コスプレ姿などさまざまなファンが別れを惜しんでいた=7日、イオン海老名店内

 5スクリーン以上を持つシネマコンプレックス(シネコン)の国内第1号として1993年に開業したイオンシネマ海老名が今月17日、入居する施設の建て替えに伴い33年の歴史に幕を下ろす。「スター・ウォーズ」シリーズで知られる映画監督ジョージ・ルーカス氏提唱の音響システム「THX」認定を日本で初めて受けた7番スクリーンでは、同シリーズ全作品を最終日まで連日上映。同館の加藤曉司総支配人(41)は「皆さまに愛され、支えてもらってここまできた。最後まで楽しんでほしい」と話している。

 同館はワーナー・マイカル・シネマズ海老名として93年4月、米ハリウッド俳優のスティーブン・セガールさんら国内外の映画関係者を招いてオープン。97年には年間観客動員数100万人を突破、99年には約120万人が来場した。ルーカス氏が提唱する環境で映画を楽しもうと全国から来場者が訪れる同シリーズの「聖地」とも呼ばれた。しかし、2002年には近隣にもシネコンが誕生し、観客動員数はピークの半分程度になった。加藤総支配人は「映画界にとって(同館ができたのは)歴史的な瞬間だった。一つの時代が終わってしまう」と振り返った。

 閉館が近づく今月7日。訪れた観客の中にはスター・ウォーズの登場人物のコスプレ姿も見られ、「聖地」の最後を楽しんでいた。同シリーズ全11作品を同館で鑑賞したという西岡良憲さん(61)=相模原市南区=は、宇宙戦艦が登場するシーンの地響きや、主人公らが使う武器「ライトセーバー」がぶつかり合う時の重低音が「忘れられない」という。「7番スクリーンはコンサートホールのように音がとても良かった。文化遺産として残してもいいぐらいだ」と惜しんだ。同シリーズは最新作の公開を22日に控えるが、「これからどこで見たらいいのだろう」と嘆いた。

 最終日は7番スクリーンの座席表などを記したオリジナルクリアファイルを来場者に配布するほか、最終上映後、運営関係者らによるクロージングセレモニーも行われる予定。同館が入居するイオン海老名店の正面入り口から同館までの床は同シリーズ仕様にラッピングされ花を添えている。