この記事をまとめると

■アメリカで新型「Z」が発表された

■日本ではけっして販売台数は多くないが、世界的に見るとどうか

■アメリカでの具体的な販売台数を挙げて解説する

2020年のアメリカ国内販売総数は前年比33.2%減

 ついに正式発表された新型「Z」。日産は2021年8月18日、米ニューヨークで新型「Z」向けの特別イベントを開催して、日本を含めた世界各国向けにオンラインでワールドプレミアを行ったことは記憶に新しい。

 北米での発売は2022年春から、また日本仕様の正式発表は今冬の予定だ。

 スカイライン「400R」向けと共通性が高い3.0リッターツインターボ・VR30DDTTを搭載し、6速MT仕様があることでZファンの期待に応えた形だ。

 今回の新モデル発表と発売がアメリカ最優先となっている理由は、Zはアメリカでの認知度が高く、そして販売台数も多いからだ。

 とはいえ、モデル末期での販売台数はけっして多くない。日産北米法人によると、2020年のアメリカ国内販売総数は前年比33.2%減と大きく落ち込んで81万9715台だった。これは当然、コロナ禍の影響が大きい。

 このうち、北米モデル「370Z」は全体の0.2%の1954台に過ぎない。2019年実績では2384台売れたが全体比率では0.2%を切ってしまう状況だった。モデル後半期とはいえ、グローバル最優先の北米でも「Z」を支持する人は社会のなかで少数派である。

自動車市場の変化により「Z」の存在は希少に

 これはけっして、「Z」に限った話ではなく、2ドアスポーツカーの市場の減少は70年代、80年代、90年代、00年代と時代を追うごとに減少している。

「Z」については、初代と2代目がグローバルで年間40万台レベルで売れたが、2010年代には10万台レベルとなっているのが現実だ。

 とくに、「Z」の主戦場であるアメリカでは00年からセダンからSUVやピックアップトラックなどのライトトラックへのシフトが始まり、2010年代になるとコンパクトSUV市場が急拡大した。

 こうした市場変化のなかで、「Z」の存在は希少になっていった。そのため、アメリカを含めて、日本でも2010年代中盤以降になると「Zは存続するのか?」という「Z」の未来を不安視することが出てきたのだ。

 アメリカのほか、欧州、中国、東南アジア、南米など「Z」を愛する人々はいるのだが、販売台数でみるとやはり、アメリカ優先となっている。

 今回、新モデルとなった「Z」だが、型式は先代のZ34となっていることから、一部のメディアではビッグマイナーチェンジと呼ぶ場合がある。

 日産としては、「Z」の販売台数が限定的であっても、また2030年代の早い段階で日産モデル全車を電動化すると表明しても、「Z」は日産ブランドの中核であり、レースやスポーティによるアグレッシブな企業イメージを象徴する存在であることの変わりはない。

 今後、グローバルで一気に「Z」の販売台数が伸びることはないのかもしれないが、時代の変化に応じた「Z」の進化を期待したい。