《国会では防戦一方、党内基盤にも不安》高市早苗首相、英首相の公式別荘「チェッカーズ」への招待に難色 「英語の実力」「全面禁煙」が理由か
衆院選の歴史的大勝から120日余りが経過し、高市首相が窮地に追い込まれている。連日の疑惑追及で心身共にすり減る中、水面下では外交問題にまで発展しかねない事態が──孤独を深める宰相の胸中を追った。
【写真】憧れのバンドメンバーと対面し、自身のサイン入りドラムスティックを贈る高市首相。他、大型バイクに乗る、ロングヘア時代の高市早苗氏なども
「ディープ・パープルは私の憧れのバンドです。いまは夫とけんかしたら、(代表曲の)『Burn』をたたいて呪いをかけています(笑い)」
このとき、イギリスの伝説的ロックバンドを官邸に迎え入れた主は、満面の笑みを浮かべ、ジョークを飛ばす余裕すらあった。しかし、あれから約2か月。最近は別人のような彼女の姿が、国会中継の画面に映し出されている──。
「有料オンライン会員になろうとは思わなかった」
国会で高市早苗首相(65才)の口からこんな"珍答弁"が飛び出したのは、6月4日の参院予算委員会でのことだった。
「首相は連日、『週刊文春』が報道を繰り広げる中傷動画問題について質問を受けています。『週刊文春電子版』で公開されている音声が自身の秘書の声かどうかを質問され、『(音声を聴くためには)有料会員になる必要があったが、会員になろうとは思わなかったので、確認できなかった』と答弁したのです。
問題となっているのは、首相の秘書が前回の総裁選や衆院選で、ライバル候補や他党を批判するネット上の中傷動画の作成を依頼していたという疑惑。文春電子版は月額2200円ですが、初回登録者は"初月300円"。首相の答弁は、この疑惑と向き合うために数百円すら"支出したくない"と国会で宣言したようなもので、前代未聞の答弁だと党内でも失笑を買っていました」(自民党関係者)
野党側も「(文春に)許可を取るから、聴いてくれ」などと食い下がり、結局、翌日の質疑で「私と会話しているときよりもかなり高い声で違和感があった」などと音声の信憑性に疑問を呈した。
「予算委員会は、慣例として多岐にわたる質問が飛び交います。本来であれば自身の秘書らと一緒に答弁を練るものですが、今回は秘書本人が疑惑の当事者。仕方なく、首相自ら答弁を書いているようですよ。ただ、答弁自体がブレていて、国民に"不誠実な対応をしている"と受け取られかねず、周囲は気を揉んでいます」(前出・自民党関係者)
そんな高市首相、これまでは選挙での大勝を受けて、党内で盤石の基盤を築くとみられていたが、実はそうでもないようだ。5月の連休明けに高市首相を支える政治グループとして発足した「国力研究会」を巡っても一悶着があったという。
「複数の大御所議員に会長就任を打診したが、みんな首を縦に振らなかった。最終的に加藤勝信さんに打診し、やっとOKが出ましたが、今度は首相から待ったがかかったのです。首相は先の総裁選のときに、直接出向いたにもかかわらず、加藤さんに陣営入りを断られたことをずっと根に持っています。ほかに引き受け手がいなかったことから加藤さんに落ち着きましたが、会の発足が予定より1週間遅れたのは、このあたりのすったもんだがあったといわれています」(政治ジャーナリスト)
懸念材料は首相の英語力
国会では防戦一方で、党内基盤にも不安を残す高市首相だが、6月13日からは就任後初の欧州訪問に臨む。イギリス、イタリアで首脳会談をこなし、15日からはフランスで開催されるG7サミットへの参加を控える中、関係者はすでにある難題を抱えているという。
「近年の日英関係は史上最高ともいわれますが、そんな両国の関係に水を差しかねない事態が起きています。イギリスのスターマー首相が熱心に招待してくれているチェッカーズへの宿泊に、なんと首相が難色を示しているそうなのです」(外務省関係者)
チェッカーズとは、16世紀に建てられたカントリーハウス(邸宅)のことで、長年、イギリス首相の公式別荘として使用されてきた由緒ある建造物。歴代の首相たちが執務に利用し、時に重大な政治決断を下した、まさにイギリス政治の象徴だ。ここに招待されるということは、イギリス側が賓客をもてなそうとする誠意の表れといえる。
「日本の首相では、田中角栄、安倍晋三両元首相しか宿泊したことがなく、実現すれば高市政権にとってもまたとないレガシーになるはず。今年1月にスターマー首相が来日した際には、チェッカーズに関連する書籍が贈呈され、年内に首相を招待したいという意向を示されていました。いったいどんな理由をつけて断るつもりなのでしょうか」(前出・外務省関係者)
別の外務省関係者もこう嘆息する。
「ロンドンから距離があるとはいえ、車で1時間もあれば到着しますし、そもそも招待は既定路線でした。ディープ・パープルとの対面ではイギリス大使館の多大なサポートがあったのに、今回の"招待拒否"は彼らの顔に泥を塗る行為です。側近の秘書官らは首相に叱責されるのが嫌で進言できていないのではないか」
最大級のおもてなしを前に、なぜ高市首相は難色を示すのか。
「チェッカーズに滞在すれば、夕食会だけでなく、現地メディアのぶら下がり取材やスターマー首相との散策など、アドリブでの英語のやり取りが増えます。首相は英語の実力が可視化されることを恐れているのではないでしょうか。また、国家的に禁煙政策を推し進めるイギリスの公共施設は基本的に全面禁煙。愛煙家の首相にとってはこの点もネックなのかもしれません」(永田町関係者)
高市首相が英語でのコミュニケーションを避けようとする背景には、先のアメリカ訪問での"つまずき"が影響しているという。
「トランプ大統領との会談では熱心に英語で語りかけていましたが、お世辞にも流暢とは言いがたかった。トランプ氏から"あなたは優秀な通訳を連れてきているでしょう"と発言を遮られ、暗に安倍元首相時代から顔見知りの外務省高官に通訳させるように促される場面があったのです。このシーンは国内でもたびたび話題になり、かつて『米連邦議会立法調査官』を務めていたという首相のアメリカでの経歴を疑う声すらあがっています」(前出・別の外務省関係者)
しかし、明確な理由なくチェッカーズへの招待を断れば、イギリスとの間に禍根を残しかねない。かねて、尊敬する人物はイギリスのサッチャー元首相と語ってきた高市首相だけに、"鉄の女"の母国に恥をかかせるわけにはいかないはずだ。
※女性セブン2026年6月25日号
