変わらぬ歌声を届け続ける由紀さおり(左)と安田祥子(撮影・足立雅史)

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童謡を歌い継ぎ、世界中に広めてきた由紀さおり(79)安田祥子(84)姉妹。1986年(昭61)に童謡コンサートをスタートさせ、40周年という節目を記念したベストアルバム「日本の四季」を4月15日に発売する。そして6月11日には東京・渋谷公会堂で40周年記念公演を行う。

2人で童謡を歌うことは、亡き母への親孝行であり感謝の思いを伝えることでもある。【取材・構成=松本久】                         ◇  ◇  ◇  

−86年に童謡コンサートをスタート。それをきっかけに大人の童謡ブームを巻き起こし、20年間で2000回のコンサートを開催しました。すごい数字です

由紀 一番多かった時は1年間で155本をやりました。若かったからできたのよね。2日に1回歌っていた。でもね、お姉ちゃんがいたから、無理をすることがなくできたと思うんです。コンサートはピアノと2人の声だけ。丸裸になった感じで声を出さなきゃいけないから4日続けては公演をしない。それを守ったことがここまで長く続けられた要因の1つです。

−2人の活動を漢字1文字にすると?

由紀 1文字じゃないけど「共感」。こういう年齢になってくると、いたわり合うことが大事。スタッフとは別に、姉妹でのやりとりの中で「こうやりたい」「つらい」「頑張ろう」というような、下相談じゃないけれどもそういう話がちゃんとできる。母は私のために個人事務所(安田音楽事務所)を作ってくれたんです。99年に母が亡くなった時、会社を閉めるのは「私が歌を辞める時。私の責任で」と思いました。事務所を引き受けたいと思い、お姉ちゃんに「どう?」って聞いたら「いいんじゃないの。協力するわよ」と。いろいろと相談をしながら続けています。

安田 私は尊敬の「尊」です。それしかない。

由紀 本当に私たちは多くの人に支えていただいた。特に母は姉妹の接着剤でいてくれて、お姉ちゃんにはこう言って、私にはこう言ってと。上手でした。その母に親孝行として感謝の気持ちを伝えるには、2人が歌うことだと思っているから、それをやらせてもらっています。

−最後にファンにメッセージをお願いします

安田 皆さまからたくさんの応援を頂戴して今も元気に歌うことができております。6月11日の40周年記念コンサートを成功させたいと日々励んでおりますので、ぜひお運びいただきたい。新しいアルバムもお手に取っていただけたら幸いです。ぜひお目にかかりましょう。

由紀 右に同じ(笑い)。だけど、やっぱりここまで来て、歌うには本当に準備が大変。トレーニングは姉も私もしているし、体が固くならないようにマッサージもしています。メンテナンスですね。私は耳鼻科の先生に週に1回、悪くなくても喉の状況を見てもらっている。そういう準備を2人で努力してやっています。でもそうすることで、ここまで頑張れるというのも見ていただいて、「元気をいただいたわ」って皆さんが帰ってくださるような、面白おかしく楽しく、日本の歌を歌うコンサートをやりたいと思っております。

◆由紀さおり(ゆき・さおり)本名・安田章子。1946年(昭21)11月13日生まれ、群馬・桐生市出身。小学生の時から「ひばり児童合唱団」で童謡歌手として活躍。69年に由紀さおりとして「夜明けのスキャット」で再デビューし150万枚のヒット。歌手だけでなく女優、司会、バラエティーなどで幅広く活動。CMソングは300曲以上歌唱。12年に紫綬褒章、19年に旭日小綬章。趣味は陶芸、日舞(花柳和可沙織)。

◆安田祥子(やすだ・さちこ)1941年(昭16)9月9日生まれ、川崎市出身。小学生の時から「ひばり児童合唱団」で童謡歌手として活躍。東京芸大大学院修士課程修了。同大講師を18年続け、コンサート活動に専念するために退任。ボイストレーナーとしても活動。13、21年に文部科学大臣表彰。草苑保育専門学校特任講師、NPO法人「音楽で日本の笑顔を」顧問。