北海道を走るJR最後の急行、存続へ
現在、JR線には100種類以上の「特急」が走っているのに対し、その由来となった「急行」はわずか1種類のみ。廃止が危惧されていますが、2015年3月のダイヤ改正を乗り越えて、「JR最後の急行」は引き続き運転されることになりました。しかしJRから「急行」が消滅し「特急」だけが残る可能性、未だ大きく残っているのが現状です。
廃止される「北斗星」と同様の懸念
2014年12月現在、全国のJR線では111種類の特急列車が走っています(新幹線を含む。定期列車のみ)。しかし「特急」、すなわち「特別急行」の語源となった急行列車はわずか1種類、「はまなす」という列車しか走っていません(毎日運転される定期列車のみ)。
この「JR最後の急行」について鉄道ファンのあいだでは、存続を危惧する声が多くありました。札幌〜青森間というその運転区間が、その大きな理由のひとつです。
本州と北海道を結ぶ青函トンネルでは今後、2016年春の北海道新幹線開業に向けて検査や試験、訓練運転が行われます。そしてこの点と車両老朽化などが理由となり、東京の上野駅と札幌駅を結ぶ寝台特急「北斗星」は2015年3月のダイヤ改正で廃止(臨時化)されることになりました。
急行「はまなす」も「北斗星」同様に青函トンネルを通り、車両も老朽化しています。そのため「北斗星」と同じく「はまなす」も廃止され、特急列車が多数走るJRから、その名前の由来となった急行列車が消滅するのでは、という懸念があったのです。
しかし2014年12月19日、JR北海道は2015年3月のダイヤ改正において寝台特急「北斗星」の廃止(臨時化)を正式に発表したものの、急行「はまなす」については、先述の青函トンネルにおける北海道新幹線対応で運休や時刻変更を実施することがあっても、運行は引き続き行う方針を示しました。「JR最後の急行」が生き残ったのです。
1年後に再び「急行」消滅の危機
しかしJR最後の急行「はまなす」について、その先行きが非常に不透明なのは変わりません。その理由として先述の車両老朽化問題があるほか、2016年春に北海道新幹線が開業すると、青函トンネルで現在急行「はまなす」をけん引している機関車が使えなくなる――つまり現在の車両では青函トンネルを通れなくなるからです。
そうした問題を抱えた急行「はまなす」。北海道新幹線開業と共に廃止されてJRから「急行」が消滅し、そこから派生した「特急」だけが残る状態になってしまうのか。その未来が注目されます。
ちなみにJR・国鉄から急行が衰退した理由のひとつに、存在が中途半端になったことが挙げられます。特別急行が急行の上位列車として明治末期に登場した当初、運転本数が限られ文字通り特別な存在でした。しかし、次第に特急は運転本数が増え大衆化。乗車に別料金が必要ながら特急ほど速くなく設備も劣る急行は、大衆化した特急と料金不要の快速・普通列車のあいだで中途半端な存在になっていったのです。
また、寝台特急「北斗星」は2015年3月14日のダイヤ改正で定期運行を取りやめるものの、引き続き臨時列車として走ります。しかしJR北海道は「北斗星」を「(列車の運行が)可能な時期(8月下旬頃まで)まで、臨時列車として運転」としているため、早ければ2015年夏で見納めになるかもしれません。
「北斗星」と同じく上野〜札幌間を結ぶ臨時寝台特急「カシオペア」は、札幌行き下り列車の時刻変更が行われますが、2015年3月のダイヤ改正以降も引き続き運行されます。しかし「カシオペア」についても、現状の車両では北海道新幹線の開業に伴い青函トンネルを通れなくなるため、その将来が危惧されているのは「はまなす」と同様です。
