勝負のチュニジア戦「水を漏らしてはいけない」 監督交代の異例事態…第2戦の呪縛を断ち切れるか
GS突破をかけた重要なチュニジア戦
事前キャンプを行ったモンテレイに日本代表が戻ってきた。
オランダ戦のドローを経て、ムード的には士気高く帰還したと言っていい。チュニジア戦で勝利を手にして、グループステージ突破に大きく近づく。そのシナリオを目指して日本は第2戦に挑むことになる。
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だが、グループステージ突破に向けた第2戦・チュニジア戦は、戦前の楽観的な空気とは裏腹に、これまで以上にタフな戦いになる可能性が高い。
過去7大会で1勝3分3敗。日本にとってW杯の第2戦は歴史的に難しい。前回大会でもドイツ戦の衝撃的な勝利の後、コスタリカ戦でシュート数もボール保持率も圧倒しながらゴールをこじ開けられず、終盤の自陣でのパスミスから失点を喫して敗れた。最終的にスペインを破って突破はしたが、コスタリカ戦の後に一気に暗雲が立ち込めたのは記憶に新しい。
なぜ第2戦がこれほど難しくなるのか。前回大会を経験している谷口彰悟でさえ「初戦が一番大事というのはみんなわかっていると思うけど、そこで緊張の糸が切れてしまうのか、これだという理由は正直見つけられていない」と言う。それでも「自分たちで苦手意識を作りすぎずに変えていかないといけない。この2戦目でしっかり勝って、勝ち点3を取るのがグループリーグを勝ち抜くために必要」と言葉に力を込めたように、苦手意識は勝って歴史を変えていくしかない。
ただ、今回はその難しさに、さらなる要素が重なった。オランダ戦で久保建英が負傷し、前日の時点で町野修斗が体調不良。蒸し暑さが強まり、スコールの可能性もある。そして最大のイレギュラーが、チュニジアの監督交代だ。
初戦のスウェーデン戦後に監督を電撃解任し、日本のことをよく知るエルヴェ・ルナール監督が就任した。ルナール監督は「プライドは捨てないといけない。現実的な戦いをしないといけない。一つになってプレーすれば希望はある」と会見で話しており、チームスピリットを前面に押し出した戦いを仕掛けてくることは間違いない。
この試合のポイントは前半の入りにあると見ている。オランダ戦と異なり、日本がボールを保持する時間は自然と増えるだろう。だが、それはチュニジアにとっても想定内の展開だ。前からプレッシングをかけるか、後方に構えて跳ね返すかはわからないが、奪ってからの素早い攻撃を狙ってくることは間違いない。そして先に失点してしまえば、魂の守備で対応してくる相手を崩すのは容易ではない。
谷口もそのリスクを正確に把握している。
「どんな展開になるかわからないけど、(自分たちが)押し込むことになればリスク管理やカウンターは十分に気をつけないといけない。明日、試合が始まって、相手を見て、できるだけ早い時間帯で相手の狙いを見極めるのが大事になる」
オランダ戦も先手を奪われる展開で2失点を喫した。空調設備の整ったダラスと異なり、モンテレイの環境下では追いかける展開になった時の反撃の難しさも増す。前回のように先手を奪われる展開は避けたいところだ。谷口もオランダ戦からの守備の修正を口にし、チュニジア戦へと気を引き締めた。
「オランダ戦は修正点の多いゲームだったと思う。W杯の初戦、対オランダということでいつもと違うところはあった。その辺はみんなでもう一度、修正して合わせないといけない。失点も2失点している。連係の部分やセットプレー絡みのところで水を漏らしてはいけないと考えている。その辺はオランダ戦の反省を生かしながら、チュニジア戦はいい意味で切り替えてやらないといけないところがある」
反省を生かしながら、切り替える。そのバランスこそが第2戦の難しさでもある。
勝利を急ぎすぎて足をすくわれてはいけない。焦れずに、地に足をつけて目の前の相手と向き合う。自分たちにフォーカスを当てながら勝ち点3を目指す。それが、日本にとって第2戦の呪縛を断ち切る唯一の道になる。(林 遼平 / Ryohei Hayashi)
