小学館『マンガワン』騒動で変化が... テレビ業界でも「再起動(リブート)」が加速中
オリジナル脚本のドラマが増えている
小学館が運営する漫画配信サービス『マンガワン』騒動の余波が、テレビ業界にも及んでいる。
「男性漫画家の性加害を知りながら、編集部が新連載の原作者に起用していたことが発覚して大炎上。作品は配信停止、小学館は謝罪するとともに第三者委員会を設置しました。一連の騒動を受けて、テレビ局も身構えています。″しばらく小学館の作品のドラマ化は中止。すでに進めているものも一旦、ストップするように″とお達しを出した局もあるようです」(キー局プロデューサー)
小学館といえば、’23年秋に同社の人気漫画をドラマ化した『セクシー田中さん』(日本テレビ系)の脚本を巡り、原作者である漫画家の芦原妃名子さんとトラブルに発展。芦原さんが騒動の経緯を明かしたことで制作陣に批判が殺到し、悲劇的な結末を迎えたのは記憶に新しい。
「『セクシー田中さん』事件以降、ドラマ化する際には原作を慎重に取り扱うよう指導が徹底されました。その一方で、新人脚本家の発掘・育成や、複数の脚本家が作品全体の展開や各回の構成を考えるライターズルームの採用が各局で進んでいます。オリジナル作品なら局側の都合で脚本を改変できますからね。『マンガワン』騒動でこの流れが加速しそうです」(制作会社ディレクター)
オリジナル脚本のドラマが増えている背景には「漫画業界側の事情もある」と漫画誌編集者は言う。
「アニメ化しやすい″転生モノ″等、ファンタジー系の漫画が人気で、単純に実写化が難しいんですよ。不倫モノや復讐劇など、深夜帯や見逃し配信でウケるジャンルは今後も実写化されると思います」
演じる側の俳優からは、オリジナル作品の増加は歓迎されているという。
「実写化されるような人気漫画には熱心なファンがついていて、″世界観が違う″″イメージが違う″等と演技とは別のところで叩かれやすいですからね。1月クールの『リブート』(TBS系)のような、オリジナル脚本の話題作に出会うことが理想でしょうね」(芸能事務所幹部)
ちなみに4月クールの民放プライム帯のドラマで漫画を原作にしているのは、木南晴夏(40)主演の『今夜、秘密のキッチンで』(フジテレビ系)ら2作のみ。
「『リブート』や同じ日曜劇場の『VIVANT』のように、オリジナル作品は視聴率の予測こそ立ちませんが、当たればデカい。ヒットした際にシリーズ化、映画化しやすいというメリットもある。
マネタイズしやすいから、各局ともドラマの枠を増やしているのですが、そのぶん埋もれやすくなっている。著名脚本家や、魅力的なオリジナル作品を書ける脚本家は争奪戦になるでしょうね」(前出・制作会社ディレクター)
ドラマ界の″原作離れ″には、意外なメリットもある。
「有名プロデューサーや売れっ子脚本家が資金力のある外資系配信サイトに流れたことで、制作スタッフ含めたテレビ業界の若返りが進んだのです。『silent』(フジ系)で社会的ブームを巻き起こした生方美久氏のような、新しい才能がどんどん出てくるのではないか」(前出・キー局プロデューサ-)
テレビ界で、再起動(リブート)が始まろうとしている。
『FRIDAY』2026年5月1・8日合併号より
