ひろゆき「退職代行はどんどん使えばいい」…マジメな日本人に欠けている「ずる賢い働き方」のススメ
※本稿は、ひろゆき『僕が忙しい現代人に伝えたい 休む技術』(Gakken)の一部を再編集したものです。

■ゆるく働ける大企業が理想だけど…
僕の会社ほどゆるい環境はなかなかないかもしれませんが、いまや上場企業になったドワンゴでも、12年間まったく出社しなかった社員に給料を払い続けていたという伝説を聞いたことがあります。プログラマ職はサボりやすいこともあるのかもしれません。
ただ世の中の中小企業を見ても、たまたま得意先に恵まれていたり、ビジネスモデルが秀逸だったり、ニッチな市場を独占していたり、親会社に資金力があったりとさまざまな事情から、ゆるい職場環境でなんとなく事業が続いているところもあります。
もちろん大企業でも安定して利益を生む仕組みが完成していて、内部留保の資金に余裕があるなら、サボる社員だらけのケースもあります。待遇もいいのでそちらのほうが「理想の職場」に近いですし、もし僕に会社員としての適性があったら、そのルートを血眼になって探していたと思います。ただ、やはり大企業ですから誰でも目指せるわけではありません。
収入にあまりこだわらないなら、めちゃくちゃゆるい中小企業を選ぶのも賢い選択かもしれませんね。
■「縁故入社」のチャンスを探せ
とくに地方は狙い目。地方は人材が圧倒的に足りないので経営者も人事も贅沢は言えないですし、社員の知人や家族に入社してもらうとか、取引先の子息を預かるといった縁故採用が多い気がします。のんびり働きたい人にはピッタリでしょう。
唯一の難点は、そういう中小企業は定着率がいいので、表立って採用活動をしていないケースも多いこと。
ですから、超ゆるい会社で働いている人を普段から積極的に探して、縁故入社の可能性を尋ねてみるといいかもですね。
■「コードを書かないエンジニア」の処世術
ずる賢い働き方をしている人の例で言うと、誰もが知る大手IT企業にエンジニアとして採用されたのに、コードを1行も書くことなく会社に居続けている強者の知人がいます。
エンジニアの世界は少し特殊で、優秀な人とそうではない人のアウトプット量に10倍くらいの差がつきます。これが営業職だったらどれだけ優秀な人でも時間が限られているので、そこまでの差はつきません。
しかもエンジニアはチームで作業をして製品を納品すれば「みんながんばったね」と褒められる世界です。突出した成果を挙げたエンジニアは高く評価されるのは当然ですが、そうではない人(チーム内で手を抜いている人)たちに関して、わざわざ深掘りすることもありません。

でも、さすがにコードを1行も書かないのは不自然ではないかと本人に聞いてみたところ、「旅行に行ったら必ず上司や同僚のためにお土産を買うし、チームにお菓子の差し入れをしたりはするよ」と真顔で言っていて納得しました。その人は「人懐っこさ」を職業にしているわけです。いずれ管理職がAIに置き換わったら生き残れない気がしますが、人間同士だから成り立つ賢い戦略ですねー。
■上司だけでなく同僚にもしっかり媚を売る
上司だけに媚を売る人はたくさんいます。「あいつは憎めないヤツだ」と思わせて、感情で判断を鈍らせる作戦です。それはそれで賢い方法だと思いますが、彼は同僚とも仲良くして、きっちり媚を売っているのがポイントです。
仲のいい同僚がクビになったら、「次は俺か」とチーム内に動揺が広がります。すると、優秀な社員のモチベーションが下がったり、離職者が出るかもしれません。上司の役割はチーム全体として成果を出し続けることですから、いてもいなくても戦力が変わらない人材を排除してチーム全体の力を犠牲にするくらいなら、現状維持で構わないという「合理的」な判断に至るのです。
■「退職代行」を使う若者はむしろえらい
ここからはちょっと上級の「仕事を休む」スキルと考え方を紹介します。自分の体と心のために、早いところマスターしましょう。
最近、退職する旨を本人の代わりに会社に伝えてくれる「退職代行サービス」が利用者を増やしています。このサービスに対し、世間からは「責任感がない」「それでも大人か」といった批判的な声を多く聞きますが、僕は「どんどん使えばいいんじゃね?」と思っています。
イヤなバイト先には連絡せずに出勤しなくなることもあった僕からすれば、わざわざ業者にお金を払って退職の意向を伝える若者たちは、むしろ「えらいなー、真面目だなー」と感心するばかりです。
退職代行を使う理由としては、上司と折り合いが悪いとか、ハラスメントを受けているとか、退職を認めてくれないといったわかりやすい動機以外にも、「会社にはものすごくお世話になったから、辞めることを伝えづらい」という人もいるでしょう。
いろいろな思いがありつつ、相手に失礼になることを承知で退職代行を使うと。僕はその判断は「全然アリ」だと思います。それであなたの心を守ることができるなら、そちらのほうがずっといい。
■「合わないな〜」と思いながら働く不幸
そもそも、会社に迷惑がかからないよう、「辞めます」と意思を伝え、最低限の手続きはしていますから。それに何度も言いますが、最優先すべきは自分のキャリアで、他人の感情ではありません。
それに、雇用関係はただの契約。退職も会社の定めたルールに従って手続きを取るだけですから、感情を挟む必要はないんですよね。
僕が退職代行を推す一番の理由は、若者たちの転職のハードルが下がるからです。どれだけ入社面接で話を聞こうと、リクルーターから情報を聞き出そうと、就職してみた会社が自分に合うかどうかなど、誰にもわかりません。
それなのに「石の上にも三年」といった、それっぽい格言を持ち出されて「とにかくがんばれ。とりあえずがんばれ」と言われて、釈然としないままダラダラと会社に居続けている人も多いはずです。
■とりあえず転職サイトに登録するメリット
特に20代は転職回数が多くても「若い」という理由で採用してくれることが多いので、せっかくならいろんな業界や業種を経験してみるのもおすすめです。「天職を探せ」みたいなオーバーなことは言いませんが、いろんな職場を経験してみれば、そのうちしっくりくる仕事や職場があるはずじゃないかと思います。
だから僕はいま働いている会社に不満がなくても、転職サイトなどに登録しておくことをすすめています。そこではじめて「自分の市場価値」が客観的に見えてくるからです。

さらに、いろいろ話を聞いていくなかで、「この業界めっちゃ面白そうじゃん」といった発見があるかもしれません。あるいは自分の持っているスキルを高く評価してくれる会社と出会って、給料が大幅に増える可能性もあります。
逆に、他の会社と比べたらいまの職場が一番いいじゃないかと気づくこともあるでしょう。それはそれで仕事のモチベーションが上がるわけですから、転職活動がムダになるわけではありません。
こっそり転職活動をして、いいところが見つかったら退職代行でスパッと会社を辞める。会社のためじゃなく、自分のために選択できるとよいですね。もっと気軽に「自分にいちばん合う環境」を模索していってもらいたいなぁと。
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ひろゆき(ひろゆき)
2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)
