[4.29 J1百年構想第13節 水戸 2-2(PK3-4) 町田 Ksスタ]

 J1百年構想リーグは29日、第13節を各地で行い、ACLエリート準優勝のFC町田ゼルビアが水戸ホーリーホックと対戦した。町田は日本時間26日未明にサウジアラビアでACLE決勝を戦っており、長距離移動を経て中2日での連戦。DF中山雄太、MF相馬勇紀、DF岡村大八といった主力がベンチ入りせず、0-2から追いつかれる苦しい展開となったが、GK谷晃生のセーブでPK戦には勝利し、勝ち点2を獲得した。

 町田はACLE決勝からGK谷以外の先発10人を総入れ替え。DFキム・ミンテが町田での初出場初先発を飾った他、MF下田北斗とFW徳村楓大もJ1百年構想リーグ初先発となった。対する水戸はGK松原修平が先発でJ1デビュー。DF牛澤健、MF山下優人、FW根本凌も今大会初先発を果たした。

 試合は風上のエンドを選んだ町田が攻め込むも、メンバー変更の影響もあってミスが相次ぐ展開。前半11分、下田が右CKをそのまま枠内に狙うも、松原にパンチングで処理されると、同13分にはFW藤尾翔太が右サイドをえぐってクロスを上げたが、中央で水戸守備陣にカバーされた。

 対する水戸も前半14分、MF望月ヘンリー海輝にプレッシャーをかけたMFマテウス・レイリアがボールを奪い、斜めのパスを差し込むと、MF真瀬拓海の落としからFW渡邊新太がシュート。だが、DFドレシェヴィッチにブロックされた。

 すると前半17分、町田が試合を動かした。右サイドでテンポよくボールをつなぎ、MF仙頭啓矢がクロスを入れると、ボックス内でMFナ・サンホが落とし、中央に絞ってきていた徳村が後ろ向きのラストパス。これを受けた下田がペナルティエリア外から左足コントロールショットを流し込んだ。

 その後は水戸が不安定な町田の3バックの背後を狙うことで優勢に転じ、根本とレイリアが決定機を迎えたが、シュートの精度が足りずにゴールをこじ開けられない。同40分、DF大森渚生のロングフィードに真瀬が抜け出すも、谷の見事な飛び出しで防がれ、町田の1点リードでハーフタイムを迎えた。

 すると後半立ち上がりから町田が攻め立て、得意のセットプレーから試合を動かした。後半3分、立て続けに獲得した下田の左CKがゴール前に送り込まれると、水戸のニアストーンが緩い対応を見せ、ワンバウンドで合わせたのはドレシェヴィッチ。頭で押し込んで2-0とした。

 2点ビハインドとなった水戸は後半4分、DF飯田貴敬のクロスを根本が収め、レイリアが振り向きざまに左足で狙ったが、谷がファインセーブ。ACLEベストGKに輝いた守護神が全く隙を見せない。町田も同8分、下田のFKからキム・ミンテが頭で合わせたが、惜しくも枠を捉えられなかった。

 さらに町田は後半9分、望月のフィードを藤尾が落とすと、仙頭のクロスにナ・サンホがダイレクトで合わせたが、松原のファインセーブに阻まれる。すると同22分、水戸は途中出場MF仙波大志が左CKをゴール前に送り込むと、町田の望月のヘディングクリアが自陣ゴールに吸い込まれ、オウンゴールで水戸が1点を返した。

 水戸は直後の後半24分、前節でデビュー戦初ゴールを決めた流通経済大柏高出身ルーキーのMF安藤晃希と今季2ゴール3アシストのFW多田圭佑を投入。さらに勢いを持って攻め立てる。対する町田も同31分、ACLEで先発だったFWテテ・イェンギとMF林幸多郎に加え、FW桑山侃士を投入した。

 水戸は後半33分、いずれも初出場となるFWパトリッキとMF山下翔大を投入。名古屋高出身ルーキーの山下はこれがプロデビューで、町田の徳村、水戸の安藤と高卒ルーキー3人が同時にピッチに立った。水戸は同36分、攻守の切り替えから山下がファーストシュートを放ったが、これは望月がブロック。こじ開けられない。

 防戦一方の町田は後半42分、ACLE明けで金髪にイメージチェンジしたDF昌子源を守備固めで起用。ところが同45分、水戸は仙波からのロングフィードが左サイドに入ると、これを受けた安藤がドリブルで仕掛け、望月をぶち抜いてゴール前にカットイン。そのまま右足シュートを突き刺し、前節に続く2戦連発となる劇的な同点ゴールを決めた。

 対する町田は後半アディショナルタイム3分、林のロングスローを望月がニアサイドでそらすと、ファーサイドに走り込んだ桑山がゴールに押し込む。だが、ハンドの判定。桑山は自身の手にボールが当たった直後にゴールを決めていたとして、「偶発的であっても攻撃側の手や腕に当たった直後に得点が決まった場合はハンド」というルールに基づく判定となった。

 そのまま2-2で規定の90分間を終え、PK戦を実施。両チームともに成功が続くなか、勝負がついたのは4人目。先攻の水戸はDF板倉健太のキックが大きく枠を外れた。すると直後、町田4人目は谷が短い助走からのキックで右に沈め、王手をかけた。そして最後はパトリッキのキックを谷がセーブ。今季のPK戦で圧倒的なパフォーマンスを見せる守護神の活躍により、町田が勝ち点2を獲得した。

(取材・文 竹内達也)