那須川天心、ライアン・ガルシア【写真:Getty Images】

写真拡大

天心とガルシアの激突を米メディアは期待

 格闘技イベント「RIZIN.14」でボクシングの元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)にTKO負けを喫したキックボクシングの那須川天心(TARGET)。米ボクシング界の誇る超新星は「テンシン、かかってこいや!」と対戦を要求しているが、米メディアでは「未来の偉大なる見本市になるかもしれない」と20歳の新鋭対決待望論も浮上している。

 大晦日のリングでメイウェザーに敗れた那須川。英国では格闘専門番組で放送され、SNSやネット上で動画が拡散したことで「テンシン・ナスカワ」の名は知れ渡ることになった。

 MMA(総合格闘技)界の大物コナー・マクレガー(アイルランド)に続き、米国の超新星も対戦を要求したことを受け、米スポーツ専門メディア「ブリーチャーレポート」は「ライアン・ガルシアは、テンシン・ナスカワに対してコナー・マクレガーを差し置き、彼と戦うべきと発言」と特集している。

 大物プロモーターのオスカー・デ・ラ・ホーヤ氏の秘蔵っ子で、WBC世界スーパーフェザー級8位の20歳のプロスペクト、ライアン・ガルシア(米国)は米メディア「TMZスポーツ」の直撃取材で挑戦状を叩きつけていた。

「自分は彼の試合を見たんだ。テンシンだ。メイウェザーと戦っていたけれど、彼も20歳。最高の試合になると思うんだ」と名指しした上で「テンシン・ナスカワと戦いたいのか? Bring it on!(かかってこいや!)テンシンは日本のライジングスターだから、自分との戦いには意味があるんじゃないかな。彼は日本の新星で、オレもここ(米国)では同じだ。戦いたいね!」とまで言い切っていた。

 かつてメイウェザーとボクシングルールで敗れていたマクレガーもツイッターで挑戦状を送っていたが、記事ではマグレガーではなく、自分こそが天心の相手とガルシアが強調していたと注目している。

対戦実現なら「未来の見本市になる可能性もある」

 ブリーチャーレポートの記事では現在の2人を比較している。

「ガルシアはボクシングのスーパースター、カネロ・アルバレスを指導しているエディー・レイノソのトレーニングで安泰の状態にある。一方、ナスカワはメイウェザーにひどく痛めつけられたが、彼は日本ではスターだ。キックボクシングではプロ28戦全勝。22KOだ」

 現在キャリア17戦全勝のガルシア。一方の那須川も公式戦では無敗。そして、この対決には大きな意味があると記事では分析している。

「ナスカワはガルシアにとって最大の戦歴を持つ相手になるだろう。このファイトは彼らのスポーツの未来の偉大なる見本市になる可能性もある。どんなルールになるのかは、不透明だが」

 ボクシング対キックボクシング――。無敗の20歳対決実現の機運が、米国で高まりを見せているが、那須川にとっては主戦場で行われるRISE世界トーナメントが3月に開幕。簡単に再度の異種格闘技戦が実現する見込みはないが、ファンにとっては見てみたい対戦の一つかもしれない。(THE ANSWER編集部)