「台北機廠」内の職員浴場=文化部提供

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(台北 17日 中央社)日本統治時代の鉄道工場を前身とする台北市の「台北機廠」を国家レベルの鉄道博物館に転身させるための準備組織「国家鉄道博物館準備処」が行政院(内閣)の承認を経て正式に設立した。文化部(文化省)が16日、書面で発表した。鄭麗君文化部長(文化相)は、鉄道文化資産の保護を重視する政府の決意の表れだとして喜びを示し、「生きた鉄道博物館」と位置づけてハード・ソフト両面の整備を進めていくと意気込んだ。

同部の資料によると、台北機廠の前身は、1935(昭和10)年に落成した台北鉄道工場。戦後、台湾鉄路管理局(台鉄)によって引き続き使用されたが、2012年に工場機能が移転したためその歴史にピリオドを打った。台湾に現存する鉄道車両整備工場として最大かつ最古。2015年に敷地全体が国定古跡に登録された。

同部は17年、同地全域を26年までに鉄道博物館として修復・整備する10カ年計画に交通部(交通省)とともに着手。同地の名称は「台北機廠鉄道博物館園区」と改められた。今年6月には同園区の特色の一つとされる職員浴場などの修復工事が始まっており、来年以降は鍛冶工場や組立工場などの修復作業が相次いでスタートする予定。工事が行われていない一部の施設は予約制で見学できるほか、イベントなども開催される。

準備処の主要業務は、各分野の専門家による整備計画の推進や文物の収蔵、研究、メンテナンス、展示など。27年までに交通部と共同で独立行政法人を設立するという。

(鄭景ブン/編集:塚越西穂)