐり、激しい買い付け競争が起きているのです。
これまでにない茶の価格高騰。生産の現場は、喜びにわいているのでしょうか。掛川市で茶の生産を行う堀井さん。
(五明茶業組合 堀井 聡 さん)
「今まで安すぎたという感じはしますので。家族経営で農家はやっていると思うんですけれども、ほんとにいろんなことをギリギリの中で我慢して我慢してやり続けた結果」
堀井さんは東京ドーム1個分にあたる46反の茶畑を管理していて、年間収穫できる茶の量は年間約92トン。
(五明茶業組合 堀井 聡 さん)
「この一反で経費としては25万円ぐらいかかります」
このほかに、人件費がかかりさらに、収穫した茶葉を荒茶にする工場の運営にも経費がかかるため、2024年の静岡県内の荒茶の平均取引価格1キロあたり971円ではギリギリだったといいます。それが2025年、2倍近い1キロ1730円まで高騰。さぞかしウハウハかと思いきや…。
(五明茶業組合 堀井 聡 さん)
「投資に回せるというところになる単価ではあった。やっぱり収入が多く得られるということは我々としても何かしらの投資できる。新たなことに挑戦することもできるような力になった」
堀井さんは、この価格上昇をきっかけに、2026年、大きな挑戦をしています。これまで育ててきた茶の木を抜き、世界を見据えた抹茶向けの「てん茶」にも適した新たな品種の茶へ植え替えを進めることにしたのです。
(五明茶業組合 堀井 聡 さん)
「いやも~大変こんなに大変だと思いませんでしたよ…」
植え替えをした茶が収穫できるまでには5年ほどかかります。それでも“今しかない”と賭けに出たのです。
(五明茶業組合 堀井 聡 さん)
「お茶はおもてなしの心日本の文化的な要素はすごく大きい。それがあまりにも高すぎるということになってしまいますと、普段の消費というところには返ってこないんじゃないかという不安ももちろんあります。数では勝てないかもしれないが品質では勝てるといったようなところで、勝ち残っていく術になるかなと思いますので、絶対に品質というものは下げてはいけない」
“抹茶ブーム”で高値がつく一方、煎茶の生産量は減り、ペットボトルのお茶は値上がりが続きます。
静岡茶は今、“量より質”へと舵を切る大きな分かれ道に立っています。14日に発表された新しいロゴは、その変化を世界にどう伝えていくのか。その成否が、静岡の茶業の未来を左右しそうです。
(スタジオ)
(澤井 志帆 アナウンサー)
改めてこちらが新しいロゴマークのついたティーバッグ、そして煎茶の実際の商品になります。藤井さん、いかがですか?
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
これよくロゴマーク下の方の数行の小さい文字見てみると、地名が書いてあるんですよね。左上から富士、富士宮、清水とかいろいろ書いてあって…これ、「みんなでやってますよ、静岡茶がみんなでやりますよ」っていう意気込みが、このロゴマークから感じられますよね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
静岡が一つになっている感じがしますよね。津川さんは、今後のどんな展開に期待しますか?
(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
私…、佐藤 可士和さんが総合プロデューサーになったということに、ものすごく期待してるんですよ。ブランディングの総合プロデューサーですね。ブランディングって何かというと、商品の強みをしっかりと見つめ直して、さらに、それを分かりやすい価値に翻訳をして、それを世の中に定着をさせる。しかも可士和さんは「今治タオル」とかで
世界に売って出てる人ですから、これ、静岡は本当にポテンシャルがもともとあるので、このブランディングがうまくできたら化けるんじゃないかなと、すごく期待します。
(澤井 志帆 アナウンサー)
藤井さんは、静岡の外から見て、静岡茶にどんなイメージを持たれてますか?
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
いやいや、もう色・香り・味わい…全て日本一のクオリティーだと思ってましたけど。それで…なんか鹿児島に抜かれたって…元気なくしているんじゃなくて、もっと、どんどんどんどん元気出してもらいたいなと思いますよ。
(澤井 志帆 アナウンサー)
やっぱり静岡のお茶の強みというのはブランド力や品質力ですから…。
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
「お茶」って言ったら静岡ですよ。間違いない。
(澤井 志帆 アナウンサー)
そうですね…お互いのいいとこ取りをして、どんどん高めていってほしいなとも思うんですが…。
(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
藤井さんぜひそれは「news zero」でも言ってください。
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
そうですね「news zero」も、ちょっとお茶色な感じがあるんでね。緑色でね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
藤井さん、静岡茶をこれから全国、そして世界へと発信していくために、どんな仕掛けが必要だと思われますか?
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
各国の事情に合わせる、フィットをすることがすごく重要だと思います。なぜかというと私…浅草周辺に住んでるんですけど、外国人の人が、みんな刀さして着物を着て写真を撮っているんですよ。日本人からすると…そんな状況ありえないのに、皆さんがすごく楽しそうに写真撮ってる。もしかしたら、静岡茶というブランドはあるかもしれないけれども…、例えば海外に行った時に、静岡茶のその国なりの楽しみ方があっていいと思うんですよね。だから、各国にフィットするやり方をみんなで考えて追求する。そこから輸出していくっていうのもありじゃないかなと思いました。
(澤井 志帆 アナウンサー)
今、その海外では抹茶ブームというのは追い風になっているんですが、一方で「甜茶」に寄りすぎてしまうと…ブームが去った後、心配という声もありますが。津川さん、そのバランスはどうとっていくべきでしょうか?
(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
そうですね、ブームを一過性のものにしないという努力とともに、やはり一つに絞らずに、柱を複数持つということが大事だと思いますね。やっぱり私たちが一時的に楽しむというブームではなくて、習慣的にお茶を飲む。これはこれでしっかりと残していきたいですよね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
そうですよね。継続ですよね…まさしく。きょう発表された新しいロゴマーク。単なるかっこいいマークで終わらせないために、今後、何が必要かと思われますか?まずは津川さん、お願いします。
(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
まず一つはですね、静岡茶っていうブランドで…、今、藤井さんがおっしゃっていただいた通り、静岡県内に茶どころがたくさんありますよね。それぞれのプライドとか思いっていうのはあると思うんですけども、やっぱりそれを一つになるべく統合して、「静岡茶はこれだ」っていう強みに、形にしていくっていうのが、まず一番大事なのかなという感じがしますね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
藤井さんはいかがですか?
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
発信はもちろん大切ですけれども、発信の前に研究ターゲットを知る。その時に自分を変えなければならないんだとしたら…、本当に大切な芯だけはしっかり残して…あとどれぐらい自分が変われるかということが問われているんじゃないかなと感じました。
(澤井 志帆 アナウンサー)
静岡茶のこれからの一歩一歩を、私たちもじっくりと見守っていきたいと思います。
