求人は戻らず失業は揺り戻し 2月雇用指標ににじむ鈍さ

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 持ち直しの気配と、鈍さが入り混じるのが足元の雇用情勢だ。株式会社ツナググループ・ホールディングスがまとめた2026年2月の労働市場データは、数値の小幅な動きとは裏腹に、基調の弱さを示している。

 有効求人倍率は1.19倍で前月から0.01ポイント上昇し、2か月ぶりに改善した。ただし前年同月比では0.06ポイント低下しており、回復の勢いは限定的だ。内訳をみると、パートタイムは1.12倍で前年同月比0.05ポイント低下、正社員は0.99倍と5か月連続で1倍を割り込んだ。雇用の質に目を向けると、企業側の慎重姿勢がうかがえる。

 一方、完全失業率は2.6%と前月から0.1ポイント低下し、直前の上昇から反転した。ただ前年同月比では0.2ポイント上昇している。完全失業者数は180万人で、前年より15万人増加した。年齢別では15〜24歳のみが前年比で改善しており、若年層の一部に限られた動きにとどまる。

 より厳しさが際立つのは求人の入り口だ。新規求人数は前年同月比で7.8%減と、10か月連続で前年を下回った。卸売・小売は17.9%減、生活関連サービス・娯楽は17.0%減、宿泊・飲食は14.7%減と、対面型サービスを中心に減少が広がる。情報通信業も9.5%減、教育関連も6.5%減となり、幅広い業種で採用意欲の後退が続く。

 主要7業種ではアルバイトやパートを含む雇用の影響が色濃く出やすい。今回の結果は、需要の弱さが雇用の裾野から広がっている可能性を示唆する。数値上は小幅な改善や反転が見えるものの、基調としては足踏み。雇用の回復には、なお時間を要しそうだ。