メ~テレ(名古屋テレビ)

国政でも議論が進む「議員定数」の削減。地方自治体でも、見直しの動きが出ています。岐阜県の美濃加茂市では、議員の数を「約4割」減らすという議論が本格的に始まりました。

5日に始まった、美濃加茂市の定例議会。

提出されたのは、議員定数の”大幅削減”案です。

「議員定数を現行の16人から10人に見直し、限られた資源の使い方を改めることで、議会の機能を高める」(美濃加茂市 出口峻佑 市議)

「なり手不足」を背景に、前回は無投票に終わった市議選。

定数を減らすことで、”選挙”という議会に緊張感をもたらす仕組みが必要だという考え方です。

さらに――。

「これまで所得の低下や不安定さから、議会への挑戦をためらっていた人が、議員という役割を現実的な選択肢として選べる環境へと近づける」(出口市議)

1月に行われた選挙で、無投票で5回目の当選を果たした藤井浩人市長も選挙公約に掲げていました。

「いまの美濃加茂市議会の報酬だと、議員活動だけで生活を支えると同時に活動をするのは厳しいと思うので。議員活動に専念できるように、プロフェッショナル化を提案した」(美濃加茂市 藤井浩人 市長)

定数削減に”反対派”の議員が多数を占める

今回、議員自ら提出された条例の改正案。

現在1人あたり月額1万円となっている政務活動費を定数を減らすことで、1人あたりの月額を引き上げるなどして、議員の活動を充実させることを目的としています。

ただ、メ~テレの取材では、定数削減に”反対派”の議員が多数を占めています。

「市民5万7000人に対して(市議が)10人でいいのか。定数削減は必要だと思うが、10人は極論すぎる」(美濃加茂市 森厚夫 市議)

地方議員の「定数削減」がもたらす効果は?

各自治体の議員の数、東海地方で比べてみます。

美濃加茂市の人口は、約5万7000人。

人口が同じ規模の自治体の多くは、議員定数が17人、または18人で、現状美濃加茂市の「16人」は、とりわけ多いとも言えません。

地方自治に詳しい専門家に、地方議員の「定数削減」がもたらす効果を聞きました。

「なり手不足や候補者が集まらない無投票当選など、議会の困難がある中で、これをきっかけにして議会のあり方そのものを考える契機としては、議員定数削減の問題提起は意義はあるもの」(名古屋市立大学 三浦哲司 教授)

一方、マイナス面もあるといいます。

「当選ラインが上がるので、マイノリティー(少数派)の支持を受けての当選が難しく、いろんな背景・事情を持つ方が議員として活躍できる可能性は小さくなるかも」(三浦教授)

「より丁寧な議論が必要」だと指摘

大きく定数を削減するという、美濃加茂市の改正案。

三浦教授は、より丁寧な議論が必要だと指摘します。

「通常4割(減)となると、相当な削減幅。段階的に、より少ない人数で見直しを進めていって効果と検証を重ねて、引き続きどうするか検討するというステップを踏むのが通常」(三浦教授)

有権者となる市民は――。

「少数精鋭になり、議員のやる気が上がるのは良いかな」(美濃加茂市民・20代)

「地域の意見が聴ける議員が少なくなるのは大丈夫かな」(美濃加茂市民・60代)

「(前回の市議選が)無投票だったから、定数を10人にして『少ない』となったら増やせばいいと思う」(美濃加茂市民・70代)

次の市議会選挙は、10月に控えています。

改正案は、26日の議会最終日に採決される見通しです。