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環太平洋大VS岡山大 勝者はどっちだ?!

中四国の学生駅伝ナンバー1を決める「中国四国学生駅伝」が、11月30日に行われました。優勝校は、学生三大駅伝の1つである「出雲駅伝」の来年の出場権を獲得できる重要な大会です。

【画像を見る】レース後、互いの健闘讃え抱き合う 環太平洋大・岡山大 両エース

強豪のIPU環太平洋大学は、前回優勝。国立ながら近年、中四国の強豪に名を連ねている岡山大学は2位でした。

前々回は3位までが出雲に行けたため、岡山大学は初の出場を決め話題になりました【画像①】。果たして今年は…?

「出雲駅伝」の出場権を手にするのは

全国級の選手を多数擁する、去年の覇者、環太平洋大学か。

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手【画像②】)
「何がなんでも最低限、勝利」

それとも去年、涙を流した岡山大学が初の優勝を飾るのか…。

(岡山大学工学部3年 長距離パート主将 木戸颯選手【画像③】)
「1年間、その思いは忘れることがなかった」

それぞれの思いを胸にタスキをつなぎます。

「後輩から走ってくれませんかと」医師国家試験を控えた6年・岩崎選手

大会前日、岡山大学のメンバーが会場の山口市に到着しました。

(岡大陸上部のメンバー【画像④】)
「6回も1区走る人は、もうこれからおらんやろ」
「安心感しかない」

6年連続で1区を任されたのは、医学部6年の岩崎亮太選手。中距離を中心に、主力として活躍してきましたが、医師の国家試験が控えているため、今回出場する予定はありませんでした。ところが…。

(岡山大学医学部6年 岩崎亮太選手【画像⑤】)
「後輩から電話がかかってきて、『1区を走ってくれませんか』と。出走枠を奪っていいのかという思いと、本当にいい位置で渡せるかという不安」
「結構悩んだ」

それでも…

(岡山大学医学部6年 岩崎亮太選手)
「なんとか力になれないかなと思って」
「覚悟を決めて、ここまで準備してきました」

もう一度全国へ…岡山大学の切なる思い

チームとしても”覚悟”のレースになります。風呂場でため息をつく2人です【画像⑥】。

(岡山大学工学部4年 赤澤京弥選手)
「今年1年かあ」

(岡山大学工学部3年 長距離パート主将 木戸颯選手)
「どうしても結果が…」

練習方法などの改革で躍進をした岡大は、去年、初めて出雲駅伝などの全国駅伝を経験しました。

しかし今季は予選会で勝てず、出場できていません。来年こそは、もう一度全国へ…。

(岡山大学工学部3年 長距離パート主将 木戸颯選手【画像⑧】)
「今、部室には去年『2位』をとったときのトロフィーがあると思うんですけど、もうあれ欲しくないんで」
「本当に優勝したいです」
「自分がアンカー走ってしっかり決めるんで、そこまでいい位置でタスキをつないでほしい」

目指すは「優勝」のみ「中国四国学生駅伝」号砲!

6区間・53.5キロを、中四国の22チームが競います。

岡大・医学部6年の岩崎選手は、これがラストランです。

(岡山大学医学部6年 岩崎亮太選手【画像⑨】)
「ぶっ倒れてもいいぐらい、もう走らなくてもいいと思えるぐらい、全力を出し切りたい」

そしてレースがスタートしました。1区から2区へ、、、中継点に最初に現れたのは、同じ国立の広島大学。その後ろには、岡大の岩崎選手です。

すると…得意のラストスパート!6年間で初の区間賞で、2区にタスキをつなぎました。

そして環太平洋大も、3位で2区へ。

「ナイス、マジで!」
「速いっす。区間賞ですか?6回目にして…」

(岡山大学医学部6年 岩崎亮太選手【画像⑪】)
「よかったです。最後いい形で…」

このあとは2区、そして「エース区間」の3区へとタスキがつながれました。

注目の3区 かつては箱根を目指していた 環太平洋大エース・山本選手

環太平洋大学は4位で、大エース・山本涼介選手が駆け出していきました。

(松村みなみ記者)
「どうです?調子は」

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手【画像⑫】)
「絶好調です」

今季、10000メートルで28分39秒15の中四国学生記録を樹立したトップランナー。しかし、ここまで順風満帆な競技人生ではありませんでした。

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手【画像⑬】)
「自分は関東に行って、箱根駅伝を走ると疑ったこともなかったのが中学時代だったので、そこから一気に『まったく走れない』というのは苦しい期間でした」

中学時代から活躍し、高校は広島県の強豪、世羅高校に進学。しかし、度重なるけがで結果を残すことはできませんでした。

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手【画像⑮】)
「正直やめる決心もつかなかったから、続けてきた感じだった」

「大学1年生のときにも、自己ベストを更新することができなかった。それでも、あきらめられない自分がいたんで」

走れない時も腐らず努力を続け、この春からは実業団で陸上を続けることが決まりました。大学の仲間たちと走る、最後の駅伝です。

(松村記者)
「あこがれの選手は?」

(後輩部員)
「山本涼介さんです!」

山本涼介選手(環太平洋大)と赤澤京弥選手(岡山大)デッドヒート!

3区の走り出しでは、先行していたのは広島経済大と広島大。しかし山本選手は、ライバル・岡大のエース・赤澤京弥選手とともに、あっという間に先頭に躍り出ると、デッドヒートを繰り広げます。

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手)
「命を削ってぐらいの…」

(岡山大学工学部4年 赤澤京弥選手)
「駅伝は、5000メートルの持ちタイムだけではない」
「最後ゴールテープを切るまでは、何が起こるかわからない」

3区の最後は、環太平洋大が1位で4区へ。山本選手は区間新記録で区間賞。岡大は数秒差の2位で続き、赤澤選手も区間新記録、区間2位でした。ライバル同士の2人は、お互いを讃えあいました。

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手)
「マジ強いわ!」

(岡山大学工学部4年 赤澤京弥選手)
「ありがとう!寂しいな、おらんくなるの」

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手)
「もうちょいやりたかったなあ」

(岡山大学工学部4年 赤澤京弥選手【画像⑬】)
「あと半年くらいあったら追いつけ…」

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手)
「いやいや負けんで」

アンカー区間の6区 優勝したのは?

そして、アンカー区間の6区。環太平洋大は、4年の高嶋荘太選手が。日本インカレで入賞経験もあるトップランナーですが、卒業とともに競技を終えます。

(環太平洋大学4年 高嶋荘太選手【画像⑭】)
「今年で陸上を引退なので、『最後ゴールテープが切りたい』ということで、6区にお願いをしました」
「勝って、来年の後輩のためにも、出雲駅伝の切符をつかみ取れたら」

環太平洋大は、1位で高嶋選手へ!岡大はひとつ順位を落とした3位で、長距離パート主将の木戸選手へとタスキがわたりました。

フィニッシュ地点。ずっとチームを支えてきた仲間を信じて待ちます【画像⑮】。

最初に帰ってきたのは広島経済大。アンカーが、区間賞の走りで逆転優勝です。環太平洋大は2位。岡大は3位でした。

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手【画像⑯】)
「ありがとう。大丈夫大丈夫。お疲れほんまに」

実は、この2日前。停車していた環太平洋大の選手たちが乗った車に、トラックが追突する事故が起きていました。

選手たちは病院に救急搬送…。むちうちや打撲などをしていましたが…走りたい強い思いから、医師の許可を得て出場したのです。そして選手たちは、決してこの事故を勝てなかった理由にしませんでした。

(環太平洋大学4年 高嶋荘太選手【画像⑰】)
「悔しいですね。悔しい」
「でも、ここであきらめちゃだめだって」

胸には、どんな状況でもあきらめなかった、という誇りがあります。

(環太平洋大学4年 高嶋荘太選手【画像⑱】)
「陸上は、自分で走る競技ではあるんですけど、チームで助けあったり励ましあったり、みんながいないとできない競技だと、この10年間で気づきました」

山本選手は、マラソンで世界を目指します。

(環太平洋大学体育学部4年 山本涼介選手【画像⑲】)
「本当に幸せな経験をさせてもらって、いい景色をたくさんみさせてもらったので感謝の気持ちでいっぱい」
「『こいつならやってくれる』と信じられるような選手になりたい」

岡大も、このままでは終われません。

(岡山大学工学部3年 長距離パート主将 木戸颯選手【画像⑳】)
「去年から比べると、見劣りする結果にはなってしまいました」
「来年、岡大は黄金期を迎えるのと思うので、もう1年しっかり走るので、これからもよろしくお願いします」

(岡山大学医学部6年 岩崎亮太選手【画像㉑】)
「僕が1年生の時に出たこの大会は、観客の応援もなくて、そこから『優勝しかない』という目標までたどり着けたのが、すごいチームになったなと。楽しい陸上競技人生だったなと思います」