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脱・税理士の菅原氏が、日本の自動車メーカー4社の2026年3月期決算を比較し、その明暗を財務の視点から読み解いた。
 
4社の結果は、一言で言えば「天国と地獄」だ。好調を維持したメーカーがある一方で、前期まで積み上げてきた利益が一転して最終赤字に転落したメーカーもある。EV戦略の方針転換、トランプ関税の直撃、大規模なコスト削減--それぞれが異なる局面に直面した1年であり、各社の数字を並べると、同じ自動車業界の中でいかに明暗が分かれたかが鮮明に浮かび上がる。「なぜここまで差がついたのか」。菅原氏はホワイトボードを使いながら、各社の決算を一つひとつ丁寧に紐解いていく。
 
その中で特に注目されるのが、売上規模では大手に及ばないにもかかわらず、利益面で際立った存在感を示したメーカーだ。その強さの源泉は、特定の新興国市場で長年かけて築いてきた独自のポジションにある。現地の生活文化に深く根ざした販売・修理網がそのまま競争優位となっており、さらにその市場選択が、多くのメーカーを直撃した関税問題をほぼ回避することにもつながったという。単なるコスト優位ではない、「どこで戦うか」という選択自体が今回の明暗を分けた--菅原氏はそう指摘する。
 
ただし菅原氏は、この好決算を手放しでは評価しない。足元では特定の市場環境に変化の兆しが生まれており、過去に別の国で経験した苦い撤退劇と同じ構図が再び浮かび上がりつつあるという。好業績にもかかわらず株価の反応が鈍い背景には、こうした将来への不透明感が影を落としている。
 
では、そのメーカーはすでにどんな手を打っているのか。菅原氏が語る「次の戦場」は、多くの人が意外に感じるであろう地域だ。4社の比較を入り口に、「戦う場所を能動的に選び直す」という経営の本質的な発想が立体的に見えてくる。

ホンダやトヨタが今後どこへ向かうのかについても、菅原氏の見立ては鋭い。4社の決算が映し出すのは、業界の現状だけでなく、変化の時代を生き抜くための視点そのものかもしれない。数字の向こう側にある経営判断の重みを、菅原氏は静かに問いかけていく。