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6月に満を持して新型を発表

今年6月5日に7代目となる新型が発売された軽ハイトワゴン、『ダイハツ・ムーヴ』。先代の6代目が生産を終了した2023年に発表予定だったが、ダイハツの一部車種で認証手続きの不正が発覚し、再発防止策の実施が済むまでフルモデルチェンジの発表が無期限延期されていた。

【画像】絶対王者ホンダN-BOXから1位を奪取!6月に発表された新型ダイハツ・ムーヴ 全130枚

すると満を持しての発表が功を奏したか、発売開始から約1ヵ月で目標販売台数の5倍に当たる約3万台を受注。軽自動車協会のデータでは『ムーヴキャンバス』と合わせた台数となるが、10月には1万6015台を販売し、絶対王者だった『ホンダNボックス』から軽自動車販売台数第1位の座を奪取した。205年度上半期(4〜9月)でも6万513台を販売して、軽自動車販売台数ランキングでも第3位に入るなど、なかなか好調だ。


7代目となる新型ダイハツ・ムーヴ。写真はターボのRS。    平井大介

今年5月は(恐らくムーヴキャンバスのみの)5413台だったのが、ムーヴが発売された6月は1万2765台と倍以上の販売台数となったから、やはり新型ムーヴの人気は相当なもの。その人気の秘密を、実際の販売状況などから探ってみたい。なお、これから紹介するデータは今年6月の発売開始から10月末までのもので、ダイハツ広報室から提供されたものだ。

新車効果で上位グレード販売比率が高め

さて、発売開始から10月末までの新型ムーヴの販売台数は、約4万800台。月平均で8000台以上。月間販売台数の目標値は6000台だから、十分以上にクリアしている。ちなみに現在、新型ムーヴをオーダーしたとすると、仕様や在庫の状況などにもよるが、おおよそ1ヵ月程度で納車できるという。

人気グレードのトップ3は、
1位:RS
2位:G
3位:X
となっている(具体的な比率は非公開、以下同じ)。これはやはり新車効果で、どんな車種でもだいたい発売当初は上位グレードの比率が高くなる傾向にある。新型ムーヴも例に違わず、上位グレードから売れているようだ。


ハイトワゴンながらスライドドアであることも、好調の要因だろう。    平井大介

パワートレーンの比率では、ターボ車(RS)が2〜3割を占めているという。駆動方式の比率では、約8割が2WD(FF)となっている。軽自動車の場合、ジムニーやデリカミニといったクロスオーバーSUV的なモデル以外、ほとんどのクルマはFF車が8割ほどを占めているから、この比率は新型ムーヴでも変わらないようだ。

人気ボディカラーのトップ3は、
1位:シャイニングホワイトパール
2位:ブラックマイカメタリック
3位:クロムグレーメタリック
となっている。

やはり、CMなどにも登場して訴求色となっているシャイニングホワイトパールをはじめ、モノトーン系に人気が集まっているのは他のクルマと大きくは変わらない傾向だ。ダイハツでは、新開発のグレースブラウンクリスタルマイカを推しているが、トップ3に入るほどの人気は集めていない。

メーカーオプションでは、運転席/助手席シートヒーター+360度スーパーUV&IRカットガラスがセットになった『コンフォータブルパック』が一番人気。それ以外では、ディスプレイオーディオやナビ装着用パックなどが人気となっている。

山下達郎&永井博のTV CM効果は絶大?

購買層の男女比率では、男性4:女性6くらい。女性比率の高い軽自動車(ムーブキャンバスでは約9割が女性だという)としては、男性比率は比較的高いほうだろう。また、年齢層としてはダイハツがターゲットとしていた50〜60代の子離れ世代が中心となっており、これはダイハツの狙いどおりと言える。

また、ダイハツ車からの代替えが多く、特に先代や先々代ムーヴから乗り替えている人が多いという。前述のように先代の6代目ムーヴは2023年に生産終了していたから、やはり新型を待ち焦がれていた人は多いということだろう。


山下達郎のサウンドと永井博のビジュアル(写真)によるTV CMも話題だ。    山本佳吾

新型ムーヴを選んだ理由としては、室内の広さ、運転のしやすさ(小回り性の良さ)、乗り心地の良さなど、ダイハツが開発時点からこだわったバランスの良さが好評のようだ。ハイトワゴンながらスライドドアを採用したことも注目されているという。

また、山下達郎のサウンドと永井博のビジュアルによるTV CMの世界観も、販売促進に効果があるようだ。ダイハツがターゲットにした『新人類』(1960年代生まれの世代)も50代後半から60代前半の子離れ層となった。そんな彼ら(彼女ら)にマッチしたTV CMを見て、新型ムーヴを選んだ人は少なくないかもしれない。

スーパーハイトワゴンよりスタイリッシュなハイトワゴンに扱いやすいスライドドアを採用し、車両価格も比較的抑えられている。走りも乗り心地も、そして装備も必要十分なレベルにあり、新型ムーヴが人気を集めているのも分かるというもの。

今後は、ライバルメーカーもハイトワゴンの新たなトレンドとして、新型ムーヴを意識することは間違いない。2026年も、軽自動車の市場は面白くなっていきそうだ。

ダイハツ・ムーヴのスペック

ダイハツ・ムーヴX
*[ ]内はRS
全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:860[890]kg
エンジン:直3DOHC[同ターボ]
総排気量:659cc
最高出力:38kW(52ps)/6900rpm[47kW(64ps)/6400rpm]
最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/3600rpm[100Nm(10.2kg-m)/3600rpm]
トランスミッション:CVT
駆動方式:横置きFF
燃料/タンク容量:レギュラー/30L
WLTCモード燃費:25.3km/L[24.3km/L]
タイヤサイズ:155/65R14[165/55R15]
車両価格:149万500円[189万7500円]


ライバルメーカーもハイトワゴンの新たなトレンドとして、新型ムーヴを意識するだろう。    平井大介