【医師に聞いた】にんにくで起こるアレルギーの正体!におい成分が下痢の原因になることも
にんにくを食べると違和感…?その理由はアレルギー?
にんにくをたっぷり使った料理を食べたとき、口の中がピリピリしたり、お腹が痛くなったりしたら要注意。もしかするとアレルギーの症状かもしれません。
食べる機会の多い食材だからこそ気を付けたい「にんにくアレルギー」。
にんにくを食べると感じる違和感は「食物アレルギー」の可能性が
にんにくは、食物アレルギーの原因となることがある食材です。
にんにくに含まれるたんぱく質(アレルゲン)に対し、体に備わっている免疫が過剰に反応してしまうことで、アレルギーの諸症状が起こります。
にんにくアレルギーの症状として考えられるのは、
・口のまわりや喉のかゆみ
・息苦しさ
・蕁麻疹
・唇やまぶたの腫れ
・下痢や嘔吐 など
上記を見てもわかるように多種多様です。重度の場合は、呼吸困難や意識障害など、いわゆるアナフィラキシーを起こすこともあります。
にんにくを食べたときに何らかの違和感を感じたら、アレルギーを発症している可能性があります。おかしいと思ったらすぐに摂取を中止してください。
にんにくの「におい成分」が原因の可能性も
にんにくやねぎに含まれるにおいや辛味の成分が原因で、下痢や腹痛など食中毒のような症状をきたすことがあります。
腹痛の原因となる代表的な成分は、硫化プロピルや二硫化アリル(ジアリルジスルフィド)など。二硫化アリルは、にんにく特有のにおいのもとであるアリシンが分解され生成されたものです。
硫化プロピルや二硫化アリルは、優れた抗菌・殺菌作用を持っている一方で、胃腸にとっては刺激が強すぎることも。これらの成分に対する分解酵素の作用がもともと弱い体質の人もいて、にんにくを食べ過ぎるとお腹が痛くなることがあります。
硫化プロピルは加熱することで分解されますが、二硫化アリルは加熱しても成分が変性しません。つまり、二硫化アリルに反応してしまう人は、しっかり加熱したにんにくでも症状が出てしまう場合があります。
にんにくを食べると起こるアレルギー症状
にんにくによって引き起こされる可能性のあるアレルギー症状は次の通りです。
にんにくアレルギーの主な症状は、
・口の中や喉奥、唇などに生じるかゆみやチクチク、イガイガ感などの違和感
・かゆみをともなう蕁麻疹や湿疹が出る
・息苦しさや呼吸のしづらさを感じる など
また、胃や腸にも浮腫(むくみ)が生じると、腹痛や吐き気などの症状があらわれます。下痢や嘔吐もアレルギー症状のひとつです。
にんにくを食べてお腹の調子が悪くなるのは、にんにくに含まれる二硫化アリルなどの刺激の強い物質が原因のこともあります。
「アナフィラキシーショック」が起こる可能性も
アナフィラキシーショックは、ショック症状をともなう重篤なアレルギー反応のことです。
多くの場合はアレルゲンを摂取した直後から数時間以内に、急激に血圧が低下したり、意識を失ったりしてショック状態に陥ります。すぐに対処しないと命にかかわる場合がある危険な状態です。
アナフィラキシーショックは、たまごや甲殻類など身近な食材が原因で起こり得ます。にんにくは、数ある食材の中で特別アナフィラキシーショックを起こしやすい食べ物とは言えないものの、注意しておくべき食材です。
にんにくを食べてアレルギー症状が出た場合の対処法
かゆみや蕁麻疹が出た場合
口の中や体にかゆみや蕁麻疹が出た場合は、にんにくそのものはもちろん、にんにくを使った料理をそれ以上食べるのをやめてください。口の中に残っているにんにくも除去しましょう。
イガイガ感やチクチク感などの不快な症状がなかなかおさまらない場合、水で口の中をゆすいだり、うがいをしたりして気を紛らわすのも効果的です。
かゆみを我慢できないときは、保冷材や濡れタオルなどで患部を冷やすと楽になりますよ。
消化器症状が出た場合
にんにくを食べたあとに腹痛、下痢、嘔吐といった症状が出た場合も、にんにくの摂取を中止しましょう。
下痢などの症状が長く続くときは、脱水症状を予防するために経口補水液などで水分をしっかり取ってください。
下痢が治るまでは、食物繊維が豊富ないも類、きのこ類、根菜類など、腹痛を助長するおそれのある食材の摂取を控えましょう。
にんにくを食べてアレルギー症状がでた場合、食べるのは避けるべきか
にんにくのアレルギーを発症したら、基本的にはにんにくを使った料理を避けます。特に、アナフィラキシーショックやひどい皮膚症状が出る人は、原因食材を摂取しないよう細心の注意を払ってください。
ただし、アレルギーの原因となるたんぱく質や、腹痛を起こす硫化プロピルは、加熱により分解されて成分が変性します。したがって、しっかりと火を通したにんにくや、調理の過程で加熱してある加工食品は、にんにくに反応する体質の人でも問題なく食べられる場合があります。
加熱しても症状がでる場合もある
前述したように、にんにくに含まれる二硫化アリルは、加熱しても成分が変性しない特徴があります。二硫化アリルに反応してしまう人は、加熱をしたにんにくでも症状が出てしまう場合があるため注意しましょう。
生のにんにくは、胃腸への刺激が強いことで知られています。アレルギーの有無に関わらず、お腹の弱い人や子ども、お年寄り、体調を崩しているときなどは、生でにんにくを食べるのは避けましょう。
にんにくを食べて起こるアレルギー症状は何科を受診する?
にんにくを食べて違和感を感じた場合、口内が少しかゆい程度の軽い症状であれば、しばらく自宅で様子を見ても問題ありません。
息苦しさや我慢できないほどのかゆみなど、症状が深刻と考えられる場合は、アレルギー科や皮膚科、子どもの場合は小児科を受診してください。
下痢がおさまらない場合や消化器の症状がひどいときは、内科や救急を受診し、症状を緩和させる対症療法を受けるのも手です。
にんにくのアレルギーに気を付けよう
アレルギーを起こす食材としてあまり認知されていないにんにくですが、口内のかゆみや腹痛の原因となる可能性のある食材です。
アレルギーではない人でも、にんにくを大量に摂取したり、生にんにくを食べたりすることで、お腹の調子が悪くなってしまう場合も。
体調に不安がある人がにんにくを食べるときは、食べ過ぎないことや、必ず加熱することを心がけてくださいね。
取材・文/小原らいむ
