森保一監督【写真:ロイター】

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連載「ワールドカップ・トリビア」第14回

 地球規模のスポーツの祭典、サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会はグループリーグが行われている。「THE ANSWER」は期間中、今さら人に聞けない素朴なギモンに回答する連載「ワールドカップ・トリビア」を展開。スポーツ新聞社の記者としてJリーグ開幕前からサッカー取材を続けてきたスペシャリスト・荻島弘一氏が、ズバリ答える。第14回は「森保監督がスーツを着るのはなぜ?」。

 ◇ ◇ ◇

Q.森保監督がスーツを着るのはなぜ?

A.背筋を伸ばして指揮したいから

【解説】

 日本代表のベンチが映ると、森保監督の存在はすぐに分かります。名波浩コーチらスタッフは全員がトレーニングウェア姿ですが、森保監督だけはビシッとスーツを着用。Jリーグ広島の監督時代から「勝負服」は常にスーツです。

 競技規則では監督の服装にルールはありません。スポンサー名が規定以上に大きく入ったシャツや政治的なメッセージにつながるようなデザインのものは認められませんが、基本は自由。試合中はベンチ前に飛び出したり、体全体で指示を出したりするために動きやすい服装を選ぶ監督が多いようです。

 スーツが着用される理由には、近代サッカーがイングランドで生まれたという歴史的な背景があります。「紳士の国」の正装としてスーツが着用されたのです。かつて、先輩記者から「代表戦を取材する時はスーツで」と教わったもの。Jリーグ開幕前の話ですが、それほど「代表戦」は特別なのです。

 他のコーチとの区別が分かりやすい効果もあります。審判はもちろん、観客からも監督の動きが分かります。1996年アトランタ五輪で日本がブラジルを破った時、国際映像は山本昌邦コーチを西野朗監督と間違えて紹介していました。ともにトレーニングウェアで区別がつかなかったようです。

 森保監督のスーツは英国の高級ブランド「ダンヒル」。25年以上日本代表のパートナーを務める同社が、公式スーツとして提供しているものです。「スーツを着ると背筋がピンと伸び、気持ちが高ぶる」と森保監督は話しています。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一
1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。