3月25日、日本は韓国戦で3-0の勝利を収めた。スコアにはこの試合に賭ける日本の本気度が現れていた。

試合後、吉田麻也は「ホッとしました。試合が終わってこんなにホッとするのは久しぶり」と言うほど安堵の表情を隠せなかった。吉田がこれほどまでに思っていたのには理由があった。

吉田と守田英正は自分のチームの試合の関係でヨーロッパを出発するのが他の選手より遅れた。だが、今回の代表戦は日本到着後3日間、毎日検査をして陰性が証明された選手だけが出場出来る。ということは22日中に到着しない限り、吉田も守田も25日の韓国戦には出場できなかった。

そのため日本サッカー協会は2人のためにチャーター便を用意した。2人が搭乗したベルギーから日本までのコストを推測すると、イギリスの「エア・チャーター・サービス」では税別14万5850ドル〜(約1590万円)になっている。

チャーター便のおかげで吉田と守田は22日の23時20分過ぎに到着した。その費用だけではない。吉田は自分たちの便だけが到着する空港に多くの職員が残って受け入れ作業をしてくれたことにも感謝を述べた。

これだけのことをして選手を呼び寄せたということで、森保一監督にも大きなプレッシャーがのしかかったことだろう。ここまで準備した日本は負けることが出来なかった。そして見事に勝った。

【テキスト:森雅史/日本蹴球合同会社】