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 R45(ここでは45歳以上、つまり40代後半〜アラフィフ)世代の出会いや結婚に光を当てたドラマ『まだ結婚できない男』(関西テレビ系)が好評のうちに最終回を迎えた。阿部寛扮するドラマの主人公・桑野信介は53歳の一級建築士。昨今話題の「生涯未婚率」を引き上げるひとりでもあった。

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“人生100年時代”のご時世で、アラフィフ世代はちょうど人生を折り返したくらい。華麗な独身ライフを謳歌し、仕事に邁進していても、心の底で「このままずっとひとりでいいのか?」という不安もある。

女性からの働きかけも必要

 そんな女性たちの背中を押すように、世論は少しずつ変化してきた。例えば、生涯未婚率という言葉。これは50歳時点での未婚者の割合を表すものだったのだが、政府は「50歳以降はもう結婚できないのか!」という声を受け、「生涯」という言葉は正確性を欠くと判断。「50歳時未婚率」という表現に統一されることとなった。未婚化・晩婚化などライフスタイルの変化に用語を合わせた形だ。

 つまり、アラフィフで結婚できていなくても、あきらめるのもまだ早いということ!? 10年ほど前から始まった「婚活ブーム」も、最近はすっかり様変わりしているという。

「本当にみんながみんな、“結婚したい”って言わなくなった! これじゃあ日本の未来が心配です」

 そう語るのは、結婚相談所『お見合い塾』塾長の山田由美子さん。

「ウチらの年代(昭和30年代前半生まれ)は、20代で恋愛結婚した。もし離婚しても、まだ20〜30代。今度は自分の性格を考えて再婚しようとか、若いからやり直しがきいたんです」

 と語る。しかし、今は30代後半から40代、50代の初婚も多い。つまり、再婚ではもう子どもを望めない結婚になり、相手は子どもを望まない人に限られる。

「2度目は選べない。つまずけないから、はじめの相手選びが慎重になる」と現状を語る。相手の条件にこだわり、失敗できない婚活を自らに強いているのだ。

 一方の男性を見ると、相変わらず「若い女性」への強い執着は見てとれる。しかし、独身男性向け恋愛教室を運営する鈴木平次さんは、R45世代の女性から積極的にアプローチをしてほしいと語る。

「年齢=彼女いない歴という男性を含め、恋愛経験が乏しい30代、40代の男性はとても多い。収入はあるのに出会いがなく、恋愛経験が少ないため、女性をリードできないんです」

 女性は一歩下がって、などという古い考えを刷り込まれたR45世代も多いが、女性からの積極的なアプローチも必要な時代なのだ。

'35年には“約半数が独身者”

「オトナ婚活」を成功に導くためにも、ここでR45世代の結婚について、データを見ていこう。

 国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに公表する生涯未婚率改め、「50歳時未婚率」によると、1985年までは男女とも5%未満だったが、2000年に男性が10%を突破。'10年には男性が20%、女性が10%をはじめて超えた。'15年には男性が23・4%、女性が14・1%となっている。

 同研究所は、'35年には男性約29%、女性約19%まで上昇すると推計しており、ここに離死別を含めると、なんと“約半数が独身者”になるというからオソロシイ。

 婚姻全体の数からみてもR45女性の婚姻の割合は少ない。45〜59歳では全体のわずか5%ほどだ。

 最近ではマッチングアプリなど、スマホひとつで出会いが提供されるネット系婚活サービスも盛んだ。特に20代、30代の男女には人気が高い。

「僕もいまの彼女はマッチングアプリで見つけました。アプリがイケてない人たちの集まりって考え、もう捨てたほうがいいですよ」(20代・イケメン男性)

 もはや若者たちの間では“アプリで出会うのはジョーシキ”だそうだ。だが、R45世代以降には、まだまだ「怖い」「不安」など拒否感が強い。40代の女性は、婚活パーティー・イベントのような“お見合いスタイル”の利用経験割合が高くなるという(「婚活実態調査2019」リクルートブライダル総研調べ)。

 そのほかの主要婚活サービスといえば結婚相談所。「若い人ばかりで、浮いてしまいそう」と思うことなかれ。大手結婚相談所『ツヴァイ』秘書広報グループ才村圭子さんによると、同社の年代別会員状況は、

「男女ともに30代での新規入会が最多。女性会員の年代別割合は、3割が40代で、1割が50代。男性は6割以上が40代以上です」

 と、男女とも40代以上の利用が多いという。多くの大手結婚相談所では、入会審査時に役所が発行する「独身証明書」をはじめ、「収入証明書」「卒業証明書」などの書類の提出が必須なので、この点はネット系婚活サービスに不安を持つR45世代には安心だ。

 マッチングは各社独自の方法があり、ツヴァイでは条件、写真やプロフィール、価値観などから気になる相手を見つけてお互いがOKならば直接会うのが基本の流れ。そのほか、会員限定のお見合い、パーティーや独自イベントなど、各社が趣向を凝らしたさまざまな出会いを提供している。

 なかには結婚相談所『ノッツェ』のように、DNAの中の男女が惹かれ合うHLA遺伝子をもとに、相性のいい相手を紹介する最先端技術を駆使したものまで登場している。

ポイントは違いの個性を認め合うこと

 では、R45世代以上の婚活を成功させるために、何か秘訣はあるのだろうか。

「条件をたくさん挙げるのではなく、どうしても容認できないことだけに絞ること。相手を選ぼうという気持ちが強すぎると、理想ばかりをつり上げてしまう」

 と前出・鈴木さん。年を重ねれば重ねるほど、条件が増えてしまうのは“婚活あるある”かもしれない。

「R45世代は、価値観が合うから結婚というより、お互いに個性を認め合い、共有することが大切。この年まで違う人生を生きてきた違う人間なので、合わなくて当たり前。相手を理解することで、よい結婚ができる」(前出・山田さん)

 また、相手を紹介されたら、毎週1回は必ず会うこともポイント。1か月である程度相手がわかり、4か月続けば結婚が近づくと山田さんは語る。婚活サービス利用者の中で成功した層は、どの婚活サービスでも利用頻度が高い(「婚活実態調査2019」リクルートブライダル総研調べ)のだ。

 やはり「出会いの数を増やすこと」がもっとも重要。折れない心で幸せな“成婚”を目指そう!

【PROFILE】
山田由美子さん ◎「結婚情報サービス会社」「結婚相談所」勤務を経て、1997年「仲人業」として独立。現在は、結婚相談所と仲人の利点を活かした「お見合い塾」塾長。仲人歴22年、今までに約2200組を成婚に導いている。

鈴木平次さん ◎40代半ばまで恋愛とは無縁の生活から46歳で結婚という自身の経験をもとに男性向け恋愛講座「恋カレ恋愛教習所」を運営。「年齢=彼女いない歴」などの恋愛初心者向けに恋活・婚活情報発信&サポートをしている。