そしてもうひとつ、今年はデルタ変異株の急速な感染拡大で、緊急事態宣言が発令されるなど旅行を控える人が多くなることが予想されます。さらに東京五輪もあり、家で巣ごもりする投資家も多いかもしれません。海外では例年通りのサマーシーズンですが、為替市場や株式市場にとってどんな相場展開になるのか、やや不透明な部分があります。

 ――8月の各通貨の予想レンジは?

 IMFが発表した世界経済見通し(WEO)では、2021年の世界成長率予測がG7の中では日本だけ0.5%引き下げられて、2.8%となりました。米国の7.0%、EUの4.6%と比較すると、日本の低成長ぶりが分かります。デルタ変異株による感染拡大の状況次第というところですが、円高要因があったとしても一本調子の円買いにはならないかもしれません。

 これまでリスク回避の局面では大きく円が買われて円高局面になりがちでしたが、現在では限定的な動きで終わってしまいます。8月の予想レンジは次の通りです。

●ドル円・・1ドル=108円50銭−111円
●ユーロ円・・1ユーロ=128円−132円 
●ユーロドル・・1ユーロ=1.17ドル−1.21ドル 
●英国ポンド円・・1ポンド=150円−155円 
●豪ドル円・・1豪ドル=79円−82円 

 ――8月相場で注意する点を教えてください。

 やはり、デルタ変異株の感染再拡大の行方に注意すべきでしょう。予想を大きく超える感染者数が出てきたときには、金融市場にも大きな影響が出てくるかもしれません。東京五輪開催中のパンデミックでもあり、誰も経験していない状況には要注目です。

 また、今年は可能性が低いかもしれませんが、お盆休み前後の急激な変動幅などに要注意です。ポジションを抑えながら、小まめなトレードに心がけましよう。(文責:モーニングスター編集部)。