青森で津軽三味線の猛特訓!憧れのスター・吉田兄弟の前で生演奏!:世界!ニッポン行きたい人応援団

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ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(毎週月曜 夜8時54分 ※4月6日(月)は、夜8時放送)。

【動画】青森で津軽三味線の猛特訓!憧れのスター・吉田兄弟の前で生演奏!

世界大会優勝の高校生と5日間の猛特訓



今回紹介するのは、アルゼンチン在住、「津軽三味線」を愛するロサリオさん。


三味線は1500年代、沖縄の三線をもとに、日本独自に発展した和楽器。江戸時代にはその豊かな音色で、歌舞伎や長唄などの伴奏に欠かせない楽器として広まりました。

独学で、主に民謡や長唄を勉強しているロサリオさんは、世界的津軽三味線奏者、吉田兄弟の大ファン! 高く軽やかな音色の長唄三味線と違い、津軽三味線は撥(ばち)を打ちつける激しい奏法で、力強く迫力がある低音の響きが特徴。そのため、胴が大きく棹も太い仕立てに。

津軽三味線の奏法を学びたいロサリオさんですが、アルゼンチンには津軽三味線の先生がおらず、いつかはニッポンで学ぶのが夢。しかし、津軽三味線に適した太棹三味線を月収とほぼ同じ金額で購入したため、ニッポンに行ける経済的な余裕はありません。

そんなロサリオさんを、ニッポンにご招待! 初来日を果たしました。

向かったのは、青森県五所川原市。五所川原第一高校の津軽三味線部の皆さんが受け入れてくださいました。去年の津軽三味線世界大会で団体優勝、青森県高等学校総合文化祭でも5年連続最優秀賞を受賞している名門です。

早速、世界一の演奏を聴かせていただくと「こんなに迫力のある三味線を聴くのは生まれて初めてです」と、オーケストラのような壮大な響きに感動! 特別講師・鳴海昭仁先生によると、部員のほぼ9割が初心者で、4月に入学し、半年で13曲も覚えるそう。


まずはロサリオさんの腕前を見ていただきます。最大の課題は、撥の叩き方が弱いこと。胴や弦に叩きつけて強く弾くことから、津軽三味線は打楽器といわれることも。
さらに、鳴海先生が教えてくださったのは、撥の位置でボリュームを変える「撥付け」。撥を叩く位置を前後させ、音色に強弱とリズムをつけるのだとか。

ここで、鳴海先生と「六段」を演奏させていただくことに。6曲で構成される、津軽三味線の基礎練習曲です。しかしロサリオさん、途中でついていけなくなってしまいました。
習得に半年かかる「六段」ですが、今回は5日間で、最初の「一段」の習得を目指します。


早速、部員の皆さんと練習を開始。しかし、ロサリオさんは撥で叩く時に弦しか弾けず、音を出し切れません。副部長の木村希愛さんから「(胴に)当たる瞬間に押しつける感じ」とアドバイスをいただき、再度演奏すると音に変化が。2時間にわたり特訓を続け、力強い音が出るようになりました。

ここで、顧問の白取浩平先生から「部員と一緒に演奏会で弾きませんか?」と提案が。成果を発表する場として、5日後に演奏会を開いてくださることに!

練習2日目。ロサリオさんは、三味線部が自主練に使っている公民館へ。部員の皆さんが授業を受けている間、自主練習を続けます。
そこに、授業を終えた部長の木村優奈さんと2年生の島谷志門くんがやって来ました。
自主練の成果を見ていただくと、「叩いた時に撥がはずんでいる」と島谷くん。撥が跳ねると、弦の振動で伸びたような音に。撥を置くように叩き、振動を抑えることで音に重みが出るそう。
早速、アドバイスを実践し、30分練習を続けると、木村部長から「さっきより綺麗に見えます」とお褒めの言葉が。少しコツが掴めたようです。

翌日も、カラオケ店で一人練習を続けるロサリオさん。さらに、移動中も部活中に撮影した演奏を見て復習に励みます。

名匠が授けた「技」と「一生モノの贈り物」




この日は、青森県弘前市で津軽三味線の販売・修理を行う「多田工房(杏)」へ。
職人歴40年、多田あつしさんは、津軽三味線の全国大会優勝経験もある三味線奏者。音色にこだわるあまり、自ら製作や修理を手掛けるまでに。アルゼンチンには三味線の修理ができる職人さんがいないため、弦の張り替えを自分でできるよう教えていただきます。


本当は、ロサリオさんの三味線を見ていただきたかったのですが、一本棹(延べ棹)でサイズが大きく、飛行機内への持ち込みができません。
そこで多田さんが見せてくださったのは、三つ折り棹と呼ばれる、分解できる三味線。延べ棹に比べて反りや曲がりが出にくく、修理して長く使えることから、高級な三味線のほとんどが三つ折り棹なのだそう。

弦の張り替えを教えていただく前に、ロサリオさんが普段使っている弦を取り出すと、「これは長唄とか小唄の糸のサイズ」と多田さん。津軽三味線には、力強い演奏に耐え、迫力ある音を響かせる太い弦を使う必要があるのだとか。


早速、弦をつけていきます。三味線の音色に最も影響するのが、「音緒」に弦をかける工程。


輪っかを作って音緒にひっかけ、キュッと締めます。一見簡単そうですが、この時、とても大事なポイントが…。


「弦が胴にしっかりつくようにする」(多田さん)。こうすることで、弦の振動が胴にしっかりと伝わり、迫力のある音色になるのです。

3本の弦の張り方を教えていただき、しっかりノートに記録したロサリオさん。「教えていただいたことは私にとって宝物です」と感謝を伝えます。


「日本の楽器に興味を持ってくれて、ただ演奏するだけじゃなくて追求しているのがすごい」と多田さん。そしてここで、三つ折り三味線と、機内に持ち込める専用ケースのプレゼントが! 「信じられない…」と感動するロサリオさんでした。

多田さん、本当にありがとうございました!

3連覇の王者が伝授する「魔法のテクニック」



再び、部活に合流したロサリオさん。強い撥さばきに慣れてきたところで、お次は音に強弱をつける練習を行います。胴の中心で弾く力強い音色の「後撥」と、胴の前の部分で弾く細やかな音色の「前撥」を使い分け、はねるようなリズム感を出していきます。


ところが、前撥を入れるタイミングが掴めず大苦戦。前撥を使う箇所を書き込んだ楽譜を書き写し、繰り返し練習します。
「身につくまでひたすら頑張ります」と意気込むロサリオさんを、木村部長が「けっぱれ(頑張れ)」と激励。翌日も公民館で練習を続け、部員の皆さんも応援に来てくださいました。

そんな中、演奏会の前日に強力な助っ人が。津軽三味線の世界大会で3連覇、アルゼンチンにも演奏に訪れた葛西頼之さんです。5日間で「六段(一段)」の習得を目指すロサリオさんの状況を伝えたところ、力を貸してくださることに。

葛西さんに習いたいのは、安定した撥付けのテクニック。撥を握る親指の位置をずらし、撥の“しなり”で音の強弱をつける技を教えていただきました。挑戦すると「めっちゃ上手くなっていません?」と嬉しい言葉が。


そして、課題曲を披露する上で習得必須のテクニックが、津軽三味線の華ともいわれる左手の奏法「ハジキ」。葛西さんは、ハジキにより弦を高速でかき回す「かまし」を見せてくださいました。「かましを何でやるかというと、拍手をもらうためです」と葛西さん。

葛西さんのお手本を見ながら、指の動きが滑らかになるよう反復練習。1時間後にはOKをいただき、「難しい技法を、魔法をかけるように教えるテクニックがすごいですね」とロサリオさん。こうして、ハジキも習得することができました。

葛西頼之さん、本当にありがとうございました!

憧れの舞台で響かせた魂の音色…吉田兄弟からのサプライズ!



その後も時間の許す限り猛特訓を続け、迎えた演奏会当日。ロサリオさんは、開演の6時間前に会場入りし、最後の追い込み。津軽三味線部の皆さんが到着すると演奏用の衣装に着替え、木村部長を中心に「やってまれ!(やってしまえ)」と気合を入れます。


ここで、ウェルカムサプライズ! 客席に、お世話になった先生方が座る中、なんと憧れの吉田兄弟が登場! このサプライズに、ロサリオさんも部員の皆さんも大感激!

お二人の目の前で、まずは合奏曲を。そして、今回のニッポン滞在の集大成「六段(一段)」を、ロサリオさん一人で演奏します。
演奏後は、お二人に「一曲弾き切ったことが素晴らしい。難しい曲を少ない日数で覚えたことが本当にすごい」と評価していただきました。

するとここで、プレゼントが! なんと、ロサリオさんが弾けるようになりたいと願う、「津軽じょんがら節」を吉田兄弟が演奏してくださることに!


憧れの吉田兄弟の演奏を、目の前で堪能したロサリオさん。「音とテクニックに圧倒されて、こんな感動はありません」と想いを伝えることができました。

そして別れの時。部員の皆さんに向けて、「みんなは、高い技能と優しさを兼ね備えた最高の先生でした」と言葉を贈るロサリオさん。最後に津軽三味線部のチームシャツと寄せ書きをいただき、皆さんと円陣を組んで「ありがとうございました」と感謝を伝えました。

吉田兄弟のお二人、五所川原第一高校津軽三味線部の皆さん、本当にありがとうございました!

月曜夜8時からは、「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送!

独学で17年もの歳月をかけ、イギリスの自宅に約90坪もの「日本庭園」を作り上げたマーティンさん。憧れの地で彼を待ち受けていたものは驚きの連続と心震える体験だった!