怖い思いをした時は正当な証拠を持って警察に届けるべき

 ドライブレコーダーが普及してきて、いい面もあれば悪い面もある。

 たとえばあおり運転や迷惑運転、あるいは他人の違法な運転を動画で記録できるというのは、自己の正統性の証拠となり、有効な使い方といえるが、反対に自分が違反を犯したときの動画を、誰かがネットにアップしたらどうなるのか?

 一例を挙げると、一時停止違反、スマホを使いながらの運転、制限速度違反、車線変更禁止(進路変更禁止)違反といった、さほど悪質ではないケース(もちろんダメなものはダメだが)。

 ネットで動画を見た人から、いろいろ批判的なコメントが寄せられたりするかもしれないが、ネットにアップされただけでは、警察も動かないだろうし、よほど悪質でなければ、わざわざ捕まえに来ることはないだろう。

 逆にいえば、あおり運転その他で怖い思いをしたときなどは、ネットにアップするのではなく、その動画を持って警察に届け出るのが正しい手段。

 警察に届けずに、ネットにアップをするのは、「さらし」行為で、厳しくいえばある意味『私刑』。

 たとえ違反者であっても、ナンバープレートや個人を特定できるような情報をネットにアップしたとなると、肖像権の侵害や名誉毀損で訴えられる可能性がある。

悪質な「さらし」行為は却って訴えられることも

 最近では、撮影者が故意に追い越し車線をゆっくり走り、後続車から煽られているように見える動画を撮って、ネットにアップしている例もあるようだが、これは迷惑運転に対する怒りですらなく、再生回数を稼ぐための悪質な演出ともいえるので、投稿者のほうが名誉棄損などで違法性を問われても仕方がないぐらいだ。

 ドライブレコーダーで実際に起きたことを記録すること自体は法的にも問題なく、肖像権についても適法な範囲といえるが、それを第三者に公開するとなると話は別。

 前述の通り、違法性を問題視し、違反者を取り締まってもらいたいのなら、証拠を持って警察に訴えなければ摘発することはありえない。

 そうではなく、ただ私憤を晴らしたり、動画の再生回数を稼ぐために、個人を特定できるような映像を投稿したとなると、そのことの違法性の方が問題になりやすいので、インターネットに動画や画像をアップするときは、肖像権やプライバシーなど侵さないように、十分留意する必要がある。