鹿児島読売テレビ

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■「よく聞こえる」生活の変化 補聴器がもたらす安心

鹿児島市紫原の、うえの耳鼻咽喉科クリニック。今回、情報を寄せてくれた院長の上野員義さんです。診察に訪れた萩之内幸雄さん。2週間前、補聴器をなくし作り直そうとやってきました。

(うえの耳鼻咽喉科クリニック・上野員義さん)
「鼓膜はきれいでしたよ。はい、いいですよ」

耳の聞こえ具合を検査して、自分にあった補聴器をつくります。

(うえの耳鼻咽喉科クリニック・上野員義さん)
「これをつけますね」
(萩之内幸雄さん)
「よく聞こえる…」

補聴器を使ってから生活が大きく変わったそうです。

(萩之内京子さん)
「1回で聞こえるし。とっても必要性を感じます。何か補助があればいいのにねと話をしたところでした」

最近、補聴器の購入費用を補助する自治体が全国で増え始めています。

(うえの耳鼻咽喉科クリニック・上野員義さん)
「認知症の予防のために、補聴器の有用性がクローズアップされている。人口の多い鹿児島市はリーダーとなってやってもらいたいですよね」

認知症のリスクを高めると言われる難聴。耳鼻咽喉科の学会は、「難聴の予防が認知症を未然に防ぐことに繋がる」としています。

そのため、最近は障害手帳を持たない中度、軽度の難聴の人への補聴器の助成制度を始める自治体が増えています。ある団体の調べによると去年8月現在、全国で475の市区町村が助成しているそうです。

■「聞き返さない生活」へ 当事者が実感する補聴器の効果

認知症の予防を研究する鹿児島大学の教授は…

(鹿児島大学医学部保健学科・牧迫飛雄馬教授)
「難聴が進むことで外部からの刺激が十分取得することができず、知的な機能低下も加速的に影響すると考えられている」

補聴器の助成制度を設ける自治体が増えていることを歓迎しています。

(鹿児島大学医学部保健学科・牧迫飛雄馬教授)
「認知症は治療法も制限されている。いかに早期に対応して、選択肢を増やしていくかが大事。自治体で取り組む環境が増えていくのは望ましい方向性と考えている」

鹿児島市の補聴器の専門店を訪ねました。認定技能士に案内してもらいました。

(内田直之キャスター)
「けっこう色んな形があるんですね(そうですね、形でいうと耳の中に入れる小さいタイプから耳にかけるタイプ)性能や大きさなど種類は様々」

最新の補聴器はAIを搭載しています。

(光学堂・茺田淳さん)
「人工知能を搭載して、周りのノイズ、人の会話を完全に分けて調整できる」

最も売れている価格帯は、15万円から20万円だそうです。装着させてもらうと…

(内田直之キャスター)
「耳栓をつけた時や普段使っているイヤホンよりもつけている違和感がない。ものすごく小さいですね。閉塞感、つけた感じはかなり軽減できていると思う」

光学堂の代表、犬伏さんも補聴器を使う1人です。

(光学堂・犬伏和章代表)
「人の言ったことを聞き返すことが多いなと思った。今はほとんど聞き返さないですね」

助成制度は、補聴器の使用を迷う人の背中を押すはずだと話します。

■補聴器助成自治体で差――踏み出す市と慎重な市

エブリィは、鹿児島の市町村に聞き取りを行い助成の実施状況を調べました。いち早く始めたのが曽於市。4年前に上限2万円でスタートしましたが物価高を考慮しこの春、5万円に増額しました。

昨年度から始めたのが阿久根市と志布志市で2万円。今年度スタートした垂水市、南さつま市も2万円。伊佐市、屋久島町、三島村が3万円です。

九州・沖縄の県庁所在地を調べると那覇市は5年前から2万5000円で実施、昨年度、宮崎市が3万円でスタート。熊本市も今年度から3万円の助成を始めました。ちなみに、宮崎市と那覇市は鹿児島市と同じ規模の中核市です。

まだ、実施していない中核市・鹿児島市の下鶴市長に聞きました。

(内田直之キャスター)
「自治体によって補聴器の購入費助成を行っている所も出始めているが、現時点での鹿児島市長の考えを聞かせてもらえますか?」

(鹿児島市・下鶴市長)
「これはその件も含め様々な医療機器の助成等があると思いますが実際に対象となる方がどれぐらい自治体にいて、単価がいくらでいくらぐらいの予算が必要となってそれらには国の助成がつくか検討が必要だろう」

(内田直之キャスター)
「福祉に関わるものは、住む地域で隔てがない形が望ましいと1市民として思うがいかがでしょうか?」

(鹿児島市・下鶴市長)
「仰る通り、住む地域で分け隔てがない。ナショナルミニマムをどこに設定するということだと思う。国一律で保障されることが望ましいものは国で国庫補助、地方財政措置がとられると考えています」

一方、今年度から2万円の助成を始めた垂水市の尾脇市長にも考えを聞きました。

(垂水市・尾脇市長)
「まずは、何よりも困っている人がいる。垂水市は少子高齢化が進んでいる。耳が聞こえるようになって色んな人とのコミュニケーションがとれて問題解決につながると考えたのでしっかり予算をつけた。ある意味、感覚的なものでもあるが、いいことならやろう」

(内田直之キャスター)
「新規の事業を始めようと思った場合、どれぐらいの方が補助を求めるのか?まだ見通しが立たない状況がたぶんあると思う。その辺りはどう考えますか?」

(垂水市・尾脇市長)
「考え方としては、いきなり大きな予算をつけるのではなくて、評判がよければ補正予算とか、次年度に大きく予算をとっていく方法がある。最初の一歩をしっかり踏み出すことが大事」

市民のためになる新しい事業は小さく始めて大きく育てることが大事だと話しました。
(KYT news.everyかごしま 26年4月14日放送)