在独米軍削減が現実に…「トランプクラブ」、安保会員権の販売開始
ドナルド・トランプ米大統領が、貿易に続いて安保分野でも全世界を無限の「各自生き残り(各自図生)」の道へと導く信号弾を打ち上げた。80年にわたる大西洋同盟の核心であり、欧州および中東・アフリカを網羅する海外作戦の重要拠点であるドイツから、米軍部隊を撤収させるよう指示したためだ。
トランプ大統領は2日(現地時間)、兵力の削減規模について「5000人よりもはるかに多くなるだろう」と述べた。前日に国防総省(戦争省)が明らかにした規模よりも、撤収の幅が大きくなる可能性があるという意味だ。撤収期限は6カ月から1年の間となる。トランプ大統領は、そう述べながらも削減の理由については口を閉ざした。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「ドイツはイラン戦争に非協力的だった自国を狙い、米軍撤収の脅しをかけてきたトランプ氏の『口』を軽く考えていたが、この楽観論が在独米軍の削減として跳ね返ってきた」と指摘した。兵力撤収が「欧州内の兵力配置に関する徹底した検討を経た結果」だという国防総省の主張とは異なり、トランプ大統領が下した「不敬罪」の判定がより直接的な原因である可能性が高いということだ。フリードリヒ・メルツ独首相は3月の訪米後、「トランプ大統領から在独米軍の駐留維持の確約を得た」として自信を見せていた。その後、イラン戦争について「米国はイランに屈辱を味わわされた」などの毒舌を浴びせていた。
トランプ大統領はすでに第1期政権時に在独米軍の撤収を推進していた。今回の決定の2倍近い9500人の在独米軍を撤収させようとしたが、同盟の亀裂を懸念する米国内の反対世論に阻まれた状況で政権交代が行われ、実行できなかった。4年ぶりに政権を取り戻したトランプ大統領は、就任と同時に相互関税を通じてグローバル貿易秩序を崩壊させ、就任2年目の今年、在独米軍の撤収まで現実化させることで、安保分野の同盟体系を根底から揺さぶり始めた。
これに関連して注目すべき人物が、第1期政権時に3万6000人規模の在独米軍のうち3分の1を削減するという構想を主導したリチャード・グリネル現北朝鮮特使だ。彼は2024年7月の共和党全国大会で行った記者会見で、同盟国の防衛費分担問題に言及し、「世界中のどんなクラブ(会員制組織)も、会費を払わなければ利用できない」と述べた。グリネル氏は、同盟間の連帯を主張するフランス人記者に対し、「簡単だ。費用を払えばいい」と言い残して会見場を後にした。グリネル氏が語った「トランプクラブ」の会員権は、当時は暴言に近い脅し程度に受け止められていたが、今回の決定で現実のものとなった。グリネル氏は過去、在独米軍の撤収だけでなく「トランプ氏は在韓米軍の撤収計画を持っている」と言及し、波紋を広げた張本人でもある。
トランプ大統領から「米軍撤収」通告を受けたドイツは、困惑の色を見せながらも「欧州人が欧州の安保により多くの責任を負わなければならない」として、再軍備の推進を加速させる雰囲気だ。ドイツのほかに米軍削減の可能性が示唆されたイタリアとスペインも、対策作りに奔走している。中東ではアラブ首長国連邦(UAE)が石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を電撃宣言した。全世界の国々による独自生存の努力は数値でも確認されている。スウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」の年次報告書によると、昨年の世界の軍事費支出は2兆8900億ドル(約453兆円)で、前年比2.9%増加した。
