「得する人・損する人」車のサブスク「KINTO」はローンよりもお得?調査してみた
車のサブスク「KINTO」はローンよりもお得なの?
2019年に「車のサブスクリプションサービス」として登場し、若年層を中心に利用者が増加しているトヨタのKINTO。テレビCMでの宣伝も活発に行なわれ、認知度も高まっていることもあり、KINTOの利用を検討している方もいるのではないでしょうか。
KINTOを利用する場合、最終的にクルマを返却しなければならず、”自己所有にならない”ものに対して月数万円を払うため、『月額料金が高すぎる』という声も。一方で『魅力的なサブスク』という意見もあり、ユーザーによってかなり意見が分かれています。
果たしてKINTOは、オートローンと比べてお得なのでしょうか?
KINTOとオートローンを比較してみた!
「ヤリスクロス」でトヨタの見積もりシミュレーション、KINTOの料金比較シミュレーションを行い、均等払い、残価設定ローン、KINTOの支払額(3年)を下記表にまとめました。
ヤリスクロス(G・2WD) 均等払い 残価設定ローン KINTO 割賦元金 2,020,000円 2,020,000円 - 分割手数料 123,749円 134,137円 - 初回支払額 61,249円 32,737円 - 最終回支払額 - 1,050,400円 - 実質年率 3.9% 2.9% - 割賦支払総額 2,143,749円 1,103,737円 1,603,800円 月々支払額 59,500円 31,500円 44,550円 3年間の維持費(20等級の場合) 1,125,425円
(588,665円) 1,125,425円
(588,665円) - 支払総額
(20等級の場合) 2,219,174円
(1,682,414円) 2,229,162円
(1,692,402円) 1,603,800円 実質月々支払額
(20等級の場合) 61,644円
(46,734円) 61,921円
(47,011円) 44,550円
※【36回払い/頭金なし/ボーナス払いなし】で試算
※維持費には税金・諸費用、任意保険料(6S)、メンテナンス費用を含む
※残価設定ローンでは、乗り換え/返却を想定
均等払いと比較すると、月々支払額はKINTOのほうが14,950円安いという結果に。
均等払いでは、維持費も加えた支払額は3,269,174円。ヤリスクロス(G・2WD)の残価率から考えると、3年後の下取り額は約1,050,000円なので、売却した場合の総額は2,219,174円。実質の月々支払額は単純計算で約61,644円です。つまり、総合的に見てもKINTOのほうが安いことになります。
一方で、残価設定ローンと比較すると、月々支払額は逆にKINTOのほうが13,050円高くなっています。
近年では、クルマの購入時に残価設定ローンを組むユーザーも増えています。残価設定ローンでは、あらかじめ据え置いた金額(下取り額)を車両価格から差し引き、残りの分を分割して支払うため、月々の支払額を安く抑えることが可能です。
単純に月々支払額だけを見れば、残価設定ローンよりもKINTOのほうが高くなってしまうこともあるため、『KINTOは高すぎる』というイメージを持つ方が多いのかもしれません。
しかし、残価設定ローンでは、最終回支払額を除けば割賦支払総額が1,103,737円、維持費を加えると総額2,229,162円です。月々の支払額に換算すると約61,921円となり、総合的にはKINTOのほうが安くなります。
KINTOの月額料金には、車検代やメンテナンス費用、各種税金、任意保険料などが全て含まれています。月額料金以外にかかる費用はガソリン代と駐車場代のみ。車検や税金、点検などの大きな出費がなくなり、毎月一定の金額を支払うだけで済むのも魅力でしょう。
KINTOに含まれる”任意保険”の内容は?
KINTOの大きな特徴は、”任意保険を含んでいる”という点です。リースや他の定額サービスの場合、車検代やメンテナンス費用、税金などは含まれていますが、任意保険まではカバーしていません。
KINTOに付帯している任意保険は全年齢対象であり、車両保険付き(免責金額5万円)。対人・対物補償(無制限)はもちろんのこと、人身傷害保険(1名につき5,000万円まで)、ロードサービス、弁護士特約など、充実した補償内容が付帯しています。
また、事故を起こして保険金を請求しても、保険料が高くなることがないため、月々の支払額は変動しません。万が一事故を起こした場合、躊躇することなく保険を使用できるのもメリットのひとつでしょう。
なお、任意保険は通常6等級からスタートしますが、免許を取ったばかりの若いユーザーは保険料が総じて高く、年間で30万円近くかかることもあります。しかしながら、KINTOでは毎月の支払額の中に任意保険料も含まれているため、保険料が高額になるユーザーにとってはお得なサービスといえます。
■【注意】すでに加入している任意保険の等級を引き継ぐことはできない
ただし、KINTOではすでに加入している任意保険の等級を引き継ぐことはできません。
自身で加入する任意保険は、無事故の期間に応じて等級が上がり、年間保険料が安くなりますが、KINTOの場合「等級」が存在しないため、年齢や今までの等級に関係なく同じ料金になるのです。
つまり、等級が高くなるほどKINTOと購入(ローン)の金額差が縮まるため、保険等級が高い人はKINTOの恩恵を受けにくくなります。
先ほどのヤリスクロス(G・2WD)の例をみてみると、任意保険が20等級の場合、均等払い、残価設定ローン、KINTOの実質月々支払額は、それぞれ46,734円、47,011円、44,550円となり、さほど変わらなくなっていることが分かります。
加入している任意保険の等級が”育っている”場合、あるいは”リセールが非常に良い車種”では、KINTOは割高になってしまう可能性もあるようです。
任意保険料が割高なユーザーは恩恵を受けやすい
こうしてみると、やはりKINTOは若年層におすすめのサービスといえそうです。頭金も不要であり、どの世代が利用しても一定の月額料金であるため、任意保険料が割高なユーザーは恩恵を受けやすくなっています。
しかし、KINTOを利用した場合、自身の任意保険を引き継ぐことはできないため、保険の等級は上がりません。KINTOを解約してクルマを購入した場合、6等級からスタートします。
とはいえ、仮に年齢が上がり6等級からスタートしたとしても、年間保険料は安くなります。例として『おとなの自動車保険』の見積もりから、6S等級の任意保険料(ヤリスクロス G・2WD)を年齢別にまとめました。
年齢 年間保険料(6S) 免許証 20歳 191,470円 グリーン 25歳 89,810円 ブルー 35歳 43,890円 ゴールド 45歳 46,340円 ゴールド 55歳 45,170円 ゴールド 65歳 52,090円 ゴールド※東京都/日常・レジャー/記名被保険者本人
※車両保険、対人・対物賠償(無制限)、人身傷害保険(1名につき5,000万円まで)付き
任意保険料は年齢や運転経験、免許証の色などから決まります。つまり、KINTOを数年利用した後にクルマを購入した場合、等級は低くても年齢などに応じて保険料が安くなるのです。
そのため、”初めてのクルマ”でKINTOを利用するのは、コストパフォーマンスの面でもお得。『最初はKINTOでクルマに乗り、後からマイカー購入』という選択肢もアリなのかもしれませんね。
KINTOにはクルマの維持にかかる費用がほぼ全て含まれているため、車検や税金などの突発的な出費がなくなり、月々の支払いが一定になるうえ、クレジットカード払いもできるというメリットがあります。さらには頭金も不要であり、残価精算もありません。
しかし、KINTOでは契約終了後にクルマを返却する必要があり、走行距離制限、カスタマイズ不可、ペット不可などの縛りもあります。『クルマを自分のモノにしたい』という方は、サブスクではなく購入したほうがよいといえるでしょう。
クルマに関わる費用をまとめ、月々定額で乗れるKINTO。自分の任意保険料やライフスタイルなどに合わせ、「購入」あるいは「定額サービスの利用」を検討してみてはいかがでしょうか。
