ギリ500万円切りのホンダ新型「シビックタイプR」はお買い得!? FF最速スポーツカーをいま買うべき理由

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先代より価格は上がっているけど装備と性能もアップした!

 ホンダのFFスポーツモデルである新型「シビックタイプR」は、東京オートサロン2022でカモフラージュを纏った実車が初披露されたのち、7月21日にその姿が世界初公開され、9月1日に正式発表されました。タイプRとしては新型モデルが通算6代目となります。

 おそらく純ガソリンエンジンを搭載する最後のタイプRになるともいわれており、その点においても注目のモデルだといえます。

ギリギリ400万円台を死守したホンダ新型「シビックタイプR」

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 新型シビックタイプRは先代モデルと同じく2リッター直列4気筒DOHCターボエンジン(K20C型の)を搭載していますが、+10馬力/+2.0kgmの出力向上を実現。

 歴代最強のスペックを誇るだけでなく、鈴鹿サーキットにおいて先代の限定車「リミテッドエディション」がマークしたFFモデル最速ラップライムを0.813秒上回る2分23秒120を達成するなど、名実ともに歴代最速モデルに進化しています。

 そんな新型シビックタイプRの価格(消費税込、以下同)は、ギリギリ500万円切りの499万7300円となかなかのお値段。

 先代シビックタイプRの通常モデルは475万2000円で、新型モデルは25万円ほど値上がりしており、買うべきか見送るべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

 ただ、先代モデルはナビゲーションが非装着で、ディーラーオプションでおよそ15万円(7インチスタンダードインターナビの場合)となっていたのに対し、新型モデルは9インチのHonda CONNECT対応ナビゲーションが標準装着されたほか、タイプR専用のデータロガーである「Honda LogR」も備わっています。

 さらにHonda CONNECTが標準搭載となったことでGPSを利用して自車位置を車両が検知し、国内13か所のJAF/FIA公認サーキット(筑波、富士、鈴鹿、エビス、SUGOなど)でスピードリミッターを解除する機能も標準設定され、サーキット派のユーザーもリミッターカットに予算をかける必要がなくなったというのも見逃せないポイントといえるでしょう。

 このように、純粋に追加された機能を見てみれば、先代の標準モデルよりも大きく価格がアップしたとはいえないことがわかります。

 一方、先代で鈴鹿最速のラップタイプを出したリミテッドエディションは、軽量化の実施や専用装備などが盛り込まれて550万円でした。

 それと比べると新型モデルは価格が50万円もダウンし、さらに装備が充実したうえに性能も向上しているということに他なりませんから、むしろお買い得感すら漂ってくる始末です。

 とはいえ、ほぼ500万円という価格は冷静に考えれば決して安い金額ではなく、ちょっと上乗せすれば日産新型「フェアレディZ」も手の届く金額という事実は揺るぎません。

 そのため、誰でも買うべきとはいえませんが、欲しいと思っているのであれば購入を検討する価値は十分にあると考えます。

 歴代のシビックタイプRでもっとも売れたのが2017年モデルで、その台数は4万7200台でした。

 これは全世界での台数であり、日本では減産が続く現状でもトヨタ「ヤリスシリーズ」が月に1万台以上売れていることを考えると、新型シビックタイプRは話題性があってもそこまで台数が出るモデルではないことは明白です。

 新型シビックタイプRにはインパネに世界共通のシリアルナンバーが振られますが、その桁数は5桁となっており、ホンダとしてもたくさん販売することは想定していないということでしょう。

 そのため、少々無理をして購入したとしてもその価値が大きく目減りする可能性は低く、維持が困難な状態になってしまったら手放すくらいの気持ちで注文を入れてみるのも良いかもしれません。

 もちろん最初から転売目的の購入はNGであり、販売会社も転売しないという誓約書を作成しているところもあるようですが、迷いに迷って純ガソリン車として最後になるであろうシビックタイプRを買い逃してしまうくらいなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でアタックしてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに筆者(小鮒康一)も勢いで注文を入れてしまった人のひとり。納期は3年ほどかかるのではないかともいわれていますが、納車待ちのドキドキが数年間楽しめると思えば500万円という価格も安いものだと思っています。