満員電車で通路を塞ぐ「大型キャリーケース」や、一歩も動かない「ベビーカー」にモヤッ。乗客約7割が回答した車内マナー迷惑1位の本音も
日本民営鉄道協会から発表された最新の「2025年度 迷惑行為ランキング」では、昨今の状況を反映し、訪日外国人によるマナーの実態についても踏み込んだ調査が行われました。その結果、実に約8割もの人が車内での特定の振る舞いに「迷惑した」と回答。混雑した通勤電車が抱える、新たな課題が浮き彫りになっています。
記事の後半では、最新のアンケート結果から見えたランキングの意外な実態を紹介します。たとえば、訪日客に対する不満として「ゴミの放置」よりも圧倒的に多く、約7割もの人が「迷惑だ」と回答した1位は一体何だと思いますか? 日本人同士の感覚とは少し異なる、インバウンドならではの「意外なNG行為」の正体に迫ります。
◆【事例1】朝の急行電車で見かけたベビーカー
木村直哉さん(仮名・20代)は、通勤ラッシュの時間帯にホームで急行電車を待っていた。
「朝はいつも混んでいますけど、この日はとくに人が多かったです」
電車に乗り込み吊り革をつかんで落ち着いた瞬間、視線の先に“ベビーカーを押す女性”が立っていたという。
「赤ちゃんは寝ていました。タオルもかけられていてかわいい光景でした。でも、この混雑のなか乗ってくるのかな……とも思いました」
女性は一般車両のドア付近におり、体をやや前に傾けてベビーカーを支えていた。周囲の人は自然と距離をとっていたが、そのわずかな空間もすぐに埋まるような状況だったようだ。
◆優先席や専用車両ではなく…
次の駅でさらに人が乗り込み、ベビーカーの周囲は身動きがとれないほどになった。
「うわ、これ押されたら危ないな」
隣の男性が押し出されるように車輪に足をぶつけ、「すみません」と小声で伝える。女性は軽くうなずき、赤ちゃんのブランケットを直した。
「女性は周囲に目を向けることなく、その場に留まり続けていました」
数駅を過ぎ、混雑が少し和らいでも、女性は優先席付近や女性専用車両へ移動する様子はない。
“なんで、この車両に留まっているんだろう?”
“めんどうくさいのかもしれないけど……”
と木村さんは思っていたという。
「申し訳なさそうな素振りもなく、まるでこれが当たり前というように満員電車に乗っている……その姿にちょっと違和感を覚えましたね」
やがて目的の駅に到着した。降車時には周囲の乗客が自然と道を空けて、女性がベビーカーを押しながらホームに降り立った。
「降りるときに“すみません”とか“ありがとうございます”とか、ほんの一言でもあれば、きっと私の受け止め方も違ったと思います」
◆【事例2】混雑時に通路をふさぐ外国人観光客の“キャリーケース”
松井里奈さん(仮名・20代)は、会社に向かうため、いつものようにホームに並んでいた。
「乗車口の前がふさがっているなと思ったら、全部スーツケースだったんです」
黒や赤、銀色の大型キャリーケースが、ドアの左右に並んでおり、持ち主は外国人観光客のグループで、2つ抱えている人もいたという。
「本当に入り口が“壁”みたいで、列の後ろの人たちも困った顔をしていました」
電車が到着すると、彼らは笑顔で会話をしながら先に乗り込み、キャリーケースもそのままドア付近に置いた。奥に進む気配はなく、松井さんやほかの乗客はキャリーケースの間を、体を横にしてすり抜けるしかなかった。
