八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE) 撮影/江藤はんな

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2015年映画版、2020年舞台版で好評を博した水城せとなの人気コミック『脳内ポイズンベリー』が再び舞台化! 9月6日(火)まで東京・明治座、続く9月10日(土)〜12日(月)に大阪・クールジャパンパーク大阪WW ホールにて上演される。
本作は主人公・櫻井いちこの脳内で擬人化された5つの思考による脳内会議が繰り広げられるラブコメディ。脳内会議メンバーの<議長>・吉田を演じる八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)に、開幕前の心境を聞いた。
▲脳内会議メンバーの<議長>・吉田(八木勇征)

>>>舞台『脳内ポイズンベリー』の場面、八木勇征さんの撮り下ろしカットを見る(写真9点)

――もともと作品をご存知だったそうですね。

八木 最初に映画を観て、それから原作漫画を読みました。前にも舞台化されていたことは、今回の出演が決まってから知ったのですが、その舞台の映像はあえて観ていません。今は自分の吉田を作らなきゃいけないので。だから今回の公演が終わってから観るのもいいなと思っています。

――映画とはまた違う舞台版ならではの魅力や、舞台だからこそ面白いという部分をお聞かせください。

八木 いちこたち現実の世界と、僕たち脳内組とのお芝居の掛け合いですね。細かいセリフのバトンパスは見どころだと思います。生でやるからこそ本当にチームプレーが必要で、一人一人の芝居の歯車が全部かみ合うことで成り立っている舞台だなと、稽古を重ねていく中で感じています。観る時は、「いちこと越智さんと早乙女くんたちのやりとり」が現実の世界で、「僕たち脳内組がやっている会議」は、いちこの頭の中で今、起こっていること、そういった形で観ていただけると分かりやすいと思います。

――いちこの心情描写を脳内の住人による会議で表現するというのは、舞台向きの設定だなと感じました。

八木 「いちこって今こういう感じで越智さんや早乙女くんと喋っているけれど、頭の中ではこういうふうに考えているんだ」と、観ていてすごく分かりやすくなっていると思います。それと、一番最後に越智さんの脳内のシーンもあって。いちこと同じように越智さんの頭の中でも脳内会議が行われていたという見せ方になっているんです。そこは今回の舞台版ならではのシーンなので、原作を読んだ方も新鮮に楽しんでいただけると思います。

――演じられる吉田と共感できるところや、自分と重なる部分はありますか?

八木 人に対して警戒心があるところかな(笑)。

――そうなんですか(笑)。

八木 吉田って、早乙女くんのことは好きだけれど「本当にこの人を信じていいのか」と慎重になったり、早乙女くんの反応が思っていた感じと違った時に「でも好き」と揺れたりするじゃないですか。越智さんの時も、すごく大人だしいい人だからこそ警戒心が強くなったり、ハトコちゃんに「越智さんってどう?」「本当にキュンキュンとかする?」みたいに聞いたりする。そういったところは自分も分かるなと思いました。

――逆にまったく共感できず、役として思いっきり作らないとできない部分などはありましたか?

八木 それはなかったです。擬人化キャラクターといっても人の感情なので、誰しもが思っていることだと思うし。だから「これマジ意味分かんないな」というのはなかったですね。

――ちなみに、八木さんの脳内で思考・感情として一番強いのは?

八木 僕の脳内は<瞬間の衝動>のハトコちゃんが一番強いですね。もちろんネガティブなことを考えたり、ポジティブなことを考えたり……というのはあるんですけど、基本はその場の感情でバッっと決めることが多いです。思い立ったら吉日タイプの即行動派です。

――そうなんですね。では吉田としてではなく、八木さんご自身として主人公のいちこにアドバイスするなら、どんな言葉をかけますか?

八木 アドバイスですか? そうですね、「好きな人に対して、その人を傷つけないための嘘はつかないほうがいいよ」と言いたいですね。自分の気持ちに正直になったほうがいいというのもありますが、優しさの嘘って、本当に正面向かって接したい人には、つくべきじゃないと思うんです。

(C)水城せとな/集英社・フジテレビ

――共演者の印象や、稽古場で印象に残っているエピソードなどありましたらお聞かせください。

八木 まず全員に対して思っていることは、本当にすごく優しい方たちばかりだということ。みんな思いやりがあって、いい作品に仕上げたいという気持ちを一人一人がしっかりと持っているからこそ、アドバイスをするにしても強い言葉じゃなく伝え合っていて。稽古では毎回ディスカッションがあるんですけど、そういったところを見ていても、みんなの人柄の良さが出ているなと感じます。僕は白石隼也さん(早乙女亮一役)と平野 良さん(越智宏彦役)、猪野広樹くん(石橋役)と一緒にいることが多くて、お兄さん方にいろいろ優しく教えてもらっています。

――末っ子ポジション的な感じですか?

八木 はい、未熟な末っ子をやらせてもらっています。稽古前の別仕事から稽古場に合流すると、「大丈夫?」と声をかけてきてくれたり、皆さんの何気ない優しさがすごく沁みています。
▲【明治座】舞台「脳内ポイズンベリー」より (左から)早川夢菜、木村花代、八木勇征、猪野広樹、石黒賢

――インタビュー掲載時はすでに公演が始まっていますが、稽古も終盤に差し掛かっている現時点での手ごたえをお聞かせください。

八木 キャストの方々、スタッフの方々に支えていただきながら、稽古を重ねるにつれて、よりクオリティの高い吉田になれている気がしています。この前の通し稽古で、全員の波長の歯車がかみ合って来たなという実感もあったので、今はもう早く本番がやりたい気持ちでいっぱいです。お客さんの反応もすごく楽しみですし。ここからさらに完成度の高いものに仕上げて、初日から皆さんに楽しんでいただけるように準備していきたいと思っています。

――芝居する際、舞台と映像ではどのような部分に違いを感じますか? 舞台で演技する時に気をつけることを教えてださい。

八木 映像はレンズの向こうで観てくださってる方に伝わる演技、細かい表情などで伝えるものだと思っていて。一方、舞台は正面だったり、左右だったり、上のほうだったりと様々な角度からたくさんのお客さんが観てくださっています。自分は360度どう見えているんだろうという意識を常に持ちながら、お芝居をしなきゃいけない。演出の佐藤祐市さんに言っていただいたことなんですけど、僕はどうしてもお芝居にのめり込みすぎると、一対一の「面と面の世界」だけでやってしまうことがあったので、そこは特に気をつけなければと思っています。

――では、舞台だからこそ楽しいと感じるところは?

八木 やるたびに、セリフや間、尺がすべて同じタイミングではないところです。そういったところを自分自身で感じるのもすごく楽しいですし、そこに自分が合わせていくのも、他のキャストの方々が合わせていくのも、公演によって違う歯車の噛み合い方をすると思うので、やっていて楽しいな、新鮮だなと思いますね。

――最後に、今後の意気込みをお聞かせください。

八木 キャストの方々も本当に心優しくて、アットホームな雰囲気で稽古をやらせていただいています。素敵なスタッフさんやキャストの方々と、ご一緒できることがすごく光栄です。多くの方に作品にのめり込んで、最高の時間を過ごしてもらえるように、大切に届けていきたいなと思います!

やぎ ゆうせい
1997年5月6日生まれ/東京都出身/LDH JAPAN所属/FANTASTICS from EXILE TRIBEのメンバー。主な出演作はTVドラマ『美しい彼』(清居 奏)、映画『HiGH&LOW THE WORST X』(山口孫六)ほか

撮影/江藤はんな

(C)水城せとな/集英社・フジテレビ