40歳で“貯蓄1000万円”を達成。60歳までに「老後2000万円問題」をクリアしたいのですが、毎月いくら投資に回せば達成できますか?
「老後2000万円問題」は令和7年の水準だと“1500万円”
金融庁が提起し世間を騒がせた「老後2000万円問題」ですが、この金額はあくまで令和元年の水準で老後30年に必要な老後資金であり、その時々の物価水準等に合わせて読み換えが必要です。
総務省統計局による家計調査(家計収支編)の令和7年次平均によると、65歳以上の夫婦一組の世帯(無職世帯)の実収入は25万4395円、消費支出は26万3979円、非消費支出は3万2850円と公表されています。
そのため、実収入と支出の差額を計算するとマイナス4万2434円となり、老後30年の取り崩しは1527万6240円と算出されます。この試算は一定の前提に基づくため、実際に必要な金額は世帯の状況などによって異なります。そのため、一つの目安として捉えることが重要です。
令和7年水準の「老後2000万円問題」をクリアするには毎月いくら拠出が必要?
金融庁の「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」によると、過去の運用実績から読み取れる傾向として、NISAの保有期間が20年の場合、年間収益率(資産運用で得られた1年あたりの利益率)は2~8パーセントの範囲に収まるケースが多いことが示されています。
ただし、この利益率は過去の運用実績に基づく傾向であり、将来の運用結果を必ずしも保証するものではありません。それを踏まえたうえで、令和7年水準の老後資金1500万円を60歳までに貯めるためには、貯蓄1000万円を除いた500万円を20年間で積み立てなければなりません。
そこで、目標金額を500万円、想定利回りを2パーセント・5パーセント・8パーセントと仮定して、金融庁の「つみたてシミュレーター」を用いて計算してみましょう。
積立期間を20年とした結果、毎月必要となる積立金額は、年率2パーセントの場合に約1万7000円、年率5パーセントの場合に約1万2500円、年率8パーセントの場合に8800円となります。
「老後2000万円問題」をクリアする3つの対処法
ここでは、「老後2000万円問題」をクリアする3つの対処法をご紹介します。
まず、1つ目の対処法は、定年退職後もできる限り働き続けることです。再雇用制度の利用やシニアアルバイトにより、老後であってもお金を稼ぐことができます。また、社会保険適用事業所に勤めた場合、一定の要件を満たせば70歳未満までは厚生年金に加入できるため、将来の年金額が増える可能性があります。
次に、2つ目の対処法は、iDeCo(個人型確定拠出年金)などに拠出することです。なお、iDeCoとは、国民年金や厚生年金とは別に、自分で掛金を積み立てて運用し、60歳以降に年金もしくは一時金として給付を受け取る私的年金制度です。
さらに、3つ目の対処法として、貯蓄や退職金を投資信託などに投資して資産運用することが挙げられます。退職金の運用で代表的な方法としては、投資信託のほかに、ファンドラップ、定期預金、個人向け国債、貯蓄型保険、外貨預金、株式投資などがあります。
これらは、いずれか1つしか選択できないわけではありません。無理のない範囲内で複数選択するのも、リスク分散のひとつの方法です。
まとめ
必要な老後資金は、その時々の物価水準等によって増減します。老後に少しでも豊かで安心して生活するには、当記事で紹介したことを実践するのも、ひとつの方法です。老後を生きるうえで必要な資金をどのように捻出するか、今一度真剣に考えてみる必要があるのかもしれません。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 第3-12表
金融庁 はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック(3ページ)
金融庁 つみたてシミュレーター
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
