最近も有名人の結婚が次々に報じられていますが、そこで「◯◯さんと入籍しました」という報告をよく目にします。「入籍」が「結婚」と同義に使われているようですが、本当のところはどうなのでしょうか。弁護士に取材しました。


「入籍」を「結婚」と同義に使うことは正しいのか…

 モデルの押切もえさん、女優の木村文乃さんをはじめ、最近も有名人の結婚のニュースが続いていますが、そうした記事でよく、「◯◯さんと入籍いたしました」という表現に出食わしませんか。

 記事本文は「入籍」なのに、見出しなどは「結婚」となっていて、さも「入籍=結婚」であるかのような印象を受けますが、本当にそうなのでしょうか。「=」であるとすれば、なぜ2つの言葉が使い分けられているのでしょうか。

「入籍」という言葉が気になった、オトナンサー編集部の記者が根掘り葉掘り、弁護士の先生に取材してみました。

「入籍」が多用される背景には何がある?

 今回、取材に応じてくれたのはアディーレ法律事務所の吉岡一誠弁護士です。

 吉岡さんによると、そもそも「入籍」は「戸籍筆頭者と結婚し、その人の姓を名乗って戸籍に入ること」。たとえば、離婚歴のある男性(戸籍筆頭者)と結婚する場合などが、これにあたります。

 離婚歴がある男性は戸籍筆頭者であることが多いため、離婚歴のある男性との結婚は、入籍にあたることが多いそう。しかし、「初婚同士の結婚は、原則的に新しい戸籍を作ることになるため入籍ではありません」。

 それにしては、初婚の芸能人が結婚を報告する場合でも、やたらと「入籍」という言葉が使われる気がします。その理由は何でしょうか。

 吉岡さんによると、旧民法における「家制度」は、女性は結婚によって男性の籍に入り、男性の姓を名乗ることを定めていたそう。そこから「結婚=入籍」という観念が残り、「現在も結婚を入籍と呼ぶ人が多いのです。家制度の根底には男尊女卑があるという人もいるため、入籍を使うことの是非を考えるべきかもしれません」。

離婚経験者との結婚が「入籍」にならないケース

 ちなみに、以下のようなケースでは、離婚経験者との結婚でも入籍にはあたらないそうです。

・離婚歴のある人が結婚前の戸籍(親の戸籍など)に戻っている場合は、戸籍筆頭者ではないため、初婚者がその人と結婚しても入籍にはならない

・初婚者が離婚歴のある戸籍筆頭者と結婚する場合も、結婚後に自分の姓を名乗るのであれば新しい戸籍を作ることになるため、入籍にはならない

 逆に、離婚歴はなくても、「本籍地が居住地から遠く戸籍謄本などの取り寄せが面倒」「親の戸籍から抜けたい」などの理由から、「分籍」をしている人もおり、この人と結婚してその姓を名乗る場合は、入籍になります。

(オトナンサー編集部)