4代目『ホンダ・インサイト』に込められた作り手の思い(前編) 日本から持ち込まれた『匠の技術』
開発、生産は中国のホンダが担当
4月16日に発売された4代目『ホンダ・インサイト』。クロスオーバーSUVを名乗り、歴代初のEVモデルとなる。開発、生産は中国のホンダが担当し、日本へ輸入される形だ。
【画像】中国から輸入されるクロスオーバーSUV!4代目『ホンダ・インサイト』 全88枚
1999年に登場した初代インサイトは、ホンダ初の量産ハイブリッドカーとして登場。リアホイールを覆うスタイルが特徴的な、3ドアの意欲的なモデルだった。2代目、3代目は5ドアとなるも、ハイブリッドカーというプロフィールを受け継いだ。

4月16日に発売された4代目『ホンダ・インサイト』。歴代初のEVモデルとなる。 平井大介
ただ、歴代モデルとも販売終了から後継車登場まで数年が開いており、その時々で主力モデルとは一線を画す、戦略的なモデルに与えられる車名という印象だ。ということで、今回もこのクラスではホンダ初となるEVとして登場した。
ベースとなるのは、中国での合弁会社から2024年に発売された『e:NP2』と『e:NS2』で、日本仕様は右ハンドル化、充電規格の適合、道路事情に合わせたタイヤ特性変更が行われている。ちなみにリアとステアリングのエンブレムが『H』ではなく、『Honda』となるのも特徴だ。
なお、インサイトは中国専用車からの転用ではなく、日本導入は当初から予定されていたもの。他にタイでも販売される。グレードは1本の展開で、価格は550万円。3000台の限定販売だ。
リアゲートが開くファストバックスタイル
モデルプロフィールを確認していくと、ボディサイズは全長4785mm、全幅1840mm、全高1570mm、ホイールベース2735mmで、車両重量は1770kg。リアゲートが開くファストバックスタイルの5ドアで、車検証上はステーションワゴン扱いとなる。
スタイリングはエッジの効いた存在感があるもので、街中で埋もれないような『個性派EV』を目指した。

新型インサイトは、リアゲートが開くファストバックスタイルの5ドア。 平井大介
室内はサイズのわりに広々とした印象で、アイポイントの高いフロントシートはサイドウォークスルーとなり、リアシートはリクライニング機構を採用。大型のラゲッジルームを備え、例えば子育てを終えた夫婦が、のんびりと休日を楽しむといった顧客層が想定されている。
室内で珍しいのは、アロマディフューザー機能。エアコンを通じて車内に香りを広げることができ、最大3種類まで装着できるカートリッジから選択可能だ。なお他にも3種類、計6種類が用意され、カートリッジは運転席のドアを開けて、車両側にある差込口で入れ替えが可能となっている。
パワーユニットは204ps/31.6kg-mのモーターをフロントに搭載、フロントを駆動するFFで、WLTCモードの航続距離は535kmというスペックだ。
ドライブモードはノーマル、スポーツ、イーコン、スノーの4つを用意。スポーツモードでは『アクティブサウンドコントロール』が作動し、音と走行性能の融合で一体感、操る歓びを演出している。
周波数応答ダンパーがいい仕事
FFということもあり、車重は1770kgに収まっているが、やはり少し重めの数値。そうなると心配なのは乗り心地だが、実際に乗って見ると、路面からの突き上げに対する足まわりの収まり方はかなりいい線に感じた。
それは恐らく『周波数応答ダンパー』がいい仕事をしており、ボディ剛性向上と日本向けに変更したタイヤ特性も効いているようだ。

運転席のドアを開けると現れる、アロマディフューザーのカートリッジ差込口。 平井大介
そのあたりを開発責任者である小池久仁博さんに告げると、重量に対しサスペンションのセッティングを硬くせざるを得ないので、どうしても突き上げが出てしまうそう。しかし、動的性能をセッティングする日本側のメンバーに、ボディの捻じれなどを一発で当てる人がいるという。
その『匠の技術』を持ち込むことで相当作り込んだ結果が、新型インサイトの乗り心地なのだ。
パワー自体はシングルモーターでも十分で、今回の試乗コースである街中と高速道路でよく走ってくれる印象。『想像しているよりも速い』という書き方が、実際の印象に近い。前輪のブレーキを独立制御して車両挙動をコントロールする『アジャイルハンドリングアシスト』も、『よく走る』に繋がっているのだろう。
*4代目『ホンダ・インサイト』に込められた作り手の思い(後編)に続きます。
