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 新潟県サッカー界のダイヤの原石を紹介する「ブレーク候補生」。今回は8年ぶりに全国高校総体(インターハイ)出場を決めた新潟明訓のMF上田陸(18)だ。左サイドを惜しみない運動量で何度も駆け上がる“スプリント王”は、ドリブラーからプレースタイルを変化させたことでさらに進化。真夏の大舞台に向けてレベルアップを図り、チームを勝たせる選手へと駆け上る。

 試合中にその足が止まることはない。勝利のため、何度でもスプリントを繰り返す。左サイドを主戦場とする上田は「相手が嫌がることをしたい」とチームのために走り続ける。

 元々、走ることは得意だった。小学3年から父親と新潟市の自宅からほど近い「新潟みなとトンネル」に週2回ほど通い、片道約1・4キロの距離を走った。雪などの悪天候の多い冬でもトンネルなら走行が可能。勾配もある道を2、3往復する走力トレーニングを中学1年まで続けた。

 中学時代までは足元でパスを受けて仕掛けるドリブラー。プレースタイルを変えるきっかけは、高校1年時にメンバー入りを果たした全国高校選手権だ。出場機会はなかったが、チームは初戦の阪南大高(大阪)戦で0―6の大敗。相手の左サイドにはエースがいて、守備を切り裂くような動きに味方は圧倒され「(パスを)つなぐだけでは勝てない。走らないと勝てない」と痛感した。

 走る意識を高めて2年生でレギュラーを奪取。最上級生となった今年、攻撃の比重が高い3―4―2―1のシャドーに抜てきされて花が開いた。「中学時代よりも相手が嫌なのは今」と自負し、1試合のスプリント数は最高で29回をマーク。1試合平均は25回で、今季のJ1トップクラスを上回る。最高時速は33・8キロ。ただ「最高速度を一回出すより、回数が大事」と繰り返す意識が高い。

 運動量も豊富で「夏の方が強い。暑くても走れる」と走力系メニューは常にチームトップ。細かなステップのドリブルも健在だ。課題は得点力アップで、参考にしているのが同じく左サイドが主戦場の日本代表MFの中村敬斗。「切り替えの後のシュートが力強く打てるし、枠にも入る」とシュートに至る映像を繰り返し見て、練習にも生かしている。

 大学に進学し、さらに上を目指すつもりだ。アピール、そしてチームを勝たせるためにもインターハイは「自分がやらないといけない」と気合を入れる。走って、仕掛けて、決める。より相手が嫌がる選手へと成長する。(西巻 賢介)

 ◇上田 陸(うえだ・りく)2008年(平20)5月17日生まれ、新潟市出身の18歳。6歳からサッカーを始め、グランセナ新潟FCジュニア―アルビレックス新潟U―15。中学2年の時にナショナルトレセンに選出。国体の新潟選抜、U―17新潟選抜。好きな選手は日本代表MF中村敬斗。1メートル71、61キロ。利き足は右。