ウクライナと日本の懸け橋に 美馬市にアートセンター【徳島】
ロシアの侵攻が続くウクライナ出身の女性が、美馬市に文化活動の拠点=アートセンターを設立します。
彼女は何を伝えようとしているのか、彼女の思いを取材しました。
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「私の夢は、ウクライナの文化に関するアートセンターをつくって、文化の違う日本とウクライナの懸け橋をつくることです」
ウクライナのキーウ出身で、アートマネージャーとして働いていたアロナさんは4年前、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、避難のため来日しました。
岡山県で2年ほど暮らしていた時、三好市に住むプログラマーの矢野亮さんと出会い、結婚。
2024年に徳島へ来て、アートセンターを設立したいと考えるようになりました。
アロナさんがアートセンター・ウクライナ文化の箱庭を開設しようと探し出したのは、この5階建ての建物です。
さっそく案内してもらいました。
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「ここに飾っているのは、アートセンターのキックオフイベントのために準備した私の作品です」
「ピンホールカメラで、三好市にある自宅を撮影したんです」
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「ウクレレ。ウクレレかな」
(記者)
「中にカメラが」
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「そうです、中を暗くしてウクレレ形に切った写真用紙を入れるんです」
「そして、ウクレレの中に入り込んでくる日光の量を計算して、ピンホールを開けます」
「この小さな0.03ミリほどの穴から、太陽の光を入れて撮影します」
「写真用紙に光が当たると、この写真が出来上がるんです」
階に上がると、そこには展示スペースが。
アートセンターの説明ボードや、昭和の段ボールで出来た作品が飾られています。
アロナさんは、この4月から不定期のワークショップやイベントを開催しながら、建物の改装を進めます。
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「50年ほど前にビルを建てた人からアルバムをもらったんです」
「前のオーナは、いろんな角度からこのビルの写真を撮っていて、とっても面白いんですよ」
「ここは昔、理髪店だったんです」
続いて3階へ。
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「3階は、改装してからギャラリースペースにします」
「この部屋には秘密の扉があるんですよ!茶室のつくりがとっても魅力的です」
アロナさんが、いくつか写真を取り出しました。
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「私は、ウクライナのピンホールカメラグループ・ピンホリエロバンディトスの一員なんです」
「例えばこのあたりにピンホールカメラを設置して撮影します。その写真ができるとこんな感じになります」
「マリウポリの古い給水塔でも写真を撮ったんです。塔の上にカメラを設置してそこから風景を3ショット撮影しました」
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「その写真がこちらです。けれど今は、街が破壊されていて景色はこんな風には見えません」
「このグループには10人ほど参加しているんですが、リーダーが2人います」
「右のヴァルデマルトさんは兵士として戦場に行く準備をしています」
「でも、それでも芸術活動を続けようとしているので、そんな現状や思いも伝えたいと思って」
アロナさんと夫・亮さんのもとに2025年11月、新しい家族が増えました。
長女・摩耶ちゃんです。
母になったアロナさん、アートセンタの立ち上げに、より一層想いを強くしました。
(夫・矢野亮さん)
「(アロナさんの)経験が主にウクライナのアートイベント企画運営なので、実績をどう説明すればいいか苦労しています」
「今の所この2フロア、セルフリノベーションのできる範囲でしていますけれど」
「本格的に借り入れをして、リノベーションしてという話を今年から動き出す予定で」
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「藍染やりたい」
(夫・矢野亮さん)
「そうね、あなたの誕生日に準備するよ」
(夫・矢野亮さん)
「あら、お久しぶりです」
今では知り合いも増えてきました。
(夫・矢野亮さん)
「摩耶ちゃんです」
(近所の人)
「摩耶ちゃん」
(近所の人)
「かわいいね」
摩耶ちゃん、ご機嫌になったみたいです。
(近所の人)
「こうやって建物も綺麗にして使ってもらえて、ウクライナのPRもできて、近所が賑やかになっていいと思います」
(アートセンター・ウクライナ文化の箱庭 アロナ・チジェンコさん)
「私はウクライナの文化や芸術をみなさんに知って欲しいんです。ウクライナは戦争だけじゃないんだと」
「私の国の文化をみなさんに紹介し、実際に見て知って欲しいと思っています」
母国ウクライナの家族と別れ、8000キロ以上離れた徳島にやってきたアロナさん。
美馬市脇町につくるウクライナ文化のアートセンターから、未来の平和な世界を願います。
アートセンター・ウクライナ文化の箱庭の今後の予定は、インスタグラムやホームページでご確認ください。
