賢くお金を貯めるにはどんなことに気をつけるべきか。現役東大生芸人で、ファイナンシャルプランナーのさんきゅう倉田さんは「不合理な支払いを避けることが重要だ。CMなどでよく聞く名前でも高額請求をしてくる悪質な業者はあるので、注意したほうがいい」という――。

※本稿は、さんきゅう倉田『元国税局職員で現役東大生芸人が頭のいい人たちから学んだ ひとり暮らしのお金大全』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Hanafujikan
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hanafujikan

■「マグネットタイプの広告」の罠

ひとり暮らしのありがちな失敗、避けたいトラブルはあります。

たとえば鍵をなくして、夜中に部屋に入れなくなるケース。

そんなときに「24時間365日対応」の業者に電話をする人は少なくないようです。料金は3000円〜などとなっていて、それならいいかと思うかもしれません。ですが……。料金案内にある「〜」というのがクセモノです。

基本料金はあくまで基本料金です。そこに「出張料金」、「深夜料金」が加算されるうえ、「この鍵は破壊開錠しなければならないので交換の必要がある」などと言って、結果的には3万円以上請求されるケースもあるようです。

そんな出費を避けたいのであれば、とりあえずその日はホテルに泊まり、翌日、管理業者(不動産仲介会社)や大家さんに相談するようにすべきです。スペアキーを貸してもらえたなら、かかるお金はホテル代だけで済みます。

もし何かの不都合で鍵を借りられず、街の鍵屋さんに相談することになったとしても、不合理な支払いは避けられます。

水のトラブルも同じです。

とくに警戒したいのは、冷蔵庫に貼っておけるマグネットタイプの広告です。そのような広告を行う業者が悪質な高額請求をしていたということから業務停止命令を受けた例もあります。

すべてがそうとはいえないにしても、よくわからない業者には要警戒です。

ネットで調べて電話をかける場合にしても、注意が必要なのは同じです。CMなどで名前をよく聞く業者だからと安心して電話をしたら、「悪質ではなかったけど、最低料金では済まなかった」といった話はよく聞きます。

やはり管理業者に相談するか、水道局に問い合わせて指定水道工事店に依頼するなどの方法を取るのが賢明です。

■儲けるために人を騙す人は、たくさんいる

マルチ商法などは、上京したての大学生などに、近寄ってきます。

若手芸人も、渋谷でライブのチケットを手売りしていると、ターゲットにされることがあります。実際にそういう例が周りでありました。

当然ながら相手は最初からマルチ商法だと名乗ってくるわけではありません。まずはバーベキューやフットサルなどのイベントに誘ってきます。

「親切」、「トモダチ」、「サークル活動的なもの」を装うわけです。

シェアハウスで一緒に住まないかと誘ってくるケースもあります。「家賃が安く済むうえに楽しそう」ということで、話にノッてしまう大学生もいるようです。

言葉巧みに純真な地方出身者を囲い込んでしまうやり方です。

打ち解けてきた頃合いを見計らい、「簡単にお金になる話があるんだけど」などと持ちかけてきます。そういう際には、「これだけの年収になった人がいる」という言い方はしても、「何人がそのビジネスをやっていて、そのうち何人がそれだけの収入を得ている」とは教えてくれません。

成功する確率には触れず“やれば必ず多額のお金を簡単に得られる”と誤解するような話し方をします。

噓はついていなくても、騙しているのと同じです。

普通の人は、他人を犠牲にしてまで儲けたいとは思わないので、他の人も自分を騙そうとはしないと考えます。友達のようになりかけていた相手なら、なおさらです。でも実際は、自分が儲けるためなら人を騙すことを厭わない人はたくさんいます。

そのことを必ず知っておいてほしい。

そしてもし、「あれ?」と思うようなことがあれば、すぐに親や先輩、友達に相談しましょう。

マルチ商法に手を出してしまうと、2つの落とし穴にハマってしまいます。

ひとつは、実際は儲かることもなく、出費ばかりが増えていくこと。

そしてもうひとつは、自分自身が騙す側に回ってしまうことです。

■危険を知らせる「サイン」とは

マッチングアプリを使って、異性との出会いを求めていた大学生らを呼び出してマルチ商法に勧誘していた男女が逮捕される事件がありました。

ビジネススクールに入るように勧め、入会後は新規会員を獲得すれば紹介料が支払われるシステムだったようです。

誘われた側が誘う側に回る(買わされた側が売る側に回る)、絵に描いたようなマルチ商法です。

写真=iStock.com/Tonktiti
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Tonktiti

マッチングアプリを使うケースに限らず、まず異性が接近してくるケースは少なくないようです。最初は2人で会うことになりますが、タイミングを見計らい、「あっ、そうだ!」と、もう一人を呼ぶパターンが定番です。

そうなると、2人がかりで説得されることになります。

人が増えるのは危険を知らせるサインのひとつといえます。

マルチ商法などは勧誘のパターンが無数にあるうえ、次から次へと新しいやり方が生まれてきます。

マルチ商法の勧誘者がよく使うキラーワードがあります。

「意識が高いなら、やらない手はない」
「勝ち組になる人生を選択したほうがいい」
「簡単だから」

意識なんてない方がいいです。

■「オイシイ話を他人に教えてくれる人」はいない

「在宅ワーク、副業で高収入」を謳い文句にした詐欺まがいのビジネスも少なくありません。

実際に仕事依頼がある前に「必要な機材を購入しなければならない」、「有料のセミナーに参加しなければならない」といった話があれば、お金を使わされるだけで、収入にはつながらないと考えておくべきです。

高収入を謳う「闇バイト」に騙される人も増えています。

SNSが窓口になるケースが目立ちますが、SNSに限らず、“誰でも簡単に高収入”などという話は世の中にはありません!

“オイシイ話を他人に教えてくれる人なんて、どこにもいない”からです。

ネットを見ていると、突然、「当選しました」、「おめでとうございます!」などと表示されることがあります。

これは「当選詐欺」と呼ばれています。

何かが当たったと喜んだ人に個人情報を入力させることを目的としたフィッシング詐欺の可能性があります。

少し話は違いますが、通信会社やクレジット会社、不動産会社などから「○○様への特別なご案内」、「あなただけの特典が受けられます」といったダイレクトメールが送られてくることがあります。すすめられるプランそのものは悪質ではないにしても、選ばれたのがあなた一人だけなんてことは絶対にありません! 当選詐欺と同じように“選ばれた感”を利用しようとする良心的とはいえない勧誘方法です。

■「この話って大丈夫かな」をそのままにしない

ひとり暮らしをうまくやっていくには、お金の出入りを見える化し、オイシイ話にはのらないようにします。

実際にトラブルに巻き込まれてしまうと、自尊心がはたらいて、人に相談しにくくなるので、一歩踏み出す前に立ち止まります。

「この話って大丈夫かな」という疑問を少しでも感じたなら、その段階で誰かに話をしてみましょう。

さんきゅう倉田『元国税局職員で現役東大生芸人が頭のいい人たちから学んだ ひとり暮らしのお金大全』(KADOKAWA)

マルチ商法や詐欺とは関係ありませんが、何か大きな買い物をしようとして、「この買い物はどうなのか? 高いのか安いのか」と迷ったときも、誰かに意見を聞いてみましょう。

「家賃はいくらくらいのところに住んでるの?」
「食費にはどれくらいかけてる?」
「そのバイト、時給はいい?」

本を読むことで学べる知識はありますが、友達と話すことで得られる情報のほうが確度が高い場合もあります。

それだけではなく、人と話したり、人と一緒に学んだりすることは、それだけで楽しい!

勉強でも、仲間がいるほうが切磋琢磨でき、モチベーションを上げやすいのと同じです。

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さんきゅう 倉田(さんきゅう・くらた)
芸人、ファイナンシャルプランナー
1985年神奈川県生まれ。大学卒業後、国税専門官採用試験を受けて東京国税局に入局。中小法人を対象に法人税や消費税、源泉所得税、印紙税の調査を行ったのち、同局退職。吉本興業の養成所NSCに入学し、芸人となる。2023年3月、東京大学文科二類に合格。著書に『お金持ち 貧困芸人 両方見たから正解がわかる! 元国税職員のお笑い芸人がこっそり教える 世界一やさしいお金の貯め方増やし方 たった22の黄金ルール』(東洋経済新報社)、『元国税芸人が教える! フリーランスで生きていくために絶対知っておきたいお金と税金の話』(あさ出版)などがある。
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(芸人、ファイナンシャルプランナー さんきゅう 倉田)