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人の名前がパッと出てこない、「ああ、うっかりしてた!」が口ぐせ。今、何をしようとしていたのか思い出せない……という人も多いことでしょう。気のゆるみは誰にでもあるけれど、それが思わぬ事態につながることも。『婦人公論』読者の、うっかり体験を聞きました。

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<2よりつづく>

搭乗券が、ない!

わが家は子どものいない熟年夫婦。2人の趣味は旅行に行くことですが、旅の楽しみ方はまったくちがっています。その場の成り行きを楽しむ私と違い、夫は観光の場所も時間もきっちりと決め、計画を遵守したいタイプ。そんな組み合わせなので、旅行中は3分に1回のペースで喧嘩しています。そのきっかけは、たいてい私の度を越したうっかり。

ある時、登山旅行へ出かける途中の車の中で、私がサンダルを履いて来てしまったことに気が付きました。これでは登れないので引き返し、その後のスケジュールは総崩れです。

またある時は、飛行機の旅。空港に着くと「チケット持ってるよね」と何度も確認する夫に、「大丈夫大丈夫」と生返事をしていました。ところがいざ手荷物検査の際に搭乗券を出そうとすると、確かにさっきまであったはずなのに、どこを捜してもない!

購入履歴をもとに再発行してもらい、どうにか予定の便に間に合いましたが、怒り心頭の夫は「どう思いますかこの人! ありえませんよね!」と係員になぜかまくしたてはじめ……その剣幕に、周囲の乗客も引いていました。

ただ不思議なことに、「もう夫婦での旅行はやめよう」とはなりません。夫の言うことは正論なので、仕方がないなと受け流しつつ、気を付けるところは気を付けながら、今後も仲良く(?)旅をしたいと思います。

(55歳・主婦)


(イラスト:いしやま暁子)

持たせると危ない

県外に住む娘が孫をつれて帰省し、数日をうちで過ごして帰る時のこと。夫と駅まで見送りに行く際、孫のお気に入りのバッグを、「おばあちゃんが持ってあげる」と預かりました。

別れを惜しみながら娘と孫が電車に乗り込み、ドアがしまった瞬間、ハッと気が付きました。孫のバッグが私の手に!

電車が走り去る直前に見たのは、ワーンと泣き出す孫の顔。帰り道、慌てて郵便局でバッグを送る手続きをしました。帰宅して電話をかけ、「すぐに届くから大丈夫だよ」と言ったものの、孫は「おばあちゃんにバッグを持たせると危ないとわかった」と。

その事件以来、移動の時は自分の荷物は自分で持つ、というのが娘一家のルールになったそう。私の信頼は地に落ちたけれど、孫はしっかりすることでしょう。それならまあいいか、と前向きにとらえました。

(70歳・主婦)