来年就活が始まる長男、「大手総合商社」か「国家公務員」で迷っているそうです。「大企業」と「国家公務員」、“生涯賃金”が高いのはどっち?
「大手総合商社」の生涯年収は“約2億8000万円”
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、総合商社などに勤める「商社営業」について、「国や地域、会社の間に立って、原材料や製品の売り買いの仲介役をするのが基本的な仕事」としています。
中でも大手商社は、国内取引・貿易取引を軸に、日本国内を経由しない「第三国間取引」も担う企業だそうです。厚生労働省が公開している「令和6年賃金構造基本統計調査」を参照し、大手総合商社の生涯年収を試算したものが表1です。試算にあたっての条件は以下の通りです。
・区分「その他の営業職業従事者」を使用
・「企業規模1000人以上」のデータを使用
・大卒の22歳で入社し、60歳まで働いたとする
・退職金は含めない
なお、賃金構造基本統計調査において「総合商社」を直接示す職種区分は存在しないため、本試算では大手商社に多いと考えられる「大企業の営業職」の平均的な賃金水準を用いています。
表1
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
以上により、大手総合商社の生涯年収は「約2億8000万円程度」だといえそうです。
「国家公務員行政職」の生涯年収は“約2億2000万円”
続いて、「国家公務員行政職」の生涯年収を試算します。試算にあたっての条件は以下のとおりです。
・人事院「令和7年国家公務員給与等実態調査の結果」を参照し、第7表における「行政職俸給表(一)」のデータを使用
・大卒の22歳で入庁し、60歳まで働いたとする
・令和7年度の水準でボーナスをもらい続けたとする
・令和7年人事院勧告「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」より、ボーナス(期末・勤勉手当)は「年間4.65月分」とする
・退職金は含めない
以上から算出したのが表2となります。
表2
出典:人事院「令和7年国家公務員給与等実態調査の結果」を基に筆者作成
以上より、国家公務員行政職の生涯年収は「約2億1600万円程度」と推測できます。国家公務員は職種によっても年収が大きく異なるため一概に判断できませんが、本試算の条件下では、大手総合商社と比べて生涯年収に差がある結果となりました。
なお、いずれも退職金や役職・成果による上振れは考慮していないため、実際の生涯収入は個人差が大きい点には注意が必要です。
「国家公務員採用総合職試験」は難易度が高い
国家公務員採用総合職試験は「官僚への登竜門」として知られ、公務員試験の中でも最難関とされています。試験には行政、法律、経済など11の区分があり、それぞれの専門試験ではその分野に特化した深い知識が求められるそうです。
なお、人事院の「国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験) 実施状況 2025年度」によると、2025年度における試験区分の合計倍率は「11.1倍」でした。
まとめ
今回は公的なデータを基に、「大手総合商社」と「国家公務員」それぞれの生涯年収を試算しました。収入は仕事選びにおける主要な目安の1つですが、「やっている・やってみたい」仕事について生涯年収を大まかに把握しておくと、今後のモチベーションにつながるかもしれません。
出典
job tag 商社営業
厚生労働省 賃金構造基本統計調査 / 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
人事院 本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み(4ページ)
人事院 令和7年国家公務員給与等実態調査の結果/第7表 適用俸給表別、経験年数階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均俸給額
人事院 国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験) 実施状況 2025年度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

