スマートフォンで遺伝子検査! 日本初の全ゲノムシーケンシングキット「GeneLife WGS」を試す

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がん、心疾患、脳血管疾患は三大疾病といわれ、日本人の死亡原因の上位を占めている。
これらに加え、糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性腎臓病などの病気を合わせて、生活習慣病と呼んでいる。

ほとんどの生活習慣病は、日頃の生活習慣を見直すことが予防に繋がる。
一方で、自身の身体がどんな病気になりやすいのか知ることができれば、さらに予防することができるだろう。

そこで今回は、スマートフォンで検査結果がわかる遺伝子検査キット「GeneLife WGS」を紹介しよう。


■遺伝的な疾患リスクや体質など、6500項目以上を解析できる「GeneLife WGS」
「GeneLife WGS」は、ジェネシスヘルスケア株式会社が提供する全ゲノムシーケンシング遺伝子検査キット。

同社の18年におよぶ遺伝子研究を経て提供するもので、最先端の全ゲノムシーケンシング技術に基づき、国際エキスパートパネルClinVar(※)に登録された6130以上の疾患項目の解析に加え、ACMG(米国臨床遺伝・ゲノム学会)が被験者に結果を開示すべきであると提示した62の疾患項目を含む約6200の疾患項目、約360の予防・ウェルネス項目など6500項目以上を解析することができる。
※米国国立生物工学情報センターのヒトゲノムの多様性と関連する疾患のデータベース

〇ClinVarに登録された疾患項目例
・がん:胃がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、骨肉腫、メラノーマ、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞がん、食道がんなど
・心血管系疾患:心筋梗塞、高血圧症、先天性心疾患、動脈瘤、血管腫など
・希少疾患:免疫不全、筋ジストロフィー、肥大型心筋症、高コレステロール血症など
・その他:アルツハイマー病、認知機能障害、糖尿病、メニエール病、鼠径ヘルニア、脳性麻痺、慢性腎臓病、パーキンソン認知症症候群など

〇ACMGが被験者に結果を開示すべきであると提示した疾患項目例
・がん:家族性乳がん・卵巣がん症候群、リンチ症候群、ウィルムス腫瘍、若年性ポリポーシス症候群、神経線維腫症2型、結節性硬化症など
・心血管系疾患:家族性高コレステロール血症、マルファン症候群、拡張型心筋症1A、家族性肥大型心筋症など
・先天性代謝異常症:ファブリー病、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ欠乏症など
・その他:悪性高熱症、ウィルソン病など

遺伝子検査キット「GeneLife WGS」の販売価格は、14万9,990円(税込)。検査期間の目安は、検体到着後6〜8週間だ。
なお、2003年に初めて実施された全ゲノムの配列決定には、30億ドルの費用と13年の年月がかかった。

ジェネシスヘルスケア株式会社 共同創業者 取締役副会長 佐藤 バラン 伊里氏は「決して間違いが許されないことなので、この価格と検査期間が必要」という。

<製品情報>
正式名称:GeneLife WGS(https://www.genelife.jp/products/wgs)
販売価格:14万9,990円(税込)
対象年齢:18才〜(18才未満は親権者の同意が必要)
検査期間(目安):6〜8週間(検体到着後)
結果の閲覧方法:アプリ(URL:https://www.genelife.jp/pages/app)
キットの有効期限:出荷翌月から2か月
販売開始日:2022年8月1日
※2022年12月31日まで毎月500キットを販売予定


「GeneLife WGS」のパッケージ



■「GeneLife WGS」を体験!検査結果は!?
筆者は7月に開催された「GeneLife WGS」の記者発表会に参加して、同キットをその場で体験することができた。
遺伝子検査に使用するのは、唾液だ。専用の容器に唾液を採取して提出するだけでよい。
血液でないため、痛みがなく摂取も容易だ。

遺伝子の解析には、既存のシーケンサーをベースに独自に改良を加えた次世代シーケンサーを使用しており、解析時間の短縮に大きく貢献している。


遺伝子を解析する次世代シーケンサー


検査結果は、スマートフォンアプリ「GeneLife3.0」を使用して、確認することができる。
ただし、ClinVarおよびACMGの結果については、センシティブな内容が含まれる可能性があるため、提携クリニックの医療従事者によるカウンセリングが提供される仕組みだ。


「GeneLife3.0」を起動すると、項目の多さに驚かされる



疾患リスクをカテゴリからチェックすることができる


たとえば、感染症のカテゴリでは下記の項目が気になる。
・ノロウイルス感染 感染しやすい傾向
・髄膜炎 高い傾向

試しにB型万世肝炎を選択すると、中央値よりも低い位置であることがわかる。
かかりやすい病気、かかりにくい病気は人種により違いがある。
ジェネシスヘルスケアは、そうした人種のデータをもとに解析結果を提供しているのだ。


「あなたの判定結果 21.5%」が自分の判定結果だ


「GeneLife WGS」による最先端の全ゲノム解析を利用すれば、自分の遺伝的な健康リスクや体質を把握することができる。一般のビジネスパーソンにとって、14万9,990円(税込)という費用は決して安くはないだろう。

日頃から健康に不安を感じている人は「GeneLife WGS」による遺伝子検査を検討してみては如何だろうか。




ITライフハック 関口哲司