大谷翔平の活躍を支える「睡眠」 睡眠の質向上を考える人が増えスリープテック市場が急成長
大谷翔平は、最高のパフォーマンス維持のために「睡眠」にこだわっていることは有名だ。1日10~12時間(夜間10時間+昼寝)の睡眠をとり、単に長いだけでなく「質」へのこだわりも強い。寝具メーカー西川のオーダーメード枕やマットレスを遠征先にも持参し、どこでも同じ質の睡眠をとれるようにしている。
そんな大谷効果もあってか、昨今は睡眠の質向上を考える人が増えている。国内の睡眠関連市場は1兆円を超える巨大市場に成長し、寝具メーカー市場は2000億円規模で高機能マットレスなどが含まれる。機能性表示食品は約735億円、そして、新しいアプローチとして「スリープテック」が注目を集めている。
スリープテックとは、ITやAIなどの先端テクノロジーを活用して睡眠の質を向上させるための製品・サービスの総称だ。人生の約3分の1の時間を占める睡眠を科学的に分析し、個人に最適な改善策を提供する。スリープテック市場には、医療機器メーカー、ヘルスケア企業、寝具メーカー、電機メーカー、情報通信企業、大学発スタートアップなどが参入しており、矢野経済研究所は2027年の国内市場規模を160億円と予測。具体的には次のようなものだ。
「睡眠管理アプリ」は、睡眠時のデータを記録・分析し、睡眠の質や改善ポイントを可視化することで、ユーザーの睡眠習慣改善をサポートする。
「ウェアラブルデバイス」は、体に装着して使用する健康管理機器。例えばApple Watchでは、加速度センサーと心拍数センサーを組み合わせて、レム睡眠・コア睡眠・深い睡眠などの睡眠ステージを検知する。
「スリープテック照明」は、光の波長や強度を調整することで人間の自然な睡眠・覚醒リズムをサポートする照明システム。多くの製品では就寝時間にあわせて徐々に光の色温度と明るさを変化させ、自然な夕暮れの環境を再現する。
「スリープテックベッド」は、睡眠データのモニタリングと物理的な調整機能を組み合わせた寝具。内蔵センサーでリアルタイムで睡眠時の体動・呼吸・心拍数などのバイタルデータを収集し分析する。
「リカバリーウェア」は、睡眠中に着用することで身体の回復を促進する特殊な繊維を使用した衣類。例えば、最近は櫻井翔のCMで有名だ。
日本人が睡眠に注目するようになった背景には、慢性的な睡眠不足もある。OECD(経済協力開発機構)33カ国の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、調査対象国の中で最下位だ。とくにに30~50代の働き盛り世代で「6時間未満」の人が増えている。これは健康面のみならず、経済活動(労働生産性)にも深刻な影響を及ぼしている。
13日は「世界睡眠デー」、18日は国内で「春の睡眠の日」となっている。11~25日の「睡眠健康週間」には、生活環境の変化が多い春に、生活習慣や睡眠環境を見直し、睡眠の質を高めるための意識啓発が行われている。
大谷に負けないような質のいい睡眠を確保したいものだ。
