Linuxの次期カーネル「Linux 5.6」は、リリース候補版が2020年2月10日(月)に公開され、2020年3月の正式版リリースに向けて開発中です。Linux 5.6では、USB4やNVIDIA RTX 20シリーズのGPUをサポートするなど、新機能が数多く搭載される予定です。

Linux 5.6 Is The Most Exciting Kernel In Years With So Many New Features - Phoronix

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◆USB4のサポート

端子の形状にUSB Type-Cを採用し、最大40Gbpsの通信速度を持つUSBの新規格「USB4」がLinux 5.6でサポートされます。USB4はUSB 3.0と比較して8倍の通信速度を誇る新規格で、ディスプレイ出力とデータ送受信、電力の供給を同時に行うことが可能となっています。

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◆WireGuardのサポート

OpenVPNやL2TP/IPsecに代わる新しいVPNプロトコルの「WireGuard」がLinux 5.6でサポートされます。これまでもソフトウェアをインストールすることでWireGuardを使用することができましたが、Linux 5.6からはカーネルレベルでのサポートとなります。

また、WireGuardはコンテンツデリバリネットワークを提供するCloudflareのDNSサービス「1.1.1.1」でも利用できます。

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◆NVIDIA RTX 20シリーズのGPUをオープンソースドライバーでサポート

Linux 5.6以前もNVIDAが提供するプロプライエタリなドライバーをインストールすればNVIDIA RTX 20シリーズのGPUをLinuxで使用することができましたが、Linux 5.6では、NVIDIA RTX 20シリーズのGPUをオープンソースのNVIDA製GPU用ドライバー「Nouveau」でサポートします。



他にも、Linux 5.6には多くの新機能や改善が施されています。

◆プロセッサ・プラットフォーム関連

・新しいCPU冷却メカニズムの実装

・第1世代Amazon Echoなど、多くのARM SoCのサポート

・Ingenic X1000 SoCのサポート

・Intel MPXのサポート廃止

・AMD Ryzen CPUを搭載したASUS製ノートPCの熱問題を解消

・Ice Lake世代のIntel製CPUに搭載された新機能「Fast Short REP MOV」を用いたmemmove関数の高速化

・x86コードのさまざまな改善

・AMD Zen 3 CPUのサポートにむけた機能の実装を開始

・AMD製CPUのステータス監視用ドライバー「k10temp」で電圧と温度情報を幅広く収集可能に

◆グラフィック関連

・AMD製APU「Pollock」のサポート

・AMD Renoir APUおよびNavi世代GPUのGPUリセットをサポート

・Intel第11世代および第12世代グラフィックの改善

・DRMドライバーの各種改善

・Rockchip製SoCのメディアドライバーを改善

◆ファイルシステム・グラフィック関連

・BtrfsにおけるAsync Discardのサポート

・F2FSの実験的な圧縮方式のサポート

・ext4のパフォーマンス改善

・Western Digitalが開発するZonefsのサポート

・NFSデーモンによるサーバー間コピーのサポート

・NFSサーバーがダウンしている際にNFSクライアントがキャッシュを利用できるように

・NVMeおよびBFQスケジューラの改善

・fs-verityのパフォーマンス改善