3連覇を狙う昌平。エースFW立野(写真)の爆発に期待がかかる。写真:河野正

写真拡大 (全4枚)

 全国高校総体(インターハイ)サッカーの埼玉県予選は5月30日、昨年より2校多い44校が参加して開幕する。決勝は6月14日にNACK5スタジアムで午前11時のキックオフ。埼玉の代表校は2019年度から1枠となっており、優勝校が本大会(7月25日〜8月1日・福島県)の出場権を獲得する。

 ここ7年、狭き代表枠を巡ってタイトル争いが激化しているが、今回も例年以上の混戦が予想される。2度目の3連覇を狙う昌平、関東高校大会を制した武南、9度目の頂点を目ざす西武台、新人大会2位の聖望学園を中心とした優勝争いが展開されるのではないか。
 
 昌平は昨季に続いてプレミアリーグEASTでの不振が続き、直近の第9節を終えて2勝1分け6敗の勝点7で10位だ。11得点は12チームのうち4番目に少なく、17失点は5番目に多い。猛威を振るったシーズンの昌平はボールを握る時間が長いため、得点の確率が高く失点のリスクが少ない好循環にあった。ただし、プレミアリーグの成績をこの予選にそのまま当てはめることはできず、それでも昌平は優勝候補の一角に違いない。

 今季J1・川崎フロンターレに加入した長璃喜、湘南ベルマーレに進んだ山口豪太のようなスター選手は不在だが、大勢の好人材を抱える。エースFW立野京弥(2年)やMF飯島碧大(3年)ら、6人が前年度の全国高校選手権に先発。準々決勝からの登場とあり、2〜3試合勝ち抜いてきたチームとの初戦が難しい戦いになりそうだ。
 武南は自らが持つ最多優勝記録を17度に更新する力を秘める。新人大会と関東高校大会を制し、U−18県リーグ1部(S1)でも首位に立つ。実力を出し切れば優勝に最も近い存在と思われる。

 昨季のレギュラー4人のうち、3人のMF陣が攻撃のタクトを振るう。

 1年生からボランチの主力である小山一絆(3年)は、力強いドリブルで敵陣に顔を出しては最終パスとゴールを狙う。中距離弾も得意だ。昨季左SBだった八百川尚輝(3年)は最近トップ下で起用され、豪胆なドリブルで進出し1トップの岩澤柾吾(3年)にやさしいパスを届ける。左の2列目から軽やかに持ち運ぶ渡辺悠(3年)は、決定力の高いセカンドストライカー的な選手だ。

 この3人に加え、関東高校大会のMVPに輝いたボランチ小川慈生(3年)が、中列後方から得点に直結するパスを供給し、相手の逆を突くプレーで守りを混乱させる。
 プリンスリーグ関東2部で目下4位の西武台は、前チームのレギュラーがほとんど抜けたものの能力の高い陣容だ。プリンスリーグは開幕2連敗を喫したが、第3節から前節まで3勝2分けと好調を堅持。8人でリーグ3位タイの10点を奪っているように、昨季の太田和希のような絶対的エースは不在ながら、どこからでも得点できるのが強みだ。

 昨秋の全国高校選手権予選で先発した藤崎瑛尚、野網凛生の両MF(ともに3年)をはじめ、ともにプリンスリーグで2得点の阿部貴史、松井秀太や郄橋祐輔(以上3年)のMF陣がゴールに絡んでいきたい。
 聖望学園は初出場の関東高校大会B組1回戦で敗れたが、順位決定戦には勝利した。現在S1で首位と勝点2差の4位につける。正確なビルドアップが持ち味の竹川凌平(2年)は埼玉を代表するGKで、CB栢岡孝尚(2年)とともに堅陣を支える。

 前チームからボランチを担う高本創司(3年)は長短のパスで攻撃を構築し、昨季はジョーカーとして活躍したFW前住渚有(3年)がエースに成長。ただ、新チームからFWに転向した八尋祐有(3年)が骨折し、離脱した影響は少なくないだろう。初戦の3回戦で難敵の正智深谷との対戦が予想される。

 その正智深谷はS1で最多の18得点を挙げ、4失点も2番目に少なく攻守のバランスが整った好チーム。昨季の主力が各ポジションに5人残り、FW藤原拓矢(3年)とMF廣間琉倭(2年)は全国高校選手権予選でそろって2点を挙げた。CB青木穂希(3年)がまとめる守備は忠実で堅く、3回戦まで進むと聖望学園との屈指の好カードが実現する。
 
 昨年ベスト4の成徳深谷はS1で5位につけ、7試合で3失点の堅陣を誇る。一方、昨季とは打って変わり得点力が低い。2回戦から連勝し昌平との挑戦権を得たい。

 昨秋の全国高校選手権予選で初の4強入りした細田学園は、小野寺快斗や松本隼翔(ともに3年)の強力FWを擁し、S2ながら上位に進む力がある。S3で7戦全勝と絶好調の本庄一や勝点3差で追う西武文理も面白そうだ。

 S1の武蔵越生や浦和学院、新人大会では公立勢で唯一の8強に進んだ浦和東、巻き返しを狙う市立浦和の戦いにも注目したい。埼玉平成−浦和南、埼玉栄−本庄一は1回戦で指折りの好カードだ。

文●河野 正
【画像】広瀬すず・ガッキー・永野芽郁・川口春奈! 初代から最新21代目の池端杏慈まで「選手権・歴代応援マネージャー」を一挙公開!