火星のクレーターに万年氷・NSXの音で夜泣き防止・AIと衛星画像で太陽光発電設備を把握 : #egjp 週末版147
1週間のあいだに拾いきれなかったニュースをいくつかピックアップしてお届けします。今回は「火星のクレーターに万年氷」「NSXのエンジン音で夜泣き防止」「太陽光パネルの設置場所を割り出すAI」といった話題を取り上げています。
ESAの探査機MROが、火星のクレーターに厚さ1.8mの万年氷を発見
ESAが、火星にあるクレーターのひとつ"コロリョフ"に白い氷が張っている画像を公開しました。この画像はMRO(Mars Express Orbitar)が、軌道を5周する間に撮影した画像の欠片を組み合わせて、直径82mのクレーターの姿を現したもの。
MROは2003年にうちあげられ、火星の衛星フォボスの観測や火星表面の詳細な画像を取得してきました。そして、今度は大量の水を(氷の形で)発見したかもしれません。
火星着陸機インサイトが地震計の設置を完了

MROが万年氷を発見した一方で、NASAのインサイト火星着陸探査機は、地震計を機体から約1.6mの位置に正常に設置したと発表しました。この地震計を設置するに当たり、NASAは適切な設置場所を選ぶために周囲の画像を撮影したものの、好都合なことに周囲に大きな岩屋起伏、穴などはなく、すぐに場所を決定できたとのこと。
とはいえ、インサイトが着陸した地面は僅かに傾斜をシているため、インサイトは数日をかけてデータのキャリブレーションを実施し、正確に火星内部を伝わる地震波の方向を把握できるようにします。
なお、もう一つの重要な測定装置である熱プローブは年が明けて1月に地面への打ち込みを完了する予定。両方のセンサーが収集するデータによって研究者の火星の理解が深まることが期待されます。
ホンダ、NSXのエンジン音で赤ん坊を泣き止ませるSound Sitter発表
ぐずり始めたら泣き止まない赤ん坊に手を焼いた経験は、子供を持つ親なら誰もが一度は経験したことがあるでしょう。自動車メーカーのホンダは、テクノロジーでお父さんお母さんの睡眠時間の危機に救いの手を差し伸べようとしています。
ホンダが作った新たなガジェットSound Sitterは、自動車の形をしたぬいぐるみ。ただのぬいぐるみでなく、実車から収録したエンジン音を発することで、赤ちゃんの気持を落ち着かせる効果を発揮するとのこと。
ホンダ曰く、自動車のエンジン音に含まれる低音成分が胎内音に似ており、シビックからアコード、インテグラなどホンダ車37車種のエンジン音を比較したところ、なんと最も高価なスーパースポーツカー
、NSXのエンジン音がもっとも高い効果を発揮しました。
なるほど、たしかに寝グズりの収まらない赤ん坊をなだめるためには、深夜ドライブが効果的だと言う話はよく耳にします。 しかしいくらかわいい我が子とはいえ、(本体価格2370万円の)NSXが一番お気に入りだと言われても「じゃあ今の車を買い換えようか」とは、簡単には言えません。
そこでこの、エンジン音の出る自動車のぬいぐるみの出番...と言いたいところですが、これだけ前フリをしておきながら、ホンダはSound Sitterを発売する計画はないとのこと。ただ、実際に赤ちゃんを落ち着かせるために音を活用できるよう、NSX、インテグラ、S2000といったスポーツ車のエンジンサウンドをオンラインから再生可能にしています。もし、子どもの寝グズり、夜泣きに困っているのであれば、一度お試しあれ。
米西海岸でダイムラーの電気トラックがテストを開始

先週、南カリフォルニアで開催されたイベントで、Daimler Trucks of North America(DTNA)が、ペンスキー・トラック・リーシングにFreightliner eM2トラックのテスト用納入を開始しました。この電気トラックは数年をかけて開発してきたもので、ペンスキーの事業に適合させるため両社は9か月をかけて協力してきました。
DTNAのCEOロジャー・ニールセンは、トラックは規定の積載量いっぱいの荷物を週7日、休み無しで運搬しなければならないとして、充放電サイクルには非常に厳しい環境に置かれると説明、厳しい条件にも耐える頑丈さを持つための「より高レベルな責任が伴う」と述べました。
DTNAはペンスキーに対し、2019年にもeM2トラック9台、やや大きなeCascadiaトラック10台をさらに納入する予定です。これら電気トラックはeM2が230マイル(約370km)、eCascadiaは250マイル(約402km)の航続距離となっています。しかし、地域内の配送用途にはそれで充分と言えるでしょう。
ダイムラーは、2021年にこれらのトラックを正式に発売する計画で、今回のテスト利用で得た結果を市販モデルにフィードバックする予定です。
スタンフォード大、AI使い全米の太陽光パネル設置場所を把握

米スタンフォード大学の研究者が、米国の広大な土地に点在する太陽光パネルの設置場所を、10億枚以上の衛星写真とAIを駆使して割り出すシステムDeepSolarを開発しました。このしくみは、ニューラルネットワークをベースとして、タイル状に並べた衛星写真の全ピクセルを参照してその中から太陽光パネルを認識します。
なぜ太陽光パネルの位置把握が重要かと言えば、政府による再生可能エネルギー政策の立案や特定地域での太陽光再利用率の追跡、近隣地域とのパネル設置数の差などが生み出す経済的な差異を特定したりするのに役立つとのこと。
ただ、DeepSolarにはクリアしなければならない問題があります。それは、使用する衛星画像がどれぐらい新しいかということ。太陽光パネルを探し出す写真が古ければ、もしかすると調査時にはすでに新しいパネルがたくさん設置されているかもしれません。もしくは逆に撤去されている可能性もありえます。
スタンフォード大学のRam Rajagopal教授は、それは「取るに足らないことだ」と語っています。しかし、分析する衛星画像の更新周期が少しでも早いほうが良いことは間違いありません。参考までに記しておくと、このシステムで割り出した全米の太陽光パネル設置場所は全部で147万か所でした。
