アルゼンチン代表(C)ロイター/NURPHOTO

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アルゼンチン

 本時間23日午前2時、1次リーグJ組第2節で、初戦を白星で飾ったアルゼンチンとオーストリアが激突する。連覇を狙う王者はメッシのハットトリックでアルジェリアに3―0で快勝。一方、29年ぶり出場のオーストリアもヨルダンを3―1で下し、36年ぶりのW杯勝利を挙げた。メッシを軸に高い完成度を誇る王者と、ラングニック監督仕込みのカウンタープレスを武器とする古豪。ともに勝ち点3で迎える全勝対決を前に、両国の特徴とキーマンを紹介する。

同じ“開催国”でも現地の反応は全然違う 米国・カナダと対照的にメキシコは全国民が沸き立っている

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 狙うは連覇、ただひとつだ。

 南米予選は2位のエクアドルに勝ち点差9をつけて首位突破。王者としての実力と威厳を見せつけた。

 顔ぶれは4年前の優勝メンバーと大きく変わらない。22年大会で若手だったマク・アリステルやエンソ・フェルナンデスといった選手がチームを牽引する中堅に成長。「サッカー界の至宝」メッシを欠いてもチーム力を維持できるよう、戦術やプレーの完成度を高めた。メッシ依存からの脱却はすぐそこまできている。

 一方で今年39歳のベテランが出場すれば、得点力は確実に上がる。その半面、守備を免除されることによる「穴」が出現する。

 4年前は残りの9選手がハードワークをこなすことでメッシの守備力を補填し、頂点にたどり着いた。しかし、今回は出場国が32から48に拡大したことに伴い、試合数も増加。米国、カナダ、メキシコの3カ国合同開催のため、会場移動の負担も増える。スカローニ監督は選手のやりくりに苦労するかもしれない。

 連覇へのもうひとつの不安材料は実戦不足。中東情勢悪化の影響でスペインとのテストマッチが中止になり、前回大会の決勝以降、欧州勢とは一度も対戦することなくW杯本番を迎えることに。

 1次リーグ突破は確実視されるものの、懸念材料の払拭がカギとなりそうだ。58年、62年のブラジル代表以来となる2カ国目の連覇を成し遂げることができるか。

・過去最高 優勝(3回)
・前回大会 優勝
・予選成績 南米予選1位12勝4敗2分

■キーマン:リオネル・メッシ

 神様、仏様、メッシ様──。4年前「今回で最後」といわれていたがまさかの代表入り。ボールタッチの回数は減り、かつてのスピードもない。

 それでも南米予選は18試合中6試合を欠場しながら8得点で得点王。「必殺仕事人」さながらだ。

 プレーだけでなく記録からも目が離せない。出場すれば自身6度目のW杯となり、史上初の快挙。すでに最多記録であるW杯出場記録26試合が更新される。クローゼ(ドイツ)の持つ最多得点記録(16得点)にはあと3点に迫っている(大会前時点で通算13得点)。

オーストリア

 29年越しの悲願となった。98年のフランス大会を最後に姿を消していたオーストリア。躍進のきっかけはラングニック監督の戦術、そしてその戦術をピッチ上で再現できる選手たちの能力の高さにある。

 カウンタープレスを軸にしたハイテンポの攻守で、相手にペースを掴ませない。ピッチの中心に立つのはダビド・アラバ。21年からRマドリードに在籍し、腕を磨いてきたベテランDFだ。代表チームでは精神的支柱。戦術理解度の高さは群を抜き、ラングニック監督からの信頼も厚い。3年前に左膝前十字靱帯を損傷。EURO2024ではケガでプレーできないにもかかわらず、スタッフとして同行した。昨年1月にようやく復帰したものの、万全な状態かどうかは不透明。ただ、機能すれば万能ディフェンダーとして対戦相手にとっての脅威となる。

 ラングニック哲学を実現させるうえで、タフな運動量は避けて通れない。MFコンラート・ライマーはチーム随一の運動量を誇り、優れた戦術眼も指揮官から一目置かれている。ライマーのようなハードワーカーが欠かせない一方で、体力消耗の激しいスタイルが暑さの厳しい今大会でどれだけ機能するか。

 目下の目標は前回出場時に突破できなかった1次リーグの通過。そして狙うは78年以来となるベスト8。古豪が復活ののろしを上げる。

・過去最高 3位
・前回大会 欧州予選敗退
・予選成績 欧州予選H組1位 6勝1敗1分

■キーマン:ラルフ・ラングニック監督

 愛称は「教授」。ドイツ出身で、プロキャリアは皆無だったが、指導者としての才能を開花。ドイツ3部チームの監督に就任すると、わずか2年でブンデスリーガ1部に昇格させた。

 指導基盤は緻密な戦術。ユルゲン・クロップと共に「ゲーゲンプレス」の考案者として知られる。いわゆるカウンター攻撃の一種で、「8秒以内にボールを奪い、10秒以内に攻撃を終える」がコンセプト。ラングニックの哲学に師事した教え子は多く、彼らは「ラングニック派」と呼ばれる。

 代表監督は22年カタール大会直前の6月に就任。4年間でメソッドを浸透させ、今大会で結実させる。