1年半で「血税2200億円」が消える…世界に類を見ない“超短期選挙サイクル” 金利上昇と円安の代償
短期間に繰り返される国政選挙と、前回総選挙以来3回で計2200億円に上る膨大な選挙費用。1月19日放送のOBSラジオ『モーニングエナジー』に出演した構想日本代表の加藤秀樹氏は、この「選挙ご都合主義」が政策の歪みを生み、ひいては国際市場における信頼低下、金利上昇や円安を招く一因になっていると警鐘を鳴らす。
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選挙と政治活動の不自然な分離
「選挙には莫大なコストがかかる」と加藤氏は指摘。前回の衆議院選挙(2024年10月)で約730億円、去年の参議院選挙(2025年7月)でも約620億円が投じられた。さらに、今年2月の選挙では800億円以上の支出が見込まれている。
わずか1年半の間に3回もの国政選挙が行われるのは、世界でも類を見ない。その総額コストは2200億円に達する。これほど巨額の血税が、選挙のためだけに費やされている。もちろん選挙期間中と開票日には自治体職員が対応に追われ、日常職務にも影響が及ぶ。
加藤氏は「日本は不思議なことに、選挙運動と政治活動を厳格に分けています」と説明。諸外国では日常の政治活動と選挙活動は一体不可分とされるのが一般的だが、日本では公示日を境に「政治活動」から「選挙運動」へと法的に切り替わる。
この「普段の政治活動」には、議員や秘書の給与など(1人当たり約7000万円)や政党助成金(年約320億円)、さらに寄付などを含め年間約1200億円が使われている。
加藤氏:
「その多くは実際には次の選挙のための活動。もっと現実に合った制度にするほうが政治家にとっても良い。選挙サイクルが短くなると、政治家は次の選挙までの短い期間での人気ばかり気にして、長期的な政策やましてや将来の国家戦略を考えることをしなくなる」
「選挙が常に1~2年先となれば、目の前のことしか考えない。医療でも雇用でも子育てでも、本来は長期的な視点で議論すべき課題が無視され、『減税』や『おこめ券配布』といったバラマキ、人気取り政策ばかりが並ぶことになる」
「解散権は総理大臣の専権事項と言っても、国の舵取りを行う人が自分の政権を延命させるために解散することが常態化しているのは、国民や国の利益をないがしろにする行為」
加藤氏は、安倍政権下の8年間も「2年おきに選挙を繰り返し、2年ずつ延命する」スタイルだったと分析。現在の高市政権もまた、その手法を踏襲し、解散権を政争の具としているのではないかとの見方を示した。
国際市場の厳しい視線
最近の金利上昇と円安を見ると、こうした政治的不安定さと短期志向が、国際金融市場からも冷徹に見透かされているという。加藤氏は「金利が上がれば国の借金はさらに苦しくなり、円安が進めば物価高となる」と述べ、総理の説明とは逆に国民生活に対するさらなる打撃リスクを指摘する。
政治家を短期志向に走らせる要因として、メディアによる頻繁な支持率調査も挙げる。「支持率に一喜一憂し、調査のたびに近視眼的になる」と加藤氏は憂慮する。さらに、「支持率調査をすると、選挙や組閣直後は注目が集まって、一時的に数字が上がったりする」という現象も指摘し、世論調査そのものが政治工作の道具に使われている可能性を示唆した。
国民のための政治、そのための政権獲得であったはずが、いつしか『議員であり続けること』『政権を維持すること』そのものが目的化していて、選挙制度や政治資金など日本の政治システムの抜本的な見直しが求められている。
