新たな大陸地溝帯が形成されている可能性があるというカフエ地溝帯南部の空撮画像/P. Vivien-Neal/Kalahari Geo-Energy & M. C. Daly/University of Oxford, UK

(CNN)サハラ砂漠以南のアフリカは数百万年後に分裂する可能性があり、科学者らはこの地質学的プロセスが初期段階にあるのではないかとみている。

この分裂は、タンザニアからナミビアまで延びる全長約2500キロの地溝帯の一部であるカフエ地溝帯に沿って起きるとみられる。地溝とは地殻の割れ目であり、地表を変形させ、地盤沈下や地震を引き起こすことがある。世界には数千の地溝が存在し、その大半は活動を休止または停止している状態だが、時に再び活動を始めることがある。

地質学者は長年、カフエ地溝帯の活動は停止していると考えてきたが、専門家の一部は過去数十年間に活動の兆候が見られると指摘。同地域が新たな大陸地溝帯へと変化しつつあり、最終的には構造プレート間の新たな境界となって、その過程で新しい海を生み出すのではないかという見方が、証拠の増加とともに強まっている。

過去の研究では、こうした手がかりが集められてきた。人間には感じられないほど微弱だが観測機器では検知できる程度の地震、地下温度の上昇、衛星で確認された地表の微小な標高変化などは、いずれも同地域で地殻変動が起きている可能性を示唆している。

11日付で学術誌「フロンティアズ・イン・アースサイエンス」に掲載された新たな研究は、さらに一歩踏み込んでいる。「この地域から初めて地球化学的データが得られた」と、英オックスフォード大学の博士研究員だった当時に研究を主導したルータ・カロリテ氏は述べた。「これはまったく別の系統の証拠であり、この地域で地溝帯の活動が起きているという考えを大いに裏付けるものだ」

新たな大陸地溝帯の研究は、プレートテクトニクスにおける最も根本的な問いの一つに答える助けとなる。

「新たなプレート境界はどのように始まるのか。成熟したプレート境界は容易に認識できるが、初期の段階ははるかに捉えにくい」と、米カリフォルニア大学デービス校地球惑星科学のエステラ・アテクワナ特別教授(今回の研究には不参加)は述べた。

「カフエ地溝帯が誕生したばかりのプレート境界の一部であれば、火山活動や大地震、大規模な地表変形によって元の状態が隠されてしまう前に、境界誕生の過程を研究できるまたとない機会となる」(アテクワナ氏)

新たなプレート境界の手がかり

証拠を集めるため、カロリテ氏らは、地溝帯が疑われる場所の上に自然発生したザンビアの温泉や地熱井からサンプルを採取した。「熱水が地表に湧き上がっており、そこから出てくるガスを採取した」と同氏は述べた。

研究者らが主に調べたのは、ヘリウム3とヘリウム4という2種類のヘリウムの比率だった。チームは、温泉や井戸が、地殻と核の間に広がる地球のマントルとつながっていることを示す決定的な証拠を探した。「地殻内で通常見られるよりも多いヘリウム3が見つかった。これは一般的に、マントル由来の流体が水の中に上昇してきていることを示す兆候だ」とカロリテ氏は言い添えた。

サンプルは非常に限られた地域のわずか6カ所から採取されたものであるため、結果はあくまで予備的なものにすぎない。だが研究者らは、地溝帯と疑われる場所から約95キロ離れた2カ所の温泉でもサンプルを採取したが、ヘリウム3の比率に同様の増加は確認されなかった。

マントル由来の物質は、プレートが伸長して分裂し始める際に地表に到達することがある。そのため研究チームは、この新しい地球化学的データが、新たなプレート境界の形成を示唆する初期の兆候となる可能性があるとみている。

経済的な恩恵

プレート間の境界のほとんどは海底にあり、互いにすれ違ったり、衝突したり、離れていったりする。これらの境界はまた、大半の地震や火山活動が発生する場所でもある。

活発に発達している地溝帯は、プレートの境界になることもある。だが、「こうした地溝帯はしばしば発生しては停止したり、少し広がってまた停止したりすることもある。何が起きるかを予測するのは難しい」とカロリテ氏は指摘する。

アフリカ大陸にはすでに、数千万年の歴史を持つ発達した地溝帯が存在する。東アフリカ地溝帯には複数の火山があり、地震活動も活発だ。

だが、新たな地溝帯が同様に発達し、プレート境界へと変わるには「最も早くて数百万年後、最も遅ければ1000万年から2000万年かかる可能性がある」と、研究の共同著者であるマイク・デーリー氏は述べた。

「アフリカ南部は切り離されるだろうが、その前に多くの地震が発生し、溶岩が流れ出すような火山活動が見られるようになる。深い地溝が形成され、そこに水が滞留し始めるため、現在の東アフリカに見られるような湖ができ、最終的には海になる」(デーリー氏)

一方、近い将来には、ザンビアがエネルギー利用によって経済的な恩恵を受ける可能性がある。この地域では地熱発電所の開発が進みつつある。同国では医療やハイテク産業で需要が高いヘリウムを採取できる可能性もある。

研究者らは、今回の発見を裏付けるため、地溝帯と疑われる場所に沿ったより広い地域からさらにガスを収集しており、既に新たな研究に着手し、より詳細な結果の分析を進めている。