進行がんやがんの再発などで、治癒も病状の好転も見込めない状態になってしまったときに、加入している生命保険の死亡保険金を前払請求できる(請求限度額3000万円)サービスがある。住友生命保険の商品部商品開発室室長の内海信氏に、「がん長期サポート保険金」支払いの現場からの声を聞いた。

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 進行がんやがんの再発などで、治癒も病状の好転も見込めない状態になってしまったときに、加入している生命保険の死亡保険金を前払請求できる(請求限度額3000万円)サービスがある。住友生命保険が取り扱っている「がん長期サポート特約」は、同社の保険契約者は保険料無料で付加することができる。同特約は2007年11月の取扱い開始だが、同特約の取扱い開始以前の契約にもさかのぼって同特約を適用している。同社商品部商品開発室室長の内海信氏に、「がん長期サポート保険金」支払いの現場からの声を聞いた(ケーススタディは、現実の状況を反映しているが、特定の個人を取り上げたものではない)。

ケーススタディ<Aさん、50歳代、大腸がん>

 大きな病気をしたことがなかったAさんは、仕事中に、突然、激しい腹痛に襲われた。念のために病院で検査を受けた結果、医師から受けた診断結果は「大腸がん」だった。がんの摘出手術は、無事に成功し、Aさんは約1カ月間の入院で職場復帰できた。しかし、退院から2年を経た後、定期検査でがんが再発していることが分かり、月に2回のペースで2泊3日の短期入院を繰り返しながら薬物療法で治療を続けることになった。当初は休職して治療に専念していたものの、1年半たっても症状が好転しなかったために、やむなく退職した。薬物治療や放射線治療など、あらゆる治療を試みたが、がん診断から5年目に、医師から「これ以上の回復の見込みがない」と診断された。

 Aさんは、がんと診断されたときに、特定疾病保障定期保険特約で一時金が支払われ、入院給付金、手術給付金などが支払われた。しかし、がんの治療には、健康保険が適用されない抗がん剤も使用していたため、特定疾病保障の一時金や入院給付金では足りずに、治療費が大きな負担になっていた。医師から「回復の見込みがない」という診断が出た時に、がん長期サポート特約で保険金を申請し、死亡保険金の一部を前払いで受け取った。

 Aさんからは、「死亡保険金の前払いを受ける時には、もう治らないのだと改めて実感して正直複雑な心境でした。しかし、実際に受け取ってみて、これからは、費用を心配せずに治療に専念できるようになりました。保険金でがんに立ち向かう勇気をもらいました」と感謝の言葉が寄せられたという。実際に、専門医の治療を受けるため、家族の見舞いには自宅から病院まで宿泊費を含めて毎回数万円の出費がかさむなど、経済的な負担は大きく、治療の苦しさとともに経済的な心配が心の負担になっていたということだった。

ケーススタディ<Bさん、40歳代、脳腫瘍>

 Bさんは、頭痛や手足のしびれを感じ、自宅近くの病院でCT検査をした結果、脳に腫瘍が数カ所発見された。すぐに専門の脳神経外科へ行き、精密検査した結果は、「悪性の脳腫瘍が広い範囲で拡がっている」ということだった。そのまま入院し、緊急手術が行われた。手術後、医師から「脳腫瘍を全摘出することは困難で、一部腫瘍が残った」と告げられた。その後も、放射線療法と薬物療法を繰り返し試みて治療を続けた。しかし、がんの進行を抑えることはできたものの、快方に向かう効果までは得られず、医師から「余命の断定は難しいが、治癒の見込みはない」と診断された。

 Bさんは「がん長期サポート特約」の請求を行い、保険金を受け取った。そして、副作用に耐えながら、家族の看病、職場の同僚の励ましに自らを奮い立たせて治療に専念。その甲斐があったのか、通院で薬物療法を続けながら、家の周りを散歩するなどリハビリ生活を送れるまでに回復した。そして、がん宣告から3年後には、ついに仕事に復帰することができた。

 Bさんは、「希望の見えない治療を続ける間には、もう、治療をやめたいと何度思ったことかわかりません。続けられたのは妻をはじめ周りの励ましのおかげです。また、通院中の薬物療法で1回に約20万円かかることもありましたが、保険金のおかげで経済的な負担を気にせず、治療に専念できました」と感謝しているという。

【がん保険Q&A】Q そもそも「がん長期サポート特約」が開発された経緯は?

A 生命保険に「リビング・ニーズ特約」があり、「余命6ヶ月以内」と余命宣告を受けた場合に、死亡保険金を事前に支払う仕組みがあることは知られています。しかし、がん患者の場合は余命6ヶ月以内に該当しなくても、「有効な治療法がない」「これ以上の治療は、身体的負担に耐えられないため治療は行えない」などと診断されるケースがあります。このような場合、長引いてかさむ治療費やご家族の生活費などの経済的負担が大きな問題となるため、保険会社として支援できることはないか、という発想から生まれたのが「がん長期サポート特約」です。

Q 貴社には「がん保険」という商品はないが、がんへの備えは?

A がんへの備えという点では、がんと診断されたときに一時金を支払う特定疾病保障定期保険特約、がんで入院・手術に、入院給付金(お支払い日数無制限)や手術給付金などをお支払いする医療特約、また、先進医療特約。そして、死亡保険金の前払請求ができる「がん長期サポート特約」など、ケースに応じた保険金をお支払いする商品があります。さらに、がんと診断されたら以後の保険料をいただかない保険料払込免除プランもあります。

Q 「闘わないがん治療」とは?

A がんの有効な治療法のひとつとして、粒子線治療が近年注目を集めています。粒子線治療は、先進医療に指定され、自己負担で支払う技術料が300万円を超えることもある高額療法ですが、手術不要で副作用も少なく、通院でがん治療を行うこともできる画期的な治療法です。住友生命では、この分野の権威である医学博士の菱川良夫先生(兵庫県立粒子線医療センター名誉院長、がん粒子線治療研究センター長)に講演等の協力を得て「闘わないがん治療」というDVDを約10万枚作成し、お客さまに配布しています。粒子線治療をもっとよく知っていただくとともに、その技術料を保険でカバーできることもお伝えしています。(編集担当:風間浩)



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