フォルクスワーゲン・グループのスポーティな小型EV クプラ新型『ラヴァル』 走りとスタイルに特化した個性派ハッチバック
次期VW IDポロの兄弟車
スペインの自動車ブランドで、フォルクスワーゲン・グループ傘下のクプラは、新型のコンパクトEV『ラヴァル(Raval)』を初公開した。今夏に欧州で発売され、価格は2万3000ポンド(約490万円)未満からとなる。
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このクラスのEVとしては比較的安価な設定で、今後発売予定のフォルクスワーゲンIDクロス、IDポロ、スコダ・エピックといった兄弟車とMEBプラス・プラットフォームを共有することでコスト削減を実現した。

クプラ・ラヴァル クプラ
MEBプラスは、より大型のフォルクスワーゲンID.3やクプラ・ボーンなどで採用されているMEBを発展させたものだ。リアサスペンションをマルチリンク式からシンプルなトーションビーム式へ変更するなど、小型車向けにさまざまな改良が加えられている。
新型ラヴァルのボディサイズは全長4.05m、全幅1.78m、全高1.52mで、ルノー5 Eテックよりわずかに大きい。フォルクスワーゲン・グループが投入予定の小型EVの中で最もスポーティなモデルとして位置付けられており、その結果、MEBプラスの基本構成より15mm低く、10mm広くなっている。
コンパクトなサイズながら、トランクの床下に大型収納スペースを備え、荷室容量は430Lと広い。
225psの高性能モデルも
ラヴァルには4種類のグレード、4種類のパワートレイン、2種類のバッテリーが用意される。こうした構成は、フォルクスワーゲンの兄弟車にも踏襲されるだろう。
エントリーグレードの『コア』は、最高出力115psのフロントモーターと37kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを搭載し、公称航続距離は約300kmだ。最大90kWの充電が可能で、10〜80%の充電には27分かかる。

クプラ・ラヴァル クプラ
『V1』および『V2』グレードは標準で135psを発揮し、オプションで210psまで引き上げることができる。52kWhのニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーも選択可能で、これにより公称航続距離は約450kmに伸びる。充電は最大130kWに対応する。
最上位グレードは『VZ』(スペイン語で「速い」を意味する「Veloz」の略)で、アルピーヌA290に対抗する高性能EVとなる。価格は約3万7000ポンド(約790万円)だ。
VZには52kWhのバッテリーが搭載され、モーター出力は225psに向上する。電子制御リミテッドスリップディファレンシャルを備え、0-100km/h加速タイムは7.0秒、最高速度は174km/hを達成する。出力向上に伴い、航続距離は約450kmから400km近くへと短縮される。
フロントサスペンションもVZ専用のセッティングとなる。ナックルを改良することでネガティブキャンバー角を拡大し、より強い横Gに耐えられるようにした。これにダイナミック・シャシー・コントロール(DCC)スポーツのアダプティブダンパーが組み合わされている。スタビリティコントロールは完全にオフにすることも可能だ。
スポーティで個性的な内外装
ラヴァルのエクステリアデザインは、2022年公開の『アーバンレベル』コンセプトを踏襲したもので、特徴的な「シャークノーズ」を備えている。フロントグリルのエアベントはバックライト付きで、「くちばし」のような形状を際立たせる。
インテリアにも力が入っている。例えば、ダッシュボード内部にプロジェクターが搭載され、フロントドアパネルにアニメーションを投影する。さまざまなグラフィックが用意され、ドライブモードの切り替えと連動させることも可能だ。

クプラ・ラヴァル クプラ
クプラのクリエイティブディレクター、フランチェスカ・サンガリ氏はAUTOCARに対し、「わたし達は光を、まるで素材のように使っています。光によって、没入感のある乗車体験を演出します。光は環境と強くつながっていると感じさせる強力な力を持っているのです」と語った。
ラヴァルには、クプラ史上最大となる10.25インチのインストゥルメント・ディスプレイも搭載される。一方、12.9インチのインフォテインメント・タッチスクリーンと、エアコンの温度調整スライダーおよびハプティック(触覚フィードバック付き)コントロールは従来モデルと同じだ。ただし、ステアリングホイールには物理ボタンが多数配置されている。
VZグレードでは、「3Dニット」素材を用いたシートが特徴だ。これはランニングシューズにも似た軽量な新素材で、従来のファブリックよりも持続可能性が高いと言われている。複数のパーツを縫い合わせた従来のシートカバーと異なり、1枚の生地として製造できるため、リサイクルする際に縫い目をほどく必要がない。
ラヴァルは、クプラのラインナップの中で最小かつ最も手頃な価格のモデルとなり、同ブランドの販売拡大における鍵と見なされている。クプラの関係者らは、昨年世界で10万4400台を販売したSUV『フォーメンター』を上回り、2028年までにブランドのベストセラー車になることを期待している。
