ホイールスペーサーとは?ハブリングとの違いや役割、装着時の注意点と選び方
ホイールスペーサーとは?
■ハブに装着するリング状の部品
ホイールスペーサーは足回りで使われるリング状の部品の1つです。ハブボルトを通す穴が設けられていて、ブレーキディスク中央部分へ装着して使用します。
ブレーキディスクが装着されている時、ハブ全体(ハブユニット)はほぼ覆いかぶされた状態で、センターハブやハブナットだけが目視できます。つまり、ホイールスペーサーは厳密にはブレーキディスクに接しているわけですが、該当部分とハブユニットの径がほとんど一致しているので、実質「ハブに取り付けられている」とも考えられます。
ハブに装着するリング状の部品と言えばハブリングもありますが、ハブリングとホイールスペーサーは役割が全く異なるものです。
ホイールスペーサーの役割
ホイールスペーサーの役割は大きく2つに分けられます。
■その1:サスペンションとタイヤの干渉を防ぐ
1つ目の役割はサスペンションとタイヤの干渉です。ホイールインセットとはそのホイールがどの程度内側へ入り込んでいるのかを示す数値で、例えば、インセット40のホイールは、ホイール中心(トレッド面の真ん中を通る線)とホイールのハブとの取り付け面の間の距離が40mmあることになります。
ホイールそのもののインセットはスペーサーを装着しても変化しませんが、取り付け面はスペーサーの厚さ分だけ外側へ移動するという理屈です。
車両に対してインセットの大きすぎるホイールは、タイヤとサスペンションが干渉する原因になりかねません。そのような場合にホイールスペーサーは、クリアランスを確保することに貢献します。
例えば、インセット値があと数ミリ小さいホイールを装着できればイメージ通りのツライチができるのにという場合があるとします。それだけのために新たにインセットの小さいホイールを購入するとなると、数万円単位の大きな出費になる可能性が高いです。
ホイールスペーサーは数千円で手に入るので、コストを抑えて車遊びを楽しむのに便利なアイテムと言えるでしょう。
■その2:トレッドを広げて運動特性や見た目を変化させる
2つ目の役割はトレッドを広げることです。つまり左右タイヤの間の距離を長くすることで、装着したホイールスペーサーの厚さ分(2枚分)だけトレッドが広がります。
トレッドを広げる理由は人それぞれで、走行時の運動特性を変化させたいという人がいれば、フェンダー面とホイール面をピッタリ揃えるツライチ仕様にして愛車をかっこよくしたいという人も。
すでに少し書きましたが、今使っているホイールのままトレッドを広げられるのはホイールスペーサーならではです。
ホイールスペーサーとハブリングの違いは?
■役割が違う
ホイールスペーサーはホイールの取り付け面を外側へ広げるものですが、ハブリングはホイールハブ径とセンターハブ外径に発生するクリアランスを埋めてホイールセンター出しを確実に行うものです。どちらもハブに装着するのは共通ですが、用途が全く異なります。
■ハブリング付きホイールスペーサーが存在する
ハブリングとホイールスペーサーを組み合わせて使う代わりに、ハブリング付きホイールスペーサーを装着します。ハブリングとホイールスペーサーが一体型になっているので、ホイールセンター出しとトレッド幅拡大を同時に行える優れものです。キッチリとセンターを出して、なおかつトレッド幅を広げたいのであれば、こちらを使いましょう。
ホイールスペーサーの選び方
■装着車両のハブに適合するものを選ぶ
ホイールスペーサーを選ぶにあたり、装着予定車両のハブへ装着可能なモノを選ぶ必要があります。基本的にはホイールスペーサーとハブユニットのハブボルトのPCDを揃えておけば問題ありません。
PCDとはハブボルトが圧入されている穴(ホール)の中心点を全て通る円の直径を表したものです。PCD100や114.3、139.7(ハイエース)などがあります。装着車両のPCDを調べて、それに適合するPCDのホイールスペーサーを選びましょう。
■ホイールスペーサーの厚さを決める
ホイールスペーサーの厚さは多岐に及びます。厚さ3mmのものがあれば、5mmや12mm、中には25mmのものなど様々です。
ホイールを何ミリ外側に持っていきたい(動かせる)かは各オーナーが判断することになります。まずフェンダーとホイール面の間のクリアランスを測定してフェンダーからタイヤがはみ出さない限界を調べ、その範囲に収まる厚さのスペーサーを決めるのが一般的です。
ホイールスペーサーを装着する際の注意点
いろいろと便利なホイールスペーサーですが、装着するにあたって注意するべき点がいくつかあります。
■ハブボルトの長さを確保する
ホイールスペーサーが厚すぎると、ホイールナットを締めるためのハブボルトの長さが不十分になる場合があります。車種(ハブの形状)によって違いはありますが、純正ハブボルトでスペーサーを使うなら3mmまたは5mmに抑えるのが一般的です。
スペーサー装着に併せて長いハブボルトへ打ち替えることもあります。ハブボルトとホイールナットの締まり量を確保することができますが、スペーサーを外してホイールを装着する時にナットの全長が足りずホイールを締められなかったり、それでも無理やり締めるとハブボルトがネジが切れることもなきにしもあらずです。
■タイヤがフェンダーからはみ出さないようにする
タイヤがフェンダーからはみ出していると、はみ出しているタイヤの部位によっては車検に通らないことがあります。タイヤをフェンダー内側で収まるようにするのが無難です。
ホイールスペーサーの装着方法
ホイールスペーサーを装着する手順をまとめると次にようになります。
■薄いホイールスペーサーを使う場合
薄いホイールスペーサーを使う場合、ホイールスペーサーをはめてからホイールを装着します。特に難しいことはありません。ここで言う「薄いスペーサー」とは、厚さ3mm前後のものとします。
■厚いスペーサーを使う場合
5mmを超えるスペーサーを装着する場合、ハブボルトをロングハブボルトへ打ち替えると確実です。5mmなら純正ボルトでもこと足りる車種もあるので、実際にスペーサーをハブに装着して取り付け具合を確かめてください。
■ワイドトレッドスペーサーを装着する場合
ホイールスペーサーの中でも、とりわけ厚いものはワイドトレッドスペーサーと呼ばれています。
ワイドトレッドスペーサーの取り付けですが、ハブボルトと専用のナットを利用してワイドトレッドスペーサーを装着して、ワイドトレッドスペーサーにあるボルトでホイールを締結するようになっています。
厚さが数十ミリもあるスペーサーを装着することで大幅にトレッドを広げられますが、走行中には大きな入力がタイヤを通じて入るので、装着する場合には日頃から注意深くメンテナンスすることが求められます。
■装着時には必ずトルクチェックを行おう
タイヤ交換等でホイールナットを緩めて外した際には、装着時に必ずトルクチェックを行ってください。スペーサーの厚さ分だけホイールナットやボルトを締めるためのかかりしろが減るので、万が一締結が緩んだ際には脱輪するリスクが上がります。
車載タイヤ交換工具キットではタイヤの脱着時のトルク管理が不十分です。自分で交換される方はトルクレンチを対応ソケットと合わせて購入しましょう。車種ごとに多少違いがあるので、ホイールナットの規定締め付けトルクをディーラー等で教えてもらうと確実です。
足回りのクリアランス確保やカスタムなどを充実させるのに便利なホイールスペーサーは、正しく装着すると同時に定期的にメンテナンスを行うことで安全が確保されるものです。正しく取り扱い、安全なカーライフを送りましょう。
