隕石が落下した貴重な犬小屋(画像は『Christie’s Watches Online 「THE AGUAS ZARCAS DOGHOUSE」』のスクリーンショット)

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このほど木とブリキでできたシンプルな犬小屋がオークションにかけられ、30万ドル(約3400万円)以上の値段が付く可能性があると大きな注目を集めている。この犬小屋は2019年に隕石の衝突を受けており、隕石がぶつかった貴重な犬小屋として価値が高まっているという。犬小屋は今月23日までオークションにかけられる予定であることを『Fox News』などが伝えた。

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オークションハウス「クリスティーズ(Christie’s)」でオークションにかけられている犬小屋は、コスタリカのアグアス・サルカスで飼われているジャーマンシェパードの“ロッキー(Roky)”のものだ。約3年前の2019年4月23日午後9時7分、眠りにつこうとしていたロッキーの犬小屋に隕石が落下した。当時犬小屋の中にいたロッキーは驚いたものの、奇跡的に隕石の直撃を免れて無事だったという。

地球の表面は約3分の2が海に覆われているため、一般的に隕石は海に落下することが多いとされている。陸地に落ちたとしても、僻地であったり地中深くに埋まってしまうため入手することは難しい。今回は隕石が地上に落下したという事実もさることながら、落下した隕石は宇宙科学者が喉から手が出るほど欲しがる需要のあるものだったことも加わりその価値は跳ね上がった。

ロッキーの犬小屋は隕石衝突の影響で屋根に小さな穴が空き床に敷いてあった木材が破壊されてしまったため、腐りかけていた支柱の木とともに交換されたが、科学文献の一部として永遠に記録される貴重なものとなった。

隕石がロッキーの犬小屋に落下する際に破片が一部近くの民家にも落下したと明かされているが、民家に隕石が落下しても今回のロッキーの犬小屋のような価値はないという。クリスティーズは2007年に隕石が衝突した郵便受けが8万3千ドル(約950万円)で落札されたというケースや、400ドル(約4万6千円)で購入した中古のシボレー・マリブに隕石が衝突し車が6万9千ドル(約790万円)で売却され、さらに2010年に再びオークションにかけられた際には23万ドル(約2640万円)で買い手がついたケースがあると説明しており、家ではない別の物に隕石が衝突すると価値が生まれるようだ。

ロッキーの犬小屋はそのように価値ある物の1つとして今月9日よりオークションにかけられており、予想金額は20〜30万ドル(約2300〜3450万円)と高額に設定されている。また“アグアス・サルカス(Aguas Zarcas)”と名付けられた落下した隕石もオークションに出品されており、こちらは4〜6万ドル(約460〜690万円)で競り落とされるのではないかいうことだ。

クリスティーズの科学・自然史部門責任者であるジェームズ・ヒスロップさん(James Hyslop)は「このオークションはコレクターにとって大興奮の機会ですよ。隕石は非常に貴重なもので、現在知られている隕石の総重量は金(ゴールド)の年間生産量よりも少ないのです」、「パリでの展覧会で隕石が衝突した有名な車を紹介して以来、宇宙からの飛来物が衝突したものをオークションに出品したいと思っていました。隕石が衝突したロッキーの犬小屋と、実際にぶつかった隕石を出品できたことに感激しています」と熱い思いを語っている。

なおロッキーの犬小屋は今月23日までオークションにかけられる予定だ。

画像は『Christie’s Watches Online 「THE AGUAS ZARCAS DOGHOUSE」』『nine.com.au 2022年2月16日付「Dog kennel hit by meteor could fetch up to $420,000 at auction」(Christie’s)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)